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2020_ACL・・アンジェ・マリノスが魅せた、美しい質実剛健サッカーに、乾杯!!・・(チョンブクvsマリノス、1-2)・・(2020年2月12日、水曜日)

こちらも(昨日のFC東京につづき!)・・

立派な、本当に立派なサッカーを魅せた、マリノス。

まあ、この両チームを形容した「立派」の意味合いは(ゲームの結果も含めて!?)、もちろん異なるわけだけれど・・サ。

その、マリノスだけれど・・

彼らは、サッカー内容で(また結果でも!)、韓国の絶対王者チョンブクを「凌駕」したんだ。

たしかに、後半には、交通事故のような(!?)追い掛けゴールを奪われたし・・

前半には、「これぞチョンブク」ってな、ものすごいダイナミズムの(ボールがないところでの人の動きによる!!)危険な仕掛けをブチかまされ、大ピンチに陥る場面もあったけれど・・ね。

ということで・・

前述の、「凌駕」とまで表現した、マリノスとチョンブクの差の本質だけれど・・

それは・・

やっぱり、とてもクリエイティブでダイナミックな「人とボールの動き」を絶対ベースにした「スペース攻略の内実」ってなトコロなんだろうね。

もちろんマリノスは、前からプレス守備とブロック守備を、うまく使い分けながら繰り出すボール奪取プロセスも、素晴らしかった。

とにかく、積極的に、守備での仕事(ハードワーク)を探そうとする姿勢が、素晴らしい。

例えば・・

後半に、最前線の仲川輝人が、自チームの、とても悪いカタチでのボールロストに、瞬間的に全力スプリントのチェイス&チェックに入り、効果的なカバーリングを魅せちゃったシーンとか・・さ。

アンジェは、いつも言っている。

全員守備、全員攻撃のトータルフットボールを志向する・・(あれっ、違う!? 間違っているなら、次の機会にご指摘あれ〜っ!?)。

それも、(チーム戦術的な!?)基本ポジション(戦術タスク)イメージに「引っ張られ過ぎる」のではなく・・ね。

そうではなく・・

あくまでも、その時点で、攻守の目的を達成するための最高パフォーマンスを発揮できるプレーを、自分自身で考え、勇気をもって実行していく・・っちゅうイメージなんでしょ。

攻撃の目的は、シュートを打つこと。ゴールは、単なる結果にしか過ぎない。

また守備の目的は、相手からボールを奪い返すこと。ゴールを守るのは単なる結果なのさ。

ところで・・

個人的に教えを請うた、オランダの伝説的名将、故リヌス・ミケルスも、常日頃、そんなニュアンスのハナシをしてくれたっけ。

・・いいか・・

・・不確実なファクターが満載のサッカーだからこそ、選手たち自身が考え、勇気をもってリスクにチャレンジしていく姿勢を浸透させていくコトこそが大事なんだ・・

・・もちろん出来ないヤツもいる・・

・・でも、そんな彼にしても、チーム全体が「そのベクトル上を進化していけば」、おのずとある程度は、その波に乗れるようになるものだ・・

・・そう、チーム全体が、同じ方向を向いていれば、自然と、自分たちの能力に応じて、助け合う姿勢が身に付いていくモノなのさ・・

・・たとえば、自分が出来ないプレーを、味方の出来るヤツにやらせ、自分は、積極的にそのバックアップに回る・・とかね・・

何か、深いでしょ。

アンジェ・ポステコグルーに率いられたマリノスを観ていて、いつも、そんなリヌス・ミケルスの言葉を思いだすんだよ。

そう・・

・・ポジションなしのサッカーという、究極の「主体的なサッカー」こそが理想・・

人は・・

・・そんなことをやっていたら負けちゃう可能性の方が大きいでしょ・・

・・などと言う。

でも、一度、「それ」がうまく回りはじめたら(選手たちの意識と意志が高揚したら!)、ものすごく魅力的なサッカーへと、進化し、深化していくモノなんだよ。

そう、いまのアンジェ・マリノスのようにね。

だからこそ、選手たちの意識と意志を高める(自ら考える姿勢を高揚させる!)コトこそが、チームマネージメントの(隠れた!?)最重要タスクなんだ。

あっと・・マリノスの、人とボールの動き・・

彼らは、ワンツーという「組織プロセス」を積み重ねることで、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションを、最高のカタチで機能させている。

・・だからこそ、才能ある「個」に、より頻度高く、ある程度フリーでボールを持たせることができる・・

・・だからこそ、組織プレーと個人勝負プレーを、最高レベルでバランスさせられる・・

とにかく、「あの強烈に強い」チョンブクから、こんなスーパーな勝利をもぎ取っちゃうんだから、今のアンジェ・マリノスは、強いよ、ホントに。

あっと・・最後に・・

先週の「XEROXカップ」のコラムで書いた、オナイウ阿道に対するネガティブ評価。

前言撤回〜〜っ!!

やりゃ、出来るじゃネ〜かっ!!

そして・・

・・やっぱりサッカーは、究極の「相対ボールゲーム」なんだよ・・だから、周りのチームメイトのプレータイプなど、置かれた状況で、パフォーマンスに、雲泥の差が出るコトが多い・・

・・そして、だからこそ、選手たち個々が、しっかりと考え、工夫するといった、チームスピリットを絶対ベースにする「クリエイティブな自己主張の姿勢」こそが大事なんだ・・

なんてね・・

へへっ・・

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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