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2015_クラブW杯(7)決勝・・組織と個が、これ以上ないほど美しくコラボレートしたバルセロナ・・(バルセロナvsリバープレート、3-0)・・(2015年12月20日、日曜日)

やっぱり「二人の超天才」が出てきたら、普通の強いチームから「エキストラクラスのグループ」に変身しちゃうね、バルセロナ。

この視点については、準決勝コラムも参照してください。

とにかく、堪能させてもらいましたよ、二人がブチかましつづけた天才ドリブル。ホントに、ヤツ等にしか出来ない「個の勝負プレー」のテンコ盛りだった。

そんな「スーパーな個」がいるからこそ、組織もスーパーに機能する。もちろん、素晴らしい「組織プレー」があるからこそ、「個の勝負プレー」も、レベルを超えた結果につながる。

ヤツ等は、ダイレクトパスを、ものすごく素早く、そして驚くほど正確に、ポンポンポ〜ンってな感じで回し、リバープレート守備ブロックのウラに広がる決定的スペースまでも攻略しちゃう。

もちろん、少しでもダイレクトパスが「ズレ」たら、ピタリとボールを止め、そして相手ディフェンダーのアクションを見極めながら、スッ、スッと、相手アタックを軽やかに抜いていってしまう。

もちろん主人公はメッシとネイマールだけれど、たまにはラキティッチやイニエスタも(!)、まさしく牛若丸ってなスーパードリブルを魅せる(スミマセン・・中村憲剛さん・・へへっ)。

そりゃ、誰にとっても、この上なく魅力的なプレーだよ。

彼らは、天才的なドリブル勝負や素晴らしい組織コンビネーションといった、サッカーにおける(一番分かりやすい!)美しさを体現している。

もちろん他にも、クロスからのダイレクト(ヘディング)シュートや、守備においても(インターセプト等などの)美しいプレーのリソースは多いけれど、分かり易さでは、ドリブルと組織(ダイレクト)コンビネーションの右に出るモノはないね。

あっとゲーム・・

それにしても後半のリバープレート守備ブロックは、完璧に「開いて」しまったね。

リバープレートのガジャルド監督も、「後半は、ラインを上げて、より積極的に攻め上がろうとした・・そうしたら、5分後に追加ゴールを奪われてしまった・・」なんていうニュアンスの内容をコメントしていたっけね。

私は、そんな後半立ち上がりのリバープレートを観ながら、「あのやり方(プレーイメージ)じゃ、すぐにやられちゃう・・」と、思っていた。

そうしたら案の定。

とにかく、相手がバルセロナ守備だからね、仕掛けパスにしても、とても微妙なコースに「通さなきゃ」チャンスにつながるはずがない。

でも、そんな仕掛けパスは、とても危険なんだよ。何せ、ちょっとでもパスがズレ、バルサ選手に引っ掛けられちゃったら、そこから必殺カウンターをブチかまされるのがオチだからね。

そして案の定・・

何せ、バルセロナの前戦には「天才トリオ」が控えているし、後方には、ボールを奪い返すことと、そこからの(素早く正確な!)勝負のタテパスに長けたイニエスタとラキティッチ、そしてブスケッツがいるからさ。

それにしてもバルセロナは、(ガジャルド監督が嘆いていたように!?)スーパーなカウンターをブチかましたよね。

ここで、もう一つ、現場では通説になっているコンセプト(考え方)を・・

それは、「最高のカウンターは天才たちの専売特許!?」ってな内容です。

要は、カウンターを、素早く効果的に、相手守備のスペースを攻略してフィニッシュまでもっていくのは、とても難しい作業だということなのですよ。

・・ドリブルかパスか・・トラップするのか、ダイレクトでタテパスをブチかますのか・・2人目、3人目のフリーランニングのコースとタイミングは?・・等など・・

この試合での(スアレスの)追加ゴールシーンでは、こぼれ球に最初に追い付いたイニエスタと、スアレスへの決定的タテパスを出したブスケッツは、ともに「ダイレクト」でパスを出した。

もちろんスアレスが繰り出した決定的フリーランニングのコースと(オフサイドぎりぎりで決定的スペースへ抜け出す!)タイミングも秀逸だったわけだよね。

そして、これで勝負が決まったという次第。

いや、ホント、堪能しました。

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 最後に「告知」です。

 実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。

 でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。

 そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。

 だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。

 でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。

 ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。

 一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

 そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

 とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

 ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

 もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

 まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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