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2007_天皇杯4回戦・・ゲーム内容からしても愛媛FCの順当な勝利でした・・(レッズ対愛媛FC、0-2)・・(2007年11月28日、水曜日)

「とにかく内容が悪すぎた・・また、その流れを修正することも叶わなかった・・」

 レッズ、オジェック監督です。まあ・・そういうことだよね。その「悪い内容のサッカー」の要因になった心理的な背景は色々とあるに違いないけれど、とにかく足がまったく動かず(もちろんカウンターの場面は除いて・・)、集中力も大きく欠いていたというのは確かな事実でした。まあ(後半に交代した)鈴木啓太と長谷部誠の動きだけは、相変わらず良かったけれど・・。

 皆さんもご存じのように、「J」が順調に発展しつづけていることによって、日本サッカーの全体的なレベルは大きく向上し、多くの優れた選手が輩出するようになりました。結果として、「J2」のレベルも格段に向上した。だから、以前のように、相手がJ2クラブでも、楽して勝てるような試合はなくなりました(注釈:「楽」についてですが、勝つために傾注しなければならないエネルギーのレベルという意味で、あくまでも比較的というニュアンスです!)。

 だからこそ、強いチームが、持てるチカラを存分に発揮するために、攻守にわたって「ボールがないところでのアクションの量と質」が求められるというわけです。それがあってはじめて、個のチカラの集合体としてのチーム総合力(要は実力)を十二分に発揮できるというわけです。

 立ち上がりのレッズは、観ている方の期待を大いに刺激してくれました。両サイドが押し上げ、その流れに、後方からのオーバーラップが絡みつづける。そして、人とボールが(素早く&広く)動きつづける優れたコンビネーションで愛媛の守備ブロックを翻弄するのです。そんな流れのなかで、トゥーリオのヘディングシュートや岡野のバー直撃シュートが生まれました。

 ただ結局はゴールを奪うことができず、徐々に、攻守にわたる「ボールがないところでのアクションの量と質」が減退していった。アップテンポのサッカーは、試合開始から10分くらいでしたかね。それ以降は、ホルガー・オジェック監督が言っていたように、まさに最悪のスタンディングサッカーに終始してしまったというわけです。フ〜〜

 記者会見で後藤健生さんが、「立ち上がりを除いて、どんどんサッカー内容が悪くなっていった・・その悪い流れを断ち切るために、ハーフタイムではどんな指示を出したのか・・」と鋭い質問を投げかけた。

 それに対してホルガー・オジェック監督は、「まずサッカーの内容を立て直さなければならない・・もっとプレッシャーを掛けていこう・・とにかく後半は良いサッカーをやろう・・そんなふうに選手を送り出した・・」と答えていました。もちろん、ハーフタイムで行われた具体的な心理マネージメントにまでは言及しなかったけれど、それがうまく機能しなかったことは衆目の一致する見解でしょう。

 まあ、仕方ない。とにかく、この悪いサッカーが、今シーズンでもっとも重要な試合(オジェック監督)である土曜日のJリーグ最終戦(横浜FC戦)のサッカー内容に悪影響を及ぼさないようにしなければいけません。

 とはいっても私は、この試合が(サポーターからの罵声も含めた大いなる刺激が!!)、チームにポジティブな(プラスの)影響を与えるはずだと確信していますよ。要は、良いことからは学ぶものはない・・ということです。

 逆転ゴールを奪われたときは心が折れそうになった(長谷部誠がゲーム後に言ったコメント)ソンナム戦や、(特にアウェーでの)セパハンとの激闘。「J」では、三試合連続ドローの後の、アントラーズ戦での悔しい敗戦。そして、まさに完敗ということになった天皇杯(素晴らしくダイナミックなサッカー展開した愛媛FCと望月監督に心からの祝福の拍手を!!)。

 レッズは、そんな貴重な「体感」を積み重ねているのです。だからこそ、大事なゲームになればなるほど存分に実力を発揮できる。彼らは、ギリギリの体感をバックボーンにした強烈な闘う意志を持ち合わせているのです。

 意志さえあれば、おのずと道が見えてくる・・。土曜日の勝負マッチが楽しみです。

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 しつこくて申し訳ありませんが、拙著『日本人はなぜシュートを打たないのか?(アスキー新書)』の告知もつづけさせてください。その基本コンセプトは、サッカーを語り合うための基盤整備・・。

 基本的には、サッカー経験のない(でも、ちょっとは興味のある)一般生活者やビジネスマン(ウーマン)の方々をターゲットに久しぶりに書き下ろした、ちょっと自信の新作です。わたしが開発したキーワードの「まとめ直し」というのが基本コンセプトですが、書き進めながら、やはりサッカーほど、実生活を投影するスポーツは他にはないと再認識していた次第。だからこそ、サッカーは21世紀社会のイメージリーダー・・。

 いま四刷り(2万数千部)ですが、この本については「こちら」を参照してください。また、スポナビでも「こんな感じ」で拙著を紹介していただきました。

 蛇足ですが、これまでに朝日新聞や日本経済新聞、東京新聞の(また様々な雑誌の)書評で取り上げられました。NHKラジオでも、「著者に聞く」という番組に出演させてもらいました。また、スポナビの宇都宮徹壱さんが、この本についてインタビューしてくれました(その記事は「こちら」)。またサボティスタ情報ですが、最近、「こんな」元気の出る書評がインターネットメディアに載りました。

 




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