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2019_J2_第31節・・永井秀樹ヴェルディ・・創造的破壊のチームマネージメント!?・・(ヴェルディvsレノファ山口、4-0)・・(2019年9月8日、日曜日)

テーマは・・

もちろん、ヴェルディ新加入の飛び道具、ジャイルトン・パライバ。

これで、人とボールのクリエイティブな「動き」のなかで、スパッとタテへ仕掛けていくモティベーションも何倍にアップしていく!?

そう、これまでのヴェルディは、ボール奪取プロセスも含め、ポゼッション(イニシアチブ)の内容はまあまあだけれど、「そこ」から勝負を仕掛けていくプロセスが、あまりにも鈍重だったんだ。

勇気が足りない・・!?

タテへ仕掛けていくリスクチャレンジの気合いをアップさせる「ツール」が足りない・・!?

さて〜・・

このテーマについては、第28節のモンテディオ戦コラムも、ご参照あれ。

でも、そんな、タテへの仕掛けプロセス(勇気と、闘う意志の内実)という課題を、一つの才能が、簡単に解決しちゃう・・。

まあ、これもまた、定型のない、「限りなく自由なボールゲーム」であるサッカーの面目躍如ってな現象なんだろうね。

あっと・・

結果だけれど・・

すべてのゴールに絡んだパライバの活躍もあって、数字的には「4-0」という大勝を収めたヴェルディ。

でも、その数字は、必ずしも、ゲームの内実を正確に表現したモノとも言えない!?

そう、霜田正浩さん率いるレノファ山口もまた、とても立派なサッカーを展開したんだ。

決して引かない、とても柔軟なデイフェンス(ボール奪取プロセス)。

基調は、前からプレス守備だけれど、積極的なブロック守備でも、とても安定している。

そして、機を見計らった組織オフェンスをブチかますんだ。

しっかりと人とボールを動かしながら、サイドゾーンからの効果的なクロス攻撃や、たまには、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションからの中央突破も魅せる。

その仕掛けのコノテーション(言外に含蓄される意味)からは・・

選手たちが、自分たち自身で考えながら、限りなく主体的に、攻守ハードワークとリスクチャレンジを積極的に仕掛けていると感じる。

良い仕事をしているじゃありませんか、霜田正浩さん。

彼にも、乾杯!

ということで・・

飛び道具、パライバ・・っちゅうテーマ・・

前半の、互角なゲーム展開のなか、「ドカンッ!!」ってな異音をまき散らしながら、パライバのスピードが閃光を放つんだよ。

それが、電光石火の2ゴールを生み出した。

それまでは、互角の展開から、レノファが、サイド攻撃やセットプレーから、「高さ」という武器を存分に活用し、何度か、決定的チャンスの流れを創り出していた。

だから、ヴェルディの電光石火ゴールからは、まさに「唐突」という印象が残ったね。

でも・・

そう、これまでのヴェルディからは想像できないような仕掛けプロセスだったから、とても新鮮でエキサイティングな感覚は、湧き上がったね。

そんな「パライバ旋風」は、後半も吹き荒れるんだ。

彼のドリブル突破から得たPK(レアンドロが、新ルールにも助けられてゴールッ!!)。

そして自身の、右ポストを直撃するスーパー「コントロール」シュート。

ところで・・

この「パライバ現象は、ゲーム内容に、どんな影響を与えたんだろう・・?」ってなディスカッション。

もちろん、ゲームのなかで、守備側と攻撃側の両方に、さまざまな「イメージ的な修正」が加えられたよね。

守備側じゃ、もちろん、彼のマークの仕方、「駆けっこ」でのスタートやポジショニングの工夫。

また、カバーリングや、彼へのパスに対する警戒など、さまざまな「守備イメージ修正」が図(はか)られたっちゅうわけさ。

またヴェルディ(攻撃側)でも・・

チームメイト連中が、「パライバの仕掛けイメージ」を共有することに努めていた。

・・ヤツは、どんなパスを欲しているのか?・・どんなタイミングで、どんなコースや種類の「仕掛けパス」をイメージしているのか(どんなイメージでスタートするのか)・・

・・等など・・

まあ、とにかく、彼の参加によって、ヴェルディの「守中攻ブラジル・トリオ」の効果レベルが、大きく高まったのは確かな事実だね。

とはいっても・・

永井秀樹監督が志向するチーム戦術イメージからすれば、「ギャップ」は、まだあるんでしょ。

もちろん、ディエゴ・マラドーナやメッシといった世紀の天才だったら、監督自ら、チーム戦術イメージを「彼らに合わる」という方策が正解のケースはある。

でも・・

そう、日本代表での久保建英と同様に(森保一さんの理想イメージとは、まだまだギャップがある?)、パライバにしても、守備参加の内実や、攻撃での、ボールがないところでの動きの量と質など、永井秀樹さんが描くイメージと調整しなきゃいけないでしょ。

何せ・・

そう、パライバの「才能の内実」が、あまりにも明白だから、逆に、相手にとっては(やり方次第で!?)抑えやすい存在に成り下がっちゃうことだって十分に考えられるわけだからね。

そう、パライバにとっても、攻守ハードワークも含む組織プレーが、とても大切なんだよ。

そんな攻守チームプレーが進化したら、もちろん彼の「特長」は、何倍にも危険なモノになる。

とにかく、これから、「パライバという現象」を、自分自身の貴重な学習機会としても注視していくことにしましょうね。

それにしても、永井秀樹ヴェルディ。

彼のチームマネージメントを観ていると・・

それまでの「選手ステータス!?」などには全くこだわらない起用や、積極的な若手の登用も含めて、これまでの「ヴェルディ的なステレオタイプマネージメント」を超越しようとしている・・なんてコトまで感じてしまう。

そう、まさに「創造的破壊」っちゅうわけだね。


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ところで・・

チト唐突ですが、知り合いのジャズシンガー、宮崎友紀子さんを紹介させてください。もう、ホントに素晴らしいソウルフルヴォーカリストです。

以前、あるキャフェライブで聴き、いっぺんにファンになったのですが、その宮崎友紀子さんと、偶然、友人のガーデンパーティーで再会したんです。

彼女については、このページあのページを参照してください。

私がコンサートで聴いたのは「ボサノバ」だったけれど、本当に心に染みわたりましたよ。

その宮崎友紀子さん。私の友人で、日本を代表するベーシスト(コントラバス奏者)藤原清登さんともコラボしたらしい。知らなかった。

 藤原清登さんだけれど、あるライブで彼女のヴォーカルを聴き、すぐに「いいですネ〜・・よければ、今度セッションを組みませんか・・」と、オファーしたんだそうな。

「あの」藤原清登だからね、宮崎友紀子さんの実力については推して知るべし・・だよね。

ということで、彼女の最新アルバムのカバー写真も載せておきます。

また、ギタリスト&シンガー(&パーカッション&マウス・トロンボーンなどのマルチ音楽家)として活躍するホブソン・アマラウさんとのコンビがパフォームするYouTube動画へも「リンク」を張っておきま〜す。

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あっと・・

私が愛用しているウエストポーチやバックパック。それについて何人かの方々に質問されたんですよ。それは、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」

ちょっと、プロモートさせてくださいね。

この方は、某有名メーカーのチーフデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードが散りばめられた「METAS」

とてもシンプル。でも、その機能性は、もう最高。お薦めしまっせ。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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