湯浅健二の「J」ワンポイント


2025年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第13節(2025年4月29日、火曜日)

 

やっと、内容にともなった結果まで、たぐり寄せたアルビレックス・・また、実力あるミヒャエル広島サンフレッチェの、質実剛健な「立ち直りプロセス」も、とても興味を惹かれるテーマ・・(サンフレッチェvsアルビレックス、0-1)

 

スゴイね〜、アルビレックス・・

彼らについては、偶発的に(!?)3節つづけてレポートすることになった。

そのコラムについては、「こちら」と「あちら」を、ご参照あれ。

そのコラムじゃ、アルビレックスの「内容と結果」が一致していないってな骨子になったっけ。

とにかく・・

戦術コンテンツだけじゃなく、頑張る「闘う意志」も含めて、なんで彼らが、リーグの「降格圏に沈んでいるの??」ってな、疑問符が・・

そして・・

この試合でもアルビレックスは、その秘めたる実力を、いかんなく発揮した。

何せ、相手は、リーグ実力ナンバーワンの一つ、ミヒャエル広島サンフレッチェだからね。

そんな強い相手に対して、アルビレックスは、こんな立派なサッカーを魅せたんだよ。

彼らが、ボール奪取プロセス(守備)での、忠実&クレバー&ダイナミックアクションを、積み重ねているコトは、誰の目にも、明らかだったに違いない。

もう何度も、書いているけれど・・

アルビレックス監督、樹森大介は、ホントに、よい仕事をしていると思うよ。

その「良い仕事」の、賜物として・・

まず、何といっても、その、強烈な意志が迸(ほとばし)る、攻守にわたる、素晴らしい主体性プレーを挙げたい。

わたしは、そんな彼らの「優れた主体性プレー」に対して、同じサッカー人として、心からの称賛と感謝の拍手をおくっていましたよ。

ボール奪取プロセス(守備)でも、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)においても・・ネ。

アルビレックスの場合、そんな強烈な「闘う意志」に支えられた、レベルを超えた「主体性プレー」が、チーム内に浸透しているからこそ・・

たとえば、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)では・・

パスを受けた誰しもが、ものすごい「落ち着きの雰囲気」を、放散するんだ。

決して、慌てず、焦らず・・

そんな、ネガティブ雰囲気などとは、まったく無縁な、冷静で、クレバーなボールコントロールから、まさに創造性を絵に描いたような、人とボールの動きを魅せつづけるんだよ。

もちろん、その「動き」には、チーム内で確立している(!?)確たるリズムがあるんだ。

だからこそ、パスレシーバーも、しっかりと動きわけだ。

ダゾン解説の山岸智も、語っていたけれど・・

そんな、攻守にわたるハイレベルな主体性プレーは、一朝一夕に培われたモノじゃない・・

そうではなく、前任監督の松橋力蔵の「良い仕事の積み重ね」も、あった・・

同感だね・・

もちろん、いまの監督、樹森大介も、良いトコロは変えない(!?)ってな哲学をもっているはず。

とにかくわたしは・・

アルビレックスが「結果」を持ち帰ることができて、よかったと感じていた。

もちろん、皆さんもご存じのように・・

私は、ミヒャエル・スキッベを応援しているよ。

彼の優れた「仕事」によって、今シーズンのサンフレッチェは、確実に、優勝候補に挙げられる。

この試合でも、ミヒャエル広島サンフレッチェは、(特に前半!!)優れたサッカーを魅せたしね。

それでも・・

そう、アルビレックスが放散した、「あの」ポゼッションでの「落ち着き」には、最初サンフレッチェ選手たちも度肝を抜かれたって感じていたよ。

だから、サンフレッチェの、ボール奪取プロセス(守備)における、チェイス&チェック(寄せ)の勢いも、時間を追うごとに「落ち着いていった」って感じられたモノさ。

たぶん、サンフレッチェ選手たちは・・

「安易に当たりにいって逆を突かれるのではなく、ヤツらのペースで展開させた方が得策・・」って、思いはじめた!?

そして、そんな心理・精神的なプロセスを経ながら・・

アルビレックスの、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)が、小見洋太を中心に、どんどんと勢いを増していくんだよ。

それも・・

サンフレッチェ選手たちも、目を見張るほど素早く、大きな、人とボールの動きと、その優れたリズム・マネージメントを魅せながらね。

それでもアルビレックスは、ゲーム全般の内容からすれば、たしかに・・

そう、そんな優れた仕掛けから、チャンスは創りだすアルビレックスだったけれど、どうも、ギリギリのところで、「心理的な何か」が足りないコトで、実際のゴールを奪えないでいたんだ。

この「心理的な何か」が原因で、(あり得ないミスも含めてね!)失点を喰らっちゃうシーン、わたしも、残念に感じていたモノさ。

でも、この試合でのアルビレックスは、最後の最後まで、「意識と意志ポテンシャル」を減退させることなく(変なミスもなく!?)、しっかりと、勝ち切った。

ということで・・

これからは、アルビレックス「も」、視野に入れてリーグを観戦しよう・・って、思っていた筆者なのであ〜る。

へへっ・・

あっと、ミヒャエル・・

まあ、実際のサッカー内容が優れている(!)彼らのことだから、こんな「奈落」なんて、「なんのその」ってな感じで、復活してくるに違いない。

ミヒャエル広島サンフレッチェの、質実剛健な「立ち直りプロセス」もまた、とても興味を惹かれるテーマではあるよね。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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