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2007_アジアカップ・・やっぱり予選グループ最終戦はギリギリのドラマになる・・(2007年7月18日、水曜日)

良かった・・やっと韓国が、本来の実力(優れたゲーム内容)に見合った結果を引き寄せた・・それにしても、韓国対インドネシアの勝負マッチは最後の最後までエキサイティングに白熱しつづけた・・「1-0」で韓国がリードしているけれど、交通事故ゴールなど、どんなカタチにせよ、同点に追い付いつかれたらインドネシアに二位の座を奪われてしまうのだから・・。

 Dグループ(サウジアラビア、地元インドネシア、バーレーン、韓国=2戦を終えた段階での順位)のなかでは、欧州で活躍する三人のスター選手が不在だとはいえ(彼らは、組織と個が高い次元でバランスした本物のスターたちです!)、グループをトップで抜け出したサウジアラビアも含め、実力的には韓国に一日の長があると思います。人とボールがしっかりと動きつづける組織的なプレーと、勇気をもって仕掛けていく個人プレーが高い次元でバランスしている。やはり韓国の選手たちは、強烈な意図と意志を主体的に表現できるということなんだろうね(それこそが自己主張パワー!)。

 この試合でも韓国は、スタジアムを埋め尽くした(10万人を超える!?)地元インドネシアの大観衆を向こうに回し、本当に立派なサッカーを展開しました。立ち上がりから、ギリギリの闘う意志を前面に押し出すようなダイナミックな中盤ディフェンスでゲームを支配し、2本、3本と決定的なチャンスを作り出す韓国。押し込まれながらも、地元パワーで必殺のカウンター攻撃を見舞うインドネシア。まさに白熱・・。

 でも結局は、必然ファクターが偶然ファクターを凌駕した。私は、韓国が決勝トーナメントへ勝ち上がったことを心から喜んでいました。

 さて、もう一つのCグループ(中国、イラン、ウズベキスタン、そして地元マレーシア=2戦を終えた段階での順位)。ここでも逆転ドラマが完結しました。そこでは、トップだった中国が蹴落とされたから、よりドラマチックな展開だった!? いやいや。それは単なる「数字のお遊び」にしか過ぎません。実際のサッカーの内容では、まさに順当にイランとウズベキスタンが決勝トーナメントに進出したと言えるのですよ。

 私は、ウズベキスタン対中国をテレビ観戦していました。もう一方のイラン対マレーシアもライブ中継があったけれど、まあ・・ね。そして、ゲームの展開を追いながら思っていました。中国人のマインドは、やっぱり共同作業には向かないんじゃないか・・ってね。個人のチカラは十分すぎるほど備えているのに、それがチーム総合力として相乗効果を発揮しないのですよ。もちろん人やボールの動きはあるけれど、優れた組織プレーの隠し味である「クリエイティブなムダ走り」があまりにも少なのです。これでは、ウズベキスタン守備ブロックのウラスペースを突いていけないのも道理。そして最後は、ゴリ押しの個人パワー勝負を挑んでいくのです。これでは・・。

 それに対して、スマートな組織プレーを披露しつづけるウズベキスタン。やっぱり彼らのサッカーはヨーロッパテイスト。攻守わたって「数的に優位な状況を作り出す」という組織プレーの大原則をしっかりイメージしていると感じます。もちろんこの気候条件だから、常に「それ」を達成できるわけじゃない。それでも、常にイメージし、それを忠実に積み重ねていくことで、いつかはその努力が報われるというわけです。私は、ウズベキスタンの高質なサッカーイメージに対しても拍手をおくっていました。

 さてどうだろうか・・、決勝トーナメントに進んだチームのなかでは、ホストカントリーでグループリーグを突破したのはベトナムだけという事実も含めて、アルフレッド・リードルが率いるベトナム代表チームだけが(失礼ながら)番狂わせということになったように思うけれど・・。とにかく、アルフレッドには、心からオメデトウと言いたいですね。彼については、(しつこいけれど)このコラムを参照してください。

 さて決勝トーナメント。私は、日本対オーストラリアの準々決勝を見てから(その次の日に)クアラルンプールで行われる「イラン対韓国」も観戦してきます。そしてその翌日にハノイへとんぼ返り。さて、どうなることやら・・。

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 しつこくて申し訳ありませんが、拙著(日本人はなぜシュートを打たないのか?・・アスキー新書)の告知をつづけさせてください。本当に久しぶりの(ちょっと自信の)書き下ろし。それについては「こちら」をご参照ください。
 




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