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2019_U22_EAFF_1・・勇気マンマンの「人とボールの動きのリズム」こそが・・森保一ジャパンに乾杯!・・(中国vs日本、1-2)・・(2019年12月10日、火曜日)

森保一ジャパン・・

まさに、美しい質実剛健サッカーだった。

まあ、たしかに・・

最後の時間帯に、「追い掛けゴール」は奪われたし、パワーと高さを活かした中国のパワープレーに、受け身には立たされはしたけれど・・

全体的なサッカーの「質」という視点じゃ、クラスが一つ違う・・っていうのがフェアな評価でしょ。

もちろん、「実」としての、局面デュエルに代表される、戦術的&技術的なクレバーさや、勝ち切るマインド(自信と確信)ベースの勝者メンタリティーという視点も、素晴らしかった。

その、中国との実力差コノテーション(言外に含蓄される意味)というテーマだけれど・・

そりゃ、なんといっても、人とボールの「動きのリズム」に、一日以上の長があったっちゅう視点に集約されると思うよ。

その、両チームの「動き」のレベルの内実が、この全体的な「実力差」のファクターで、もっとも目立っていたポイントだと思うわけさ。

とにかく、森保一ジャパンの、人とボールの動きは、抜群。

もちろん、攻守ハードワークとリスクチャレンジの意志を絶対ベースにする、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションのことだよ。

それも・・

どんどんタテ方向へ仕掛けていく「動き」が、素早いだけじゃなく、とても広いんだ。

そこでは、チーム戦術的な確信マインドが、明確に共有されている。

だからこそ、そんな仕掛けの流れに、チャンスを見出した誰もが、積極的に絡んでいける。

「スパッ!」ってな、するどい切り裂き音が響くコンビネーション・・

そして、鳥肌が立つような素晴らしい「スペース攻略プロセス」をブチかますんだ。

もちろん・・

森保一ジャパンが、そんな活発なスペース攻略プロセスを、続けざまにブチかませたのは、中国ディフェンスが、日本の人とボールの動きについていけなかったから。

付いていけない・・

それは、中国ディフェンスの「戦術イメージング」レベルが、追い付いていないから。

まあ、読みとか、予測能力とか、色々な表現があるだろうけれど、とにかく中国ディフェンスは、森保一ジャパンが繰り出す、タテへの仕掛けコンビネーションを、抑え切れなかったんだ。

そんななかで、日本の先制ゴールが生まれた。

素晴らしいプレーを披露した森島司、スリーバックの左サイドに入った佐々木翔、そして、これまた素晴らしいポストプレーを魅せた上田綺世。

彼らによる、まさに、夢のような「ワン・ツー・スリー」ってなリズムの、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションが光り輝いたっちゅうわけさ。

そんな中国ディフェンスに対して、森保一ジャパンの組織ディフェンスは・・

足許パスのイメージが強すぎる中国の攻めを、とても効果的に抑制しつづけていた。

まあ確かに、最後の数分は、中国のパワープレーに、後追いになるシーンもあったけれど・・

とにかく、森保一ジャパンの、攻守ハードワークとリスクチャレンジへの強烈な意志は、観る者を魅了していたよね。

まあ、たぶん、その背景には・・

敗北を喫した、U22の親善マッチ(コロンビア戦)とフル代表の親善マッチ(ベネズエラ戦)での悔しい体感を、効果的な学習機会として活かし切ったこともあったんだろうね。

やっぱり人は、ネガティブな出来事からの方が、より多くを学べるっちゅうことなんでしょ。

もちろん、当事者に、進化&深化への強い意欲があれば・・のハナシだけれど・・サ。

最後に・・

このゲームで先発し、左サイドで存在感を発揮した「タテのトリオ」、森島司、遠藤渓太、そして佐々木翔による効果的な仕掛けには、拍手をおくるしかない。

そうなんだよ・・

スリーバックで闘うときには、サイド(ウイング)バック、そのサイドを基盤にする最終ライン選手とサイドハーフが、タテへの「仕掛けイメージ」を共有していることが重要なんだ。

スリーバックの「基本戦術イメージ」が、「そう」であればのハナシだけれど・・

もちろん、森保一さんのことだから、スリーバックを、より積極的な攻撃サッカーという志向ベクトルで捉えているに違いないさ。

とにかく、この試合での左サイドは、森保一さんがイメージしていた通り(!?)、素晴らしく攻撃的な「タテのトリオ」が、素晴らしく機能しつづけたと思うわけさ。

あっと・・

もちろん右サイドの、橋岡大樹をメインにするトリオも、まあまあの危険度を発揮していたけれど・・さ。

さて、「EAFF」の第1戦を、質実剛健サッカーで勝ちきった森保一ジャパン。

とにかく、韓国との勝負マッチを楽しみにしましょう。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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