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2022_WM_4・・グループリーグ(C組とD組)・・(2022年11月23日、水曜日)

■グループC(メヒコvsポーランド、0-0)

このゲームを、全体的に(!?)表現したら・・

素晴らしく忠実で、力強く、巧みなボール奪取プロセス(守備)のぶつかり合い・・っちゅう表現が適当かな。

逆から観れば・・

両チームともに、次のスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)の内実が、その強い守備を攻略するためには、十分じゃなかった・・とも、言える。

まあ確かに、両チームともに、何本かの「ゴール機会」は創りだしはしたけれど(その量と質ではメキシコに軍配が挙がる!?)・・

でも、まあ、両チームともに、足りなかった。

そのスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)に視点を置くと・・

両チームでは、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)のイメージングに、差異がある。

メキシコには、人とボールの動きの「リズムとゾーン」に、伝統的な、確固たる「何か」がある。

そう、素早く正確なパスを、小さなエリアで展開しながら、そのエリアを「つないで」いくっちゅう感じ。

そのなかでは、「個の能力」の正確さ、巧みさをベースに、次の決定的スペースへの「ボールの動き」をイメージングするっちゅうわけだ。

まあ、個の能力(巧みなボール扱い!?)という意味じゃ、メキシコに、一日の長あり・・ってな感じかな。

そして彼らは、サイドから仕掛けるという最終勝負イメージング傾向がある。

そう、クロスからの勝負。

何度か、そのプロセスで、チャンスは創りだしたよね。

そう、巧みなクロスやロングフィードからの、ピンポイント勝負・・ね。

対するポーランド・・

彼らは、人とボールの動きが、メキシコと比べたら、明らかに「サイズアップ」だね。

そして・・

ワントップ、レバンドフスキーを、いかに「有効なポスト」として駆使するかというテーマと格闘する。

そんなイメージング基盤で、スペースを突いていこうとするポーランドだけれど・・

メヒコは、そんな「ポーランドの仕掛けイメージ」を完全掌握しちゃうんだ。

そう、「その仕掛けの起点」を、完璧に「潰し」つづけるんだよ。

だからレバンドフスキーも、徐々に、下がり気味でパスを受けるようになる。

でも、それじゃ、最前線ゾーンでの人が足りなくなってしまう。

そう、ポーランドの「攻め手」は、はじめから「抑制」されていたとも言えそうだね。

そしてポーランドは・・

そんなネガティブ現象への、柔軟で効果的な「対応力」が十分じゃなかった・・!?

まあ、そういうことになるのかな。

そして訪れた、後半11分の、レバンドフスキーのPKシーン。

ベテランのスーパーGKオチョアが、止めちゃうんだけれど・・

そう、この天国と地獄が交錯した、ギリギリの勝負シーンが、両チームにとって、ものすごい「刺激」になったんだ。

そう、両チームプレイヤーの「攻守の仕掛けマインド」が、どんどんアップしていったっちゅうわけだ。

その後、両チームともに、ダイナミズムがアップした仕掛けをブチかまし合ったけれど・・

もちろん、数字では、メヒコに軍配が挙がったけれど、それでも、「そこ」では表現し切れない、勝負ファクターという経験値では・・

ということで、わたしは、チャンスを創りだしながら決め切れなかった両チームにとって、痛み分けという結果に「落ち着いた」って考えます。


■グループD(フランスvsオーストラリア、4-1)

フムフム・・

このゲームでピックするテーマは、何といっても、チームの心理的な揺動。

ゲーム立ち上がりのオーストラリアは、攻守にわたって、とても「積極的」に入っていった。

その意味は、もちろん、ボール奪取プロセス(守備)が活発だったっちゅうこと。

それが、選手たちの「心理エネルギー」を増幅させた。

そして彼らは、「主体性プレー」をポジティブに積み重ねるなかで、一発サイドチェンジからチャンスを創りだすんだ。

そのサイドチェンジパスを受けた、右サイドのレッキー・・

彼は、勇気マンマンの(自分たちのサッカーがうまく回っているという自信と確信ベースの!?)勝負を仕掛ける。

そして、フリーで抜け出すと、逆サイドのグッドウィンに、理想的な、サイドチェンジ・ラストパスを決めちゃうんだよ。

グッドウィンがブチかましたダイレクトシュートは、フランスゴールの天井に突き刺さった。

そのシュートは、フランスのスーパーGKロリスが、まったく手が出ないコースだった。

でも・・

そんな、素晴らしい立ち上がりを魅せたオーストラリアだったけれど・・

そう、その後は、徐々に、ボール奪取プロセス(守備)での「積極性」が減退していっちゃうんだ。

彼らは、受け身で消極的な「マインド」に陥ってしまった!?

その傾向は、すこし下がり気味になってしまったディフェンス・ブロック(ボール奪取ライン)にも現れていた。

また、ボールを奪い返してからのスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)に掛ける人数と、その人の動きのダイナミズムも、明らかに「注意深いモノ」へと、ダウンしていっちゃうんだよ。

難しいネ・・

もちろんオーストラリアにしても、「あのまま」リードを最後までキープできるなんて思っていなかったに違いないわけだけれど・・

そんな「微妙な変化」を感じ取った私は・・

ゴールという強烈な「ポジティブ刺激」が、プレー姿勢に、微妙に(ネガティブに!?)影響し、立ち上がりの「積極性・攻撃性」をダウンさせたって感じたわけだ。

そして、立てつづけの失点(フランスの、同点&逆転ゴール!)・・

最初は、フランスのコーナーキックから、こぼれたボールが、フランスの後方グルーブにわたる。

そこでのプロセスが、勝負イメージングの「キモ」になった。

その瞬間、オーストラリア最終守備ラインが、ボールの動きに合わせて(!?)安易に、せり上がったんだ。

そのシーンじゃ、彼らは、こぼれたボールの「状況」を、しっかりと把握すべきだった。

そう、「そこ」から、一発の勝負ロングパスが送り込まれることを、イメージすべきだったんだよ。

そして案の定・・

フランス後方のボールホルダーが、躊躇なく、決定的クロスを送り込んだんだ。

そう、オーストラリアのゴールと、(安易にラインを上げたことで出来てしまった!?)オーストラリア最終ラインの「間」の決定的スペースへ向けてネ。

その瞬間、ヘディングシュートを決めたラビオは、まったくフリーだった。

ということで・・

前述した「状況を把握する」といった意味は・・

この、素早いタイミングで送り込まれる(だろう!)決定的クロスをも、しっかりとイメージ(予測)しておくべきだったっちゅうコトだ。

その(危機回避の!)イメージングがあったら、同点ヘディングシュートを決めたラビオが、あれほど「フリー」にはならなかったに違いない。

そして・・

そう、その5分後にブチ込まれた逆転ゴールのシーン。

それは、オーストラリアGKからはじまった。

彼は、近くの味方選手へパスを出す。

でも、そこからの「次のボールの動き」は、フランスに、完璧に狙われていたんだよ。

同点ゴールを奪ったラビオが、オーストラリアの(右サイドライン際にいる!)パスレシーバーへ、「ココゾッ!!」の強烈プレスをブチかましたんだ。

そしてボールを奪い返したラビオは、そのまま、ムバッペとの「ワンツー」で抜け出し、最後は、ゴール前へ、まったくフリーで走り込んだジルーへのラストパスを決めた。

それは・・

まさに、理想的な「ショートカウンター・シーン」だったんだ。

そして、この逆転劇によって、ゲームの行方も、決まった。

そう、「勢い」を抑制されていたフランスが、完璧に「解放」されたんだよ。

その後については、もう書くまでもないような(オーストラリアにとっての!)ジリ貧のゲーム展開になっていった。

不確実なファクターが満載のサッカーは、究極の「心理ゲーム」なんだ。

このことは、これからドイツとの初戦に臨む森保一ジャパンにも言えることだけれど・・

とにかく、チカラのあるチームの「マインド」を活性化させないことが肝心なんだ。

もっと言えば・・

相手に、「うまくいってない・・」と、勘違いさせるんだよ。

このテーマについては、吉田麻也が登場する「このコラム」も、ご参照あれ。

それにしても・・

そう、フランス代表のグリーズマン。

その、クレバーな、想像的、創造的ゲーム&チャンスメイカーぶりに舌を巻いたっけ。

以前の、ゴールハンターのイメージとは、まさに隔世の感があるよね。

ということで、フランスは、今回も、強い。



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ところで・・

チト唐突ですが、知り合いのジャズシンガー、宮崎友紀子さんを紹介させてください。もう、ホントに素晴らしいソウルフルヴォーカリストです。

以前、あるキャフェライブで聴き、いっぺんにファンになったのですが、その宮崎友紀子さんと、偶然、友人のガーデンパーティーで再会したんです。

彼女については、このページあのページを参照してください。

私がコンサートで聴いたのは「ボサノバ」だったけれど、本当に心に染みわたりましたよ。

その宮崎友紀子さん。私の友人で、日本を代表するベーシスト(コントラバス奏者)藤原清登さんともコラボしたらしい。知らなかった。

 藤原清登さんだけれど、あるライブで彼女のヴォーカルを聴き、すぐに「いいですネ〜・・よければ、今度セッションを組みませんか・・」と、オファーしたんだそうな。

「あの」藤原清登だからね、宮崎友紀子さんの実力については推して知るべし・・だよね。

ということで、彼女の最新アルバムのカバー写真も載せておきます。

また、ギタリスト&シンガー(&パーカッション&マウス・トロンボーンなどのマルチ音楽家)として活躍するホブソン・アマラウさんとのコンビがパフォームするYouTube動画へも「リンク」を張っておきま〜す。

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あっと・・

私が愛用しているウエストポーチやバックパック。それについて何人かの方々に質問されたんですよ。それは、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」

ちょっと、プロモートさせてくださいね。

この方は、某有名メーカーのチーフデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードが散りばめられた「METAS」

とてもシンプル。でも、その機能性は、もう最高。お薦めしまっせ。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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