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2018_ACL(準決勝、第1戦)・・この希有な大逆転ドラマを演出したコノテーション(言外に含蓄される意味)を簡単に探ってみました・・(アントラーズvs水原、3-2)・・(2018年10月3日、水曜日)

・・あわてない・・大丈夫だから、自信をもって盛り返し、一つひとつ取り返していこう・・

・・あのときは、そんなコトを話し合ったと思います・・

・・失点したときは、誰かを責めたくなるものでしょうが、そうではなく、みんなで頑張ってこの失点を取り返そう・・みんなで仲間のミスをカバーし合おう・・

・・そんな意志の確認が大事だと感じていたんです・・

・・そうですね・・互いの思いやりが大事だということですね・・

前半6分までに、まさに青天の霹靂(へきれき)ってな感じの2失点目をくらった直後のこと。

アントラーズ選手たちがグラウンド中央に集まって、何やら話し合っていたんだよ。

だから、MVPに選ばれ、記者会見にアテンドした三竿健斗選手に、「そこじゃ、どんなコトが話し合われたんですか?」って(チト不遜な態度で!?・・スミマセン!)聞いたんだ。

そしたら・・

そう、そんな素晴らしいコメントが引き出されたっちゅうわけさ。

いいね〜・・

彼の発言からは、優れたパーソナリティーとインテリジェンスが、キラキラと光り輝くように放散されていたじゃないか。

あっと・・その、偶発的な2失点後のグラウンド上での話し合いだった。

そう、その話し合いをキッカケに(!?)サッカー内容が、どんどんとアップしていったんだ。

そして・・

追いかけゴール、同点ゴール、後半ロスタイムの大逆転ゴール。

その、内田篤人の大逆転ゴールが決まった瞬間は、とにかくビックラこいて、躍り上がらんばかりに喜んだっけ。

ホント、うれしかったんだよ。

そして、タイムアップのホイッスルを聞きながら、ゲーム内容(そのコノテーション=言外に含蓄される意味)の変容というテーマに思いを馳せていたわけさ。

そこでは、まず何といっても、「自分たちが意図するサッカー・・」でゲームのイニシアチブを握るってのが基本線だよね。

強いアントラーズのことだから、まず「自分たちのサッカーをやる・・」っていうのがゲーム戦術イメージのコアっちゅぅわけだ。

でも・・

そう、この試合の相手は、強い「水原」だからね、そう簡単にはゲームを支配できない。

実際、立ち上がりは、水原のハイプレスサッカーに押し込まれる展開になった。

それだけじゃなく、コーナーキックから、また偶発的なボールロストから、失点をかさねてしまうんだよ。

これって、「ジリ貧のゲーム展開」になってしまうパターンだよね。

でも・・

そう、三竿健斗が言っていたように、全員がグラウンド中央に集まり、互いを鼓舞するだけじゃなく、相互信頼ベースで助け合うという意志も確認したんだ。

でも・・

言うは易く、行うは難し・・

実際、たしかにゲームのイニシアチブを握ったけれど、強力な水原ディフェンスを、簡単には崩していけない(スペースを攻略できない)。

でも・・

そうアントラーズの強者どもは、決して諦めることなく、攻守ハードワークとリスクチャレンジをブチかましつづけるんだ。

たしかに後半の水原は、監督のイ・ビョングンさんも言っていたように、かなり、物理的、心理・精神的な状態を意味する「フォーム」がダウンしたよね。

だから、アントラーズが、ゲームを支配しつづけるのも道理だった。

でも、肝心のスペース攻略までは、簡単には行き着けないんだよ。

それでも・・

そう、抜群のガンバリを魅せたセルジーニョ演出による追いかけゴール(相手オウンゴール)。

そして、交替出場した西大伍が演出した同点ゴール(今度はセルジーニョ自身がブチ込んだ)。

この両ゴールシーンは、まさに見事なスペース攻略シーンだったんだよ。

特に同点ゴールシーンで、西大伍と鈴木優磨がブチかましたダイレクト・コンビネーションは秀逸の極みだったじゃネ〜か。

あっと、基本テーマを忘れるところだった・・

それは・・

自分たちが意図するサッカーが、(強い!?)相手やゴール、はたまた選手交代などの「外的な要因」によって、そのイメージが大きくかけ離れてしまう・・という現象。

この試合では、水原が、ゲーム立ち上がりからガンガンと前からプレスをブチかましてきたこと、そして「あの」偶発的な2失点という強烈な「外的要因」があった。

でも・・

そう、アントラーズの強者どもは、自分たちの意図するサッカーと、そこで必須の「強烈な意志」、はたまた相互信頼にもとづく助け合い(ミスのカバー等など)によって、ゲーム展開を逆流させていったっちゅうわけだ。

もちろん「それ」だけじゃなく・・

大岩剛監督による効果的なハーフタイムの指示(ゲーム戦術イメージの微調整など)や、抜群の効果をもたらした選手交代もブチかまされたっちゅうわけだ。

この「采配」というテーマについては、先日のルヴァンカップ(フロンターレ対アントラーズ戦)のコラムもご参照あれ。

「あれ」は、両監督による、秀逸な采配ではあったよね。

とにかく・・

そんな、ゲームの流れを変容させる様々な「要因」と、それに起因する(!?)偶然と必然が絡みあって、この劇的な大逆転ドラマを完遂させたっちゅうコトなんだろうね。

それにしても・・

この「大逆転ドラマ」が、今後のアントラーズに、どのような価値をもたらすのだろうか・・??

これからも、注意深く「学習」していこうっと・・


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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