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2018_ACL(アントラーズ) & AFC_U19選手権・・アントラーズに(大岩剛監督に)乾杯!!・・また、厳しい日程を、最高のプランニングと効率で切り抜けた影山雅永さんにも、乾杯!!・・(2018年10月25日、木曜日)

まず、アントラーズの、ACLでの立派なドローについて。

それにしても・・

「3-1」とリードされてからの同点ドラマ。それも「あの」韓国でのアウェーマッチだからね・・。

またまた、ビックラこいたよ、ホントに。

実はこの試合、熊谷の陸上競技場で行われた天皇杯準々決勝(レッズvs鳥栖)を観ながら、「経過」を追いかけていたんだ。

記者仲間から伝わってくるのは「数字」だけだからね、アントラーズが「3-1」とリードを奪われたときは、ホント、暗澹たる気持ちにさせられたものさ。

でも・・

「あっ・・3-2になりました・・これで、アグリゲイトで同点ですね・・」

そして・・

「ゲッ・・アントラーズが、3-3に追いつきました・・このままだと、アントラーズが決勝に進出ですよ〜〜っ!!」

そんな「神の声」が背後から聞こえてくるんだよ。

まあ、天皇杯マッチが、そんなに白熱していたワケじゃないから、どうしても、ACL経過の方が気になってしまう。

なにせ天皇杯マッチは、レッズがイニシアチブを握ってリードを奪ってからは、かなり「静的」なゲーム展開になっていたからね。

そして今日、そのACL戦をビデオで観たっちゅうわけだ。

ホントに激しい、ギリギリのせめぎ合いだった。

ところで、「3-1」とされたところで、アントラーズ選手たちが、第一戦と同じように、ゲーム再開の前に円陣を組んだそうな。

報道では、「とにかく一点さえ取れれば同点だから・・」っちゅうコトで、意思統一を図ったとか。

そこで、あることが、はたと脳裏をよぎったんだ。

そう、鹿島での大逆転ドラマがスタートする前に選手たちが組んだ「円陣」。

そのゲーム後の記者会見。

そこでは、MVPということで(!?)監督会見に同席した三竿健斗が、その「円陣」の意味を語ってくれたんだけれど、たぶん今回も、ゲーム運びイメージを統一するという意味で、その「円陣」は、とても重要な意味をもっていたんだろうね。

そして実際に・・

そう、水原に「唐突な」3ゴールをブチ混まれたにもかかわらず、その後のアントラーズのサッカーが、とても落ち着いていたんだ。

決して、無理なタイミングでボールを奪い返そうとしていなかったし(もちろんデュエルに入ったら強烈な闘う意志をブチかます!)、攻撃でも「タテへ攻め急ぐ」こともなかった。

そして、そんな冷静なサッカーで(もちろん局面の攻守ハードワークでは燃えに燃えている!)、徐々に水原を追い込み、追いかけゴール(西大伍)、同点ゴール(セルジーニョ)と、クールに、相手ゴールネットを揺さぶったというわけだ。

たしかに、そこからタイムアップまでの10分間では、二度、三度とピンチを迎えたけれど、アントラーズGKクォン・スンテのビッグセーブやツキにも恵まれ、逃げ切った。

これで、日本チームが、二年連続で、ACL決勝に駒を進めた。

日本サッカーにとって、これ以上ポジティブな「刺激」や「世界に対するプロモーション事象」はない。

その意味でも、アントラーズに(大岩剛監督に)対して、心からの敬意と感謝を表します。

ホント、お疲れ様でした。

このアントラーズならば、決勝でも、存分に「勝者メンタリティー」を発揮してくれるでしょう。

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さて、影山ジャパン。

前回コラムでは、予選グループ首位を決めたことで、準々決勝へむけた「勝負グループ」を固めるために、このイラク戦を活用するに違いない・・なんて書いたけれど・・

そのことについては、前言撤回しなきゃいけなくなった。

たしかに、影山雅永さんの、「連れてきた選手は全員プレーさせる・・」という基本コンセプトに関する理解も、甘かった。

ということで、グループリーグで全員プレーしたことについて、選抜したプレイヤーの「戦術的・心理的タイプの内実」と、予選リーグのハードな日程とを絡めて、こんなコトを考えた。

それは・・

影山雅永監督が、組織サッカー(攻守ハードワークとリスクチャレンジの内実!?)について、同じような「価値観」をもっている選手を、優先的に選抜したことの意義というテーマ。

影山雅永さんは、上手い(だけの!?)選手よりも、しっかりとした「闘う意志」も備えた選手を選んだということらしい。

だからこそ、誰を先発につかっても、「あるレベル以上の組織サッカーを体現できる・・」という大いなる確信をもっていたっちゅうことだね。

フムフム・・

そして、イラク戦の先発メンバー。

たしかに、新顔が入った。でも、とても強かった。

そのイラク戦のゲーム内容だけれど・・

以前だったら・・

そう、イラクの(中東選手たちの)優れた個のチカラに、少しビビり気味になって(最後の半歩が出ずに!?)やられてしまうというゲームもあったよね。

たしかに、若者世代に限らず、フル代表でも、煮え湯を飲まされた経験があった。

でも・・

そう、近頃では、フル代表も含めて(特に森保ジャパン!?)、中東の「個の勝負サッカー」を、様々な意味合いで「圧倒して結果を残せる」だけの組織パワーを、存分に発揮できるまでに進化していると思うわけさ。

ということで・・

このゲームでも、攻守ハードワークとリスクチャレンジを絶対ベースに、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションが冴えわたった。

影山雅永さんは、相手にボールを奪われた次の瞬間に素早く仕掛けていくボール奪取プロセス(ゲーゲンプレッシング)を強調していたね。

そう、ボールを奪い返した相手が、前に重心を移したタイミングでボールを「再度」奪い返してブチかますショートカウンターほど、効果的な仕掛けはないという事実のことだよ。

そんな「攻撃的ディフェンス」が、とても素敵に機能していたっちゅうわけさ。

そう、「このチーム」もいい。

でも、次は、地元インドネシアとの、「U20W杯のイス」をかけた勝負マッチ。

そこで影山雅永さんが、どんなチームをグラウンドに送り出すのか、とても興味がある。

とにかく、この、予選リーグのハードな日程を、素晴らしい「プランニングと効率」で切り抜けた「采配」は、素晴らしい監督パフォーマンスだったと思いますよ。

さて、本物の勝負がはじまる・・


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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