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2019_J2_ 第28節・・まだ道半ばだけれど、正しいベクトル上を進化しつづける永井秀樹ヴェルディ・・また、素晴らしいインテリ策士、木山隆之に率いられたモンテ ディオも、いまの彼らの順位の正当性を如実に証明していた・・(ヴェルディvsモンテディオ、0-0)・・(2019年8月18日、日曜日)

「もちろん私は、良いサッカーだけでは解任されることは、よく分かっているつもりです・・」

会見で、ヴェルディ永井秀樹監督が、そんなコトを言う。

いいね〜、永井秀樹・・

「現実」を意識し、攻守イメージをしっかりと創りながら「ホンモノの良いチーム」に仕上げていこうとする覚悟を、ヒシヒシと感じる。

だから、こんな質問をぶつけてみた。

・・わたしも60年近くサッカーをやっているから、一つひとつのグラウンド上の現象を、しっかりと評価できる眼はもっているつもりでいるんですよ・・

・・だから、このゲームでのヴェルディを観ながら、フラストレーションでアタマがイッパイになってしまった・・

・・仕掛けていくチャンスがあるのに、どうしてそこでバックパスしちゃうんだよ・・

・・どうして、そこで横パスに逃げるんだ〜・・

・・そこは、タテへ仕掛けていかなきゃダメだろ・・

・・等など・・

・・とにかく永井さんには、このフラストレーションをなんとかして欲しいっ!(場内、冷めた笑)・・

まあ、前回(鹿児島戦)の、何とかして欲しかったフラストレーションの対象は、相手が前から協力プレスをブチかましてきているのに、後方でパスをつなごうとするなんていう「アロガント」なプレー姿勢だったけれど・・サ。

そんな私のアプローチに、例によって真摯に、永井秀樹さんが、こんなニュアンスの内容をコメントしてくれた。

曰く・・

・・実は、わたしも、フラストレーションを溜めていたんです・・

・・だから、ご質問に、オレも〜、なんて、つい同調してしまったですよ(笑)・・

・・たしかに、おっしゃるとおり、行かなければならないところで、バックパスや横パスで逃げるとか、無為なプレーが目立っていたと思います・・

・・だから、チャンスメイクもままならなかった・・

・・それは、もちろん、スペースを攻略していけなかったという意味なのですが・・

・・自分がやりたいサッカーは、ある程度はできたと思う(ポゼッション・イニシアチブという視点では!?)・・

・・でもそれは、単に、半分だけです・・

・・何せ、自分たちがイメージする「崩しのカタチ」まで、仕掛けプロセスをリードしていけなかったわけでからね・・

(注釈:たしかに「ゴール機会」という視点では、完璧に、モンテディオに凌駕された!)

・・とにかく、スペースを攻略していけなかったのは、確かな事実です・・

・・その原因は、選手たちのチャレンジ姿勢が足りなかったからかもしれません・・

(注釈:ミスをしたくない・・仕掛けていって、もし失敗したら・・等など、要は、勇気が足りない!?)

・・たしかに、組み立てるところまでは、自分たちのカタチを、ある程度は表現できたと思います・・

・・でも、最後のチャンスメイクプロセスに大きな課題があったんです・・

・・自分たちのカタチですが、それに固執し過ぎるのではなく、誰か、そのカタチをブチ破っていくような「型破り」なプレイヤーも必要ですよね・・

(注釈:前節の鹿児島戦では、2点リードされ、もう行くしかないという状況で投入された河野広貴が、爆発した・・でも、この試合では、「良い子チャンプレー」に終始していた・・フ〜〜ッ!!)

・・とにかく、自分たちのカタチとしての組み立てプロセスと、勝負を仕掛けていく勇気あるプレーのメリハリを、これから、しっかりと確立していかなければならないと思っています・・

フムフム・・

まあ、そういうことだね。

スペースを攻略できなきゃ、決してシュートまでいけない。

そのためにも、人とボールの動きの量と質をアップさせていかなきゃいけない。

それだけじゃなく、ドリブル勝負の能力に長けた選手は、少しでもチャンスの芽が感じたなら、躊躇なく、勇気を「爆発」させなきゃいけない。

この試合では、ダイレクトパスを織り交ぜた(人とボールが動く!)組織コンビネーションでスペースを突いていくプロセスでは、特に、「人の動き」が足りなかった。

また、前述したように、勇気ある「個のドリブル勝負」も、まったくといっていいほど出てこなかった。

とにかく、永井秀樹監督は、ビデオを詳細に分析するなかで、いくつかの「ココゾッ!!」っちゅうシーンを抜き出し、繰り返し、選手たちに見せることで、意識と意志を、確固たるレベルまでアップさせていかなきゃいけない・・と思った。

冒頭の永井秀樹監督の言葉が如実に物語っているように、良いサッカーだけでは、いつかは解任されちゃうわけだから・・

わたしは、このところ、「美しい質実剛健サッカー・・」なんていう形容表現が気に入っている。

まあ、その意味合いについては、解説の必要なんてないだろうけれど、とにかく、このコラム全編に流れている主題が、「失敗を恐れない勇気ある仕掛け」にありっちゅうことは言うまでもありません。

ところで、その、勇気・・

ドイツのスーパー哲学者、故フリードリヒ・ニーチェが、こんなコトを言った。

・・カネがなくなったら、稼ぎなおせばいい・・名声を失ったら、また創り直せばいい・・でも、勇気を失ったら、生まれてきた価値(意味!?)がない・・

フムフム・・

あっと・・あと、こんなテーマも忘れちゃいけない・・

・・モンテディオの、とても優秀なプロコーチ、木山隆之(監督)・・

・・ゲーム全般の内容からすれば、とてもクレバーな「質実剛健さ」だったと思う・・

・・あれほどボールを支配されていたにもかかわらず、決して焦らず、引き過ぎることもなく、淡々とヴェルディの(あまり危険な感じがしない!?)攻めを受け止め、そして「蜂の一刺し」を見舞う・・

・・とにかくモンテディオは、ゴール機会の量と質という意味合いでは、完璧にヴェルディを凌駕していたんだよ・・

・・また、選手交代も含め、最後の時間帯になって、それまでのゲームの流れからすれば、唐突ともいえるほど、チーム全体が急にアグレッシブに攻め上がったことも特筆の(とても効果的な!)変化の演出だったよね・・

・・木山隆之さんも言っていたけれど、ゲーム全般の流れイメージのなかで、(選手交代も含めて!?)最後の時間帯に勝負をかけるという意図はあったらしい・・

・・木山隆之・・あなどれない策士だね・・

もう一つ、ヴェルディサイドにも、こんなポジティブテーマがあったっけ・・

・・このゲームでアンカーを務めた、佐藤優平の、攻守にわたる大活躍・・

・・永井秀樹さんは、彼をアンカーに据えると言ったときのコーチ連中の驚きといったら、なかった・・なんて言っていたっけネ・・へへっ・・

・・とにかく、佐藤優平が魅せた、守備だけじゃなく、様々な意味を内包する「リンクマン」という視点も含めた大活躍は、永井秀樹の、「選手能力を透かし見る眼」の優秀さを物語っていた・・

・・そういえば永井秀樹は、こんなことも言っていたっけね・・

・・やっぱりサッカーですから、選手たちには、出来る限り「ポリヴァレント」になって欲しい・・

いいね〜・・永井秀樹。

彼のことだから、いまの「自分たちのカタチ」を絶対ベースに、どんどんと「美しい質実剛健サッカー」というベクトル上を、進化&深化させてくれるでしょ。


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ところで・・

チト唐突ですが、知り合いのジャズシンガー、宮崎友紀子さんを紹介させてください。もう、ホントに素晴らしいソウルフルヴォーカリストです。

以前、あるキャフェライブで聴き、いっぺんにファンになったのですが、その宮崎友紀子さんと、偶然、友人のガーデンパーティーで再会したんです。

彼女については、このページあのページを参照してください。

私がコンサートで聴いたのは「ボサノバ」だったけれど、本当に心に染みわたりましたよ。

その宮崎友紀子さん。私の友人で、日本を代表するベーシスト(コントラバス奏者)藤原清登さんともコラボしたらしい。知らなかった。

 藤原清登さんだけれど、あるライブで彼女のヴォーカルを聴き、すぐに「いいですネ〜・・よければ、今度セッションを組みませんか・・」と、オファーしたんだそうな。

「あの」藤原清登だからね、宮崎友紀子さんの実力については推して知るべし・・だよね。

ということで、彼女の最新アルバムのカバー写真も載せておきます。

また、ギタリスト&シンガー(&パーカッション&マウス・トロンボーンなどのマルチ音楽家)として活躍するホブソン・アマラウさんとのコンビがパフォームするYouTube動画へも「リンク」を張っておきま〜す。

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あっと・・

私が愛用しているウエストポーチやバックパック。それについて何人かの方々に質問されたんですよ。それは、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」

ちょっと、プロモートさせてくださいね。

この方は、某有名メーカーのチーフデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードが散りばめられた「METAS」

とてもシンプル。でも、その機能性は、もう最高。お薦めしまっせ。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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