トピックス


22008_ナビスコ・・トリニータが展開した素晴らしいサッカーが「結果」を引き寄せた!・・(FC東京vsトリニータ、1-2)・・(2008年7月2日、水曜日)

「我々の良い仕事ぶり(シャムスカ監督は『ワーク』という言葉を使うらしい)が結果に現れたゲームだった」

 「そうだ!」

 「前半は、拮抗していたが、後半は、我々がイニシアチブを握り、そして(順当な!)決勝ゴールを奪って勝利を収めた」

 「そうだ・・その通りだ!!」

 あっと・・合いの手は、私が心の中で発したモノです。失礼・・

 それにしても、シャムスカ監督はイケメンだね〜。ほれぼれする。こんなイケメンが、プロのサッカー監督として「人間の弱さ」と対峙し、それに打ち勝って、選手たちを極限まで「闘わせてしまう」のだから、天は二物を与えちゃったっちゅうことか・・。冗談はさておき、本当に、シャムスカ監督は優秀なプロコーチだと思いますよ。それに抜群のイケメンだし〜・・

 この試合でのトリニータが、ギリギリまで闘うだけじゃなく、内容でも優れたサッカーを展開したことに疑問を挟む方はいないでしょう。自らのチカラで奪い取った立派な勝利。大分の皆さんは、トリニータを誇りに思っているに違いありません。いや、ホントに大したモンだ。

 ちょっと感動モノでさえあったから、思わず質問してしまった。「トリニータの試合は、そんなに頻繁に見ることが出来ない・・そんなこともあって、これまで私が観たゲームでは、良いサッカーなのに、それが結果に結びつかないというケースが多かったように思う・・だから、内容と結果がフェアに結びついたこの試合では溜飲が下がった・・ところでシャムスカさんは、イニシアチブを握るようなゲームが出来たとおっしゃったが、その背景要因を教えていただけないか・・」

 「一つは、戦術的なことが挙げられる・・どちらかといったら引いて受けに入る状態が多かったFC東京に対し(そのチャンスを逃さす)我々は、しっかりと攻め上がった・・もう一つは、心理・精神的な部分・・このスタジアムに到着したときから、我々は、本気で決勝トーナメントの上まで行くつもりだった(気合いが入っていた)・・」

 ナルホド・・。私は、その気合いが、素晴らしいディフェンスに現れていたと思っています。とにかく、守備の一つひとつのプレー内容が、FC東京とトリニータでは、一味も二味も違ったのです。要は、チェイス&チェックやマーキングといった「汗かきプレー」の量と質が、FC東京を完全に凌駕していたということです。

 だからこそ、次の攻撃でも、特にボールがないところでのプレーに本物の「勢い」を乗せることが出来た。たしかに、個のチカラを基盤にした、一つひとつの仕掛けプロセスでの「危険度」ではFC東京に軍配が上がるかもしれないけれど、作り出した「チャンスの芽」の量と、(組織コンビネーションという基準で評価した)質という視点じゃ、確実にトリニータのものだったと思うのですよ。

 とにかく私は、この試合でトリニータが展開したサッカーに、より高いシンパシーを感じていました。主体的に、そして一生懸命サッカーに取り組んだトリニータ。

 皆さんもご存じのように、全員の(守備)意識の高さをベースにした攻守にわたる優れた組織プレー(人とボールがよく動く組織プレーの量と質)といった視点で、私は、城福監督率いるFC東京を高く評価しています。ただ、この試合に限っては、FC東京は、完全にトリニータの勢いに呑み込まれてしまったということです。サッカーは本物の心理ゲームだから・・そんなこともあるサ・・仕方ないね。

 ところで、トリニータの「重心コンビ」エジミウソンとホベルト。彼らの「闘う姿勢」は感動モノでした。シャムスカ監督と同じブラジル人だから!? いや、そんな「浅い」ものじゃないでしょう。彼らとシャムスカ監督の間には、同じ「プロ個人事業主」としての深い信頼関係があると感じるのですよ。32歳と29歳の「重心コンビ」が、まさに極限まで走り続けている(攻守にわたって全力で闘いつづけている)のだからね。

 日本代表は、彼らのプレー姿勢から学ぶモノは多いよ、ホントに。一度、彼らのプレーのビデオを取り寄せて観察しましょう。そしてそこから、ポジティブなスピリチュアルエネルギーをもらいましょう。彼らの闘う意志は、冗談抜きで、本当に素晴らしい。同じプロとして、心からの敬意を表します。

 特に、後半のエジミウソンの闘う姿勢。何度、自身でボールをインターセプトし、そこから後ろ髪を引かれない仕掛けを展開していったことか。シンプルにパスを回し、自身は全力のパス&ムーブで次のスペースへ抜け出していったり、チャンスとなったら、これまた後ろ髪を引かれることのない(勇気をもった)全力の勝負ドリブルを仕掛けていったり。

 この試合の決勝ゴールも同じ流れだった。最後は、パス&ムーブから、躊躇なく最前線まで全力ダッシュで抜け出していったエジミウソンが、金崎からのクロスボールを受け、吹っ切れたシュートを決めた。

 決勝ゴールを決めたから言うのではありません。とにかく(特に)後半のエジミウソンの(攻守にわたる)鬼気迫る勝負プレーには、本当に舌を巻くモノがあったのですよ。とにかく、ビデオで見直してみましょうヨ。絶対に「感動する」こと請け合いです。

 それじゃ、また。

=============

 ということで・・しつこくて申し訳ありませんが、拙著『日本人はなぜシュートを打たないのか?(アスキー新書)』の告知もつづけさせてください。その基本コンセプトは、サッカーを語り合うための基盤整備・・。

 基本的には、サッカー経験のない(でも、ちょっとは興味のある)一般生活者やビジネスマン(レディー)の方々をターゲットに久しぶりに書き下ろした、ちょっと自信の新作です。わたしが開発したキーワードの「まとめ直し」というのが基本コンセプトですが、書き進めながら、やはりサッカーほど、実生活を投影するスポーツは他にはないと再認識していた次第。だからこそ、サッカーは21世紀社会のイメージリーダー・・。

 いま「六刷り」まできているのですが、この本については「こちら」を参照してください。また、スポナビでも「こんな感じ」で拙著を紹介していただきました。

 蛇足ですが、これまでに朝日新聞や日本経済新聞(書評を書いてくれた二宮清純さんが昨年のベスト3に選んでくれました)、東京新聞や様々な雑誌の書評で取り上げられました。NHKラジオの「著者に聞く」という番組で紹介されたり、スポナビ宇都宮徹壱さんのインタビュー記事もありました。また最近「こんな」元気が出る書評が出たり、音声を聞くことができる「ブックナビ」でも紹介されたりしました。

 




[ トップページ ] [ Jワンポイント ] [湯浅健二です。 ]
[ Jデータベース ] [トピックス(New)] [ 海外情報 ]