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「日本人はなぜシュートを打たないのか?」・・アスキー新書より、7月11日に刊行・・(2007年7月1日、日曜日)

久しぶりに、本当に久しぶりに、書き下ろしを出版することになりました。テーマは、サッカーのメカニズム。出版社はアスキー新書です。アスキー新書サイトでの拙著の紹介ページは「こちら」です。

 そこには、仰々しいハードカバーではなく「読みやすい本」にという思いがありました。発売予定日は、7月11日。アジアカップ、日本対カタール戦の二日後です。

 読みやすい本にするという意図だったとはいっても、書きはじめたら、やっぱり七転八倒するはめに。何せ、数年ぶりの書き下ろしということでリキが入るし、難しいサッカーのメカニズムを分かりやすく表現するのは簡単な作業ではありませんからね。そんなこんなで、本来の刊行スケジュールから数ヶ月も遅れてしまったという体たらくでした。

 ところで、久しぶりに書き下ろしの本を出版することになった経緯ですが、ハナシを持ってきた出版社の方からは、「これまで湯浅さんが開発した数々のキーワードを、ここで一度まとめておく気はありませんか?」とアプローチされました。キーワードをまとめ直して記録することは、自分自身にとって大きな価値があるはず・・。引きつけられました。

 ここ数年、新しい本について様々なテーマをもって試行錯誤していました。ただ、実際に書くとなると、私の内に潜む何かが、もっと時間を掛けて深く広いコンテンツを希求しながら構想を練るべきだと語りかけてくるのですよ。

 たとえばチームマネージメント(監督の仕事)というテーマで書くにしても、まだまだ足りない部分が多いと感じる。だから、これまで作り出したキーワードを活用し、なるべくシンプルにサッカーのメカニズムを表現するというアイデアに食指が動いたわけです。そのプロセスは、必ず次のステップにつながるはずだ・・ってね。

 そうだよな・・ここ数年間に、アタマのなかの引出にストックしているコンテンツを、本にまとめ直しておくのも悪くないな・・「サッカー監督という仕事(新潮文庫)」でもサッカーの基本的なメカニズムを表現したけれど、それから比べれば切り口もより多面的になっているだろうし、キーワードも増えたからな・・内容をもっと深められるかもしれないし、そこから「続・サッカー監督という仕事」の構想へつながるステップが見えてくるはずだ・・。

 これまで私が開発したキーワード(キーセンテンス)・・

●自由にブレーせざるを得ないサッカー・・
●勝負はボールがないところで決まる・・
●クリエイティブなムダ走り・・
●有機的なプレー連鎖の集合体・・
●スターという諸刃の剣・・
●守備意識こそが絶対的なバックボーン・・
●攻撃と守備の目的と具体的な目標・・
●リスクチャレンジのみが発展のリソース・・
●リスクにチャレンジしなければミスをすることもない・・
●使い使われるというメカニズム・・
●主体的に「仕事」を探しつづけられることの意義と価値・・
●天才の加入はコーチにとっての大いなる挑戦・・
●主体的に考えて走ること・・
●意図と意志をもつことこそがスタートライン・・
●本物の心理ゲーム・・
●組織と個人のバランス・・
●勝負強さと美しさのバランス・・
●心理マネージャーとしての監督の仕事とバランス感覚・・
●21世紀のイメージリーダー・・などなど。

 そんなキーワードの背景を、とにかく分かりやすく表現することにチャレンジしつづけました。ドイツの現場で経験した様々な出来事やコーチとして在籍した読売サッカークラブでのことをストーリー仕立てにして再現したり、ギド・ブッフヴァルトとのディスカッションや、哲学者である小林敏明さんとの対話も再録しました(だから全てが書き下ろしというわけではありませんが・・)。

 ちょっと自信の最新刊。この本が、本物の「異文化接点」としての機能を果たし、それがサッカー文化の深まりに貢献できれば、それほど嬉しいことはありません。

 




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