The Core Column
- The Core Column(74)_テーマ「気づき」・・オートマティゼーション!?・・(2022年2月13日、日曜日)
- ■オートマティゼーション・・
このディスカッションが、面白くて、深い。
「気づき」の本質を理解し、高揚させる作業には、柔軟な「感性」で臨まなきゃいけないんだよ。
ということで、論をすすめていくけれど・・
さまざまな状況で、瞬間的に、良いプレーがアタマに浮かび(≒気づき基盤のイメージング!?)、自然とカラダが動いていく・・。
そんな、気づき(イメージング)とアクションの連動性を、オートマティゼーションって呼ぶのかな?
でもさ・・
状況に応じて、オートマティックに(極端なケースじゃ無意識のうちに!?)アクションを起こすのでは、ステレオタイプ(型にはまった!?)サッカーに落ち込んでしまう心配もあるよね。
だから、ここでは・・
オートマティゼーションって、ホントに、サッカーを進化させるのだろうか?
そんな問いかけから、ディスカッションに入っていこうと思うわけだ。
これまで展開したディスカッションの繰り返しになってしまうけれど・・
とにかく・・
目に入ってくる情報(≒状況の変化)を体感しながら、素早く、考え、決断してアクションを起こす・・というのが大原則。
でもわたしは・・
それぞれの状況(変化)に応じて、「次」を予測する(考える)ために、脳内の記憶タンクに詰め込まれている「イメージング・コンテンツ」から、正しいモノを選択する(自然と湧き上がってくる!?)プロセスこそ、オートマティゼーションと呼びたい。
要は、オートマティゼーションのことを・・
次の状況変化への「気づき」を、瞬間的に、具体的イメージングとアクションに結びつける、インテリジェンス基盤の「感性プロセス」って表現したいのかもしれない。
あっと・・
ここで言う、イメージング・コンテンツだけれど・・
それには、グラウンド上での実際の体感だけじゃなく、前項でディスカッションした様々なイメージトレーニングによって培われたコンテンツも含まれるよね。
そこから・・
変化していく状況を、正確に把握し(気づき!?)、同時に、攻守の目的を達成するために、もっとも優れたソリューション(解決策)を、瞬間的に選択できるようになる。
そしてソレが、勇気あふれるアクションにつながっていく。
そう・・
イメージトレーニングは、そんな主体性プレーを進化させる、効果的ツールっちゅうわけだ。
繰り返しになるけれど・・
イメージトレーニングは、攻守にわたるイメージング内容を「充実」させるモノなんだよ。
もちろん、究極の「主体性プレー」を志向して・・ね。
そんな感性(≒インテリジェンス!?)の表現プロセスを進化させることこそ、オートマティゼーションの本来のターゲットって言えるかもしれないね。
そう・・
カタチから入ることで、イメージング&アクションの内容を限定してはいけないんだ。
だからこそ・・
様々なイメージトレーニングを積み重ねていくこと(様々な気づきの感性を研ぎ澄ませること!?)は、オプションを広げるという意味でも、とても大切な進化プロセスなんだ。
もちろん、やり過ぎは、いけないけれど・・さ。
過ぎたるは及ばざるがごとし・・
フ〜〜ッ・・難しいネ・・
■なんか、分かりにくいナ〜〜・・
とにかく・・
オートマティゼーションという発想(進化を目指すチームマネージメント的な文化!?)。
それが、「気づき」基盤のイメージングと実際のアクションの広がり(自由な発想!?)を、抑制するモノであっちゃいけない・・っちゅうコトが言いたかった。
あっ・・、もっと。分かりにくくなった!?
フ〜〜・・
要は、オートマティゼーションを・・
瞬間的な「気づき」をベースに、攻守のイメージング(アクション)を引き出すだけじゃなく、考えつづけるという「感性」も自然と高揚させていく心理学的ツールだっていうことかな。
そのためにも・・
選手たちのパーソナリティーを尊重する姿勢が、監督・コーチに、求められるわけさ。
選手たちが自立し、ホンモノの主体性プレー(≒自由)を、自然なカタチで追い求められるようになるためにね。
ここで、オーバーコーチング(≒カタチ)というテーマにも触れたい。
それは、選手のレベルが低かった頃は、必要なコーチングテーマだったかもしれない。
でも今の選手たちは、映像情報(イメージトレーニング)から多くを学んで(体感して)いる。
だからこそ、監督・コーチには、それらのシーンが内包する(!?)技術的&戦術的ファクターに関するヒントと、それを体現させるための前向きな「心理マネージメント」こそが期待されるんだ。
選手たちが、自然に(オートマチックに!)考えつづけ、そこでの「気づき」をもとに、判断、決断し、勇気をもってリスクにもチャレンジしていけるようにね。
例えば、こんなケースもある・・
・・後方でボールを奪い返したミッドフィールダーが、そのまま、タテへボールを持ち上がる・・
・・最前線では、ワントップが、右方向のスペースへ爆発ダッシュをスタート・・
・・その状況で、最前線ゾーンに入っていった、もう一人の2列目プレイヤーが、逆の左方向スペースへスタートを切る・・
・・この状況で、この2列目プレイヤーは、完璧にマークされていることに「気づいて」いる・・
・・そこで、その2列プレイヤーは、後方のボールホルダーに、手でサインを送る・・
・・左サイドではなく、逆の(中央の!?)スペースへのスルーパスを要求するんだ・・
・・次の瞬間、その2列目プレイヤーは、急激にターンし、逆のセンターゾーン方向へ爆発ダッシュを決める・・
・・そして最後の瞬間、ボールホルダーが、ズバッと、2列目プレイヤーが狙う決定的(中央ゾーンの!)スベースへ、ラストスルーパスを送り込んだ・・
まあ、その顛末については、シュート決定力っちゅう、心理・精神的なファクターが集約された能力(才能!?)に拠るわけだから、ここでは、スルーパスが出されるまでのプロセスに止めておく。
そう・・
このシーンじゃ、持ち上がるボールホルダー(パサー)、ワントップ選手、2列目プレイヤーが、互いのイメージシンクロもふくめて、さまざまにコトに「気づきつづけた」わけさ。
もちろん・・
それぞれの「気づき」を、より高い次元で「リンク」するためにこそ、イメージトレーニング、選手同士の話し合い(監督・コーチ助力!?)などが、重要な意味をもつわけさ。
決して・・
・・こうなったら、こうするんだ〜っ!!・・
そんな、ステレオタイプサッカーを推進しちゃ、選手たちの主体性(≒自由)という、サッカーの本質的な「喜び」を奪うコトになっちゃう。
「あの」ドイツサッカーでも、それまでのオーバーコーチングを反省しながら、創造性サッカーへ回帰することで、そのベクトルを、21世紀に入ってからの、強くて、上手く、美しいサッカーという、イメージアップにつなげたんだよ。
わたしは、そのプロセス(ハード・ディベート!?)を、現地で、直接、体感している。
それは、それは、ものすごく貴重な「学びの場」ではあった。
その経緯については「こちら」をご参照あれ。
■さて、まとめ的なニュアンスで、シリーズを締めます・・
気づき・・
その絶対ベースは、やっぱり、攻守の「本当の!」目的を、常に、しっかりと、意識し(考え)つづけること(自由を追い求めること!?)なんだよ。
もちろん、チーム戦術的な「カタチ」がベースにあったとしても・・ね。
そのように、攻守の目標を、しっかりと「考えつづける」ことで・・
アタマの記憶バンクに溜め込まれている、多くの、攻守にわたる決定的シーンの「イメージ」が、瞬間的に、呼び起こされる。
それが、「気づき」という現象の、本質的なメカニズムかもしれない・・
そのことが、言いたかった。
繰り返しになるけれど・・
たしかに、チーム戦術的に「統一」された、攻守の「勝負イメージ」は大事。
でもそれは、状況に応じて変化しつづけなければならない(正し対応!)。
だからこそ、攻守の本当の目的を、強烈に意識しつづけることで、瞬間的に変化する状況に応じて、選手それぞれの「イメージング」をシンクロさせることが大事なんだよ。
そう・・
カタチも、大事だけれど・・
変化しつづける状況のなかで、攻守の本当の目的を、強烈に意識しつづけ、柔軟に「対応させる」こと「も」大事だということサ。
だからこそ、選手たちの考えつづける主体性(自由な意志!)を高揚させるコトこそが、チーム(心理)マネージメントにおける、もっとも重要なタスクっちゅうわけだ。
なんか、最後まで、分かりにくい論旨になっちゃったような気がする。
でも、まあ・・
これで、「気づき」というテーマを扱ったシリーズは、一応、締めということにさせてください。
もちろん・・
何かに気づいたら、番外編として、シリーズを継続するかもしれないけれど・・ね。
へへっ・・
では、また・・
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「The Core Column」の全リストは、「こちら」です。
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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