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2006_CL・・中村俊輔!!・・(2006年9月29日、金曜日)

この二日間ちょっと出掛けていたもので、やっと今日になってチャンピオンズリーグを観戦することができました。レアルやバイエルン、ブレーメン対バルセロナ・・。いろいろとあるけれど、やはり中村俊輔が気に掛かる。ということで、一仕事を終えてから、録画しておいたセルティック対FCコペンハーゲン戦を観はじめた次第なのです。

 いいね〜、俊輔。グラスゴー・ダービーでのパフォーマンスよりも、様々な視点でポジティブな「意志コンテンツ」が詰め込まれたプレーを魅せてくれました。守備においても、攻撃においても、ボールがないところでも・・。

 とはいっても、立ち上がりの時間帯では、うまく中村にボールが回ってこなかった。グラヴェセンやレノンがボールをもって味方を探しているという状況で、近くにいる中村がフリーであるにもかかわらず、パスが回されてこない。

 その状況における心理的なムーブメントは、「オレにボールを預けてくれよ・・組み立てはオレに任せてくれればいいんだから・・」なんていう、ちょっとアロガント(尊大)な態度に対して(まあ俊輔本人のマインドは違うのだろうけれど・・)、周りの味方が、仕掛けはオレだってリードできるさ・・ということだったように感じる。

 そんな微妙な「心理のぶつかり合い」は、俊輔も敏感に感じ取っていたはず。そして徐々に、彼のボールがないところでのプレー内容に「広がり」が出てくるのです。守備では、ボールがないところでの忠実なマーキングや、忠実でクレバーなインターセプト狙い(実際に何度もボールを奪い返したり、俊輔のディフェンスによって味方がボールを奪えたり!)。そして、そんな守備での「動き」が、次の攻撃でのボールがないところでのプレー内容を深化させていく。パスレシーブの動きの活性化(右サイドに張り付くのではなく、どんどんと中央ゾーンや逆サイドゾーンまで進出していく!)・・ダイレクトでのシンプルなパス回しとパス&ムーブ・・そして、仕掛け段階での、ドリブル勝負やタメ、はたまたコンビネーションなどのリスクチャレンジ・・等々。

 守備での実効ある貢献内容と攻撃でのボールがないところでのプレーの活性化。だからこそ、中村俊輔による「ボール絡みの魔法」が、素晴らしい実効を伴いはじめたというわけです。「魔法」の絶対的ベースは、守備と、(攻撃での)ボールがないところでのプレーコンテンツにあり!!

 それにしても、この試合での中村俊輔は、ボール絡みのプレーに切れがあった。それもまた、強烈なリスクチャレンジへの意志が根底にあるからに他なりません。だからこそ、仕掛けプレーを「ポジティブに終わらせる」ことができるし、それが次の自信&確信のリソース(糧)になるという善循環。

 サッカーは「本物の」チームゲーム・・マラドーナでもない限り、攻守の汗かきプレーについて「例外の選手」はいない・・自分の能力(才能)をより効果的に発揮する(できる)ためにこそ、その汗かきプレーに率先して取り組むという「インテリジェンス」と「闘う意志」が絶対的に重要なファクターになる・・攻守にわたって自ら「仕事を探しつづける姿勢」・・互いに、使い・使われるメカニズムに対する深い理解・・

 中村俊輔のプレーを観ているなかで、脳裏に浮かんできたキーワードの数々。それって、考えはじめたら止まらない。けれど、これからまた仕事に行かなければならない。ということで、今日はここまで。とにかく、中村俊輔のプレー姿勢が(自分主体で!)活性化していることに安堵していた湯浅でした。

 今シーズンがはじまった当初に書いた、「中村俊輔の意志とアピール」というテーマのコラムも、もう一度ご参照あれ。

 



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