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2009_中村俊輔・・後半のプレーはホントに素敵だった・・でも、もっと「個」を前面に押し出す勝負プレーがあってもいいかもネ・・(2009年9月28日、月曜日)

あ〜あ・・あれだけ攻め込んでいたのに、結局ゴールを奪えずに引き分けちゃった。

 エスパニョールは、中村俊輔の天賦の才を「もっと活用する」というチーム戦術的なイメージを徹底しなければならないと思いますよ。後半のゲーム内容からも、中村俊輔が絡む仕掛けの流れが、いちばん危険なニオイを放っていたのは明白な事実だったからね。

 ダイレクトに近いタイミングで決定的スペースへ送り込んだ創造的なロビングパス・・大きなサイドチェンジパスをピタリと止めてキープし、例によっての「魔法ボールコントロール」を駆使して相手ディフェンダーの逆モーションを取って送り込んだラストパス・・中央ゾーンでボールを持ち、魅惑的なフェイントでマーカー二人を翻弄して放った強烈な中距離シュート・・などなど。

 それ以外にも、中盤ゾーンから、決定的なラストロングパスを送り込んだり(しっかりと味方フォワードが決定的スペースへ抜け出していた=中村俊輔のパス能力に対する信頼!)素早いダイレクト・コンビネーションの起点(コンビネーションの動きのコントロールタワー)になったり、中盤での展開パスの起点になったりと、たしかに前半の立ち上がりは(右サイドに張り付いていたことで!?)あまり活躍できなかったけれど、後半は、とても素敵な存在感を発揮していたと思いますよ。

 もちろん、(スピードやパワーで)派手なドリブル突破などはあまり目立たない中村俊輔だから、スペインでの評価は、そうは簡単に高まることはないだろうけれど、それにしても、攻守にわたって、その目的(守備=ボール奪取、攻撃=シュート!)を果たすための実効プレーのレベルという視点じゃ、とても高く評価されてしかるべきプレーぶりだったと思っている筆者なのです。

 わたしは、まあ・・前半立ち上がりのプレー内容は別にして、全体的としては、中村俊輔のプレーにとても満足していましたよ。

 相変わらず守備意識は高く、実際のボール絡みシーンでも、「テクニカル」なボール奪取勝負が目立つ。要は、上手い「スリ・プレー」!? また「ボールがないところ」でのマーキングでも、必要とあらば自軍の最終ラインを追い越す勢いで追いかけつづける忠実さも素晴らしかった。

 そんな「汗かきマインド」さえ失わなければ、必ず、中村俊輔が「中心になった」仕掛けの流れの頻度が(要は、彼にボールが集まるような仕掛けの流れの頻度が)自然と高まってくるはずです。

 それにしても、たしかに前半は、 ゆっくりから急激にテンポアップするといったメリハリの効いた「動き」をベースに最終的なパスレシーバー(フィニッシャー)になるというイメージのプレーもあったけれど・・、後半に入ってから中村俊輔が作り出した(自分がボールに絡んだカタチでの)決定機の量と質は、とてもハイレベルだった。だからこそ、もっと「個を前面に押し出すシーン」を増やしてもいいかな・・とも思ったりする筆者なのです。そう・・日本代表のためにも・・

 中村俊輔は、もっと、スピードやパワーではなく、彼独特の魔法フェイントを駆使する「シュンスケ的なドリブル勝負」にもトラスすべきだし、もっともっと、中距離シュートにもチャレンジすべきだと思うのです。

 彼のシュート技術は(中距離シュートのテクニックとセンスは)日本代表のなかでもピカ一なんだからネ。岡田武史監督も、そんな「より個を前面に押し出すプレー」を、もっともっと要求すべきだと思います。まあ、シュンスケ的には、周りで繰り広げられる決定的フリーランニングが「見えすぎて」しまうから、どうしても「そちらに」感覚が引っ張られてしまうということなんだろうけれどネ・・。

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 ところで、拙著「ボールのないところで勝負は決まる」の最新改訂版が出ました。まあ、ロングセラー。それについては「こちら」を参照してください。

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 ということで・・しつこくて申し訳ありませんが、拙著『日本人はなぜシュートを打たないのか?(アスキー新書)』の告知もつづけさせてください。その基本コンセプトは、サッカーを語り合うための基盤整備・・。

 基本的には、サッカー経験のない(でも、ちょっとは興味のある)一般生活者やビジネスマン(レディー)の方々をターゲットに久しぶりに書き下ろした、ちょっと自信の新作です。わたしが開発したキーワードの「まとめ直し」というのが基本コンセプトですが、書き進めながら、やはりサッカーほど、実生活を投影するスポーツは他にはないと再認識していた次第。だからこそ、サッカーは21世紀社会のイメージリーダー・・。

 いま「六刷り」まできているのですが、この本については「こちら」を参照してください。また、スポナビでも「こんな感じ」で拙著を紹介していただきました。

 蛇足ですが、これまでに朝日新聞や日本経済新聞(書評を書いてくれた二宮清純さんが昨年のベスト3に選んでくれました)、東京新聞や様々な雑誌の書評で取り上げられました。NHKラジオの「著者に聞く」という番組で紹介されたり、スポナビ宇都宮徹壱さんのインタビュー記事もありました。また最近「こんな」元気が出る書評が出たり、音声を聞くことができる「ブックナビ」でも紹介されたりしました。

 




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