湯浅健二の「J」ワンポイント


2019年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第16節(2019年6月22日、土曜日)

 

とっても興味深いゲーム展開(内容)の変容ではありました・・(マリノスvs松本山雅、1-0)

 

レビュー
 
・・基本的なポジションを変えた!?・・

・・そうではなく、天野純は、ポジションに関係なく、より多く走るようになったからこそ、より多くボールに触り、だからこそ、より良いプレーができたんだよ・・

・・オレのサッカーでは、ポジションにこだわるのではなく、それ(戦術タスク!?)を基盤に、とにかく動くことが重要な意味をもつんだ・・

・・そんなプレー姿勢があって、はじめて、良いサッカーが出来るのさ・・

アンジェ・ポステコグルーの言葉だった。

「後半の天野純は、ポジションを下げたように見えたのですが?」という質問に、アンジェ・ポステコグルーが敏感に反応し、そんなニュアンスの内容をコメントしたんだよ。

私は、そんなアンジェのコメントを聞きながら、心のなかで拍手をおくっていた。

まさに、その通り・・ってね。

このテーマについては、「TheCore Column」のシリーズで、「システム」についてディスカッションした「このコラム」もご参照あれ。

要は、「システム」と呼ばれるモノに「こだわり」過ぎたら、確実に、ダイナミズムが失われた「戦術サッカー」に落ち込んでしまう・・という、サッカーの歴史が証明している真実のことだよ。

攻守にわたる局面デュエルのせめぎ合いで「爆発」しつづけることを絶対ベースに、人とボールが活発に動きつづけるダイナミックな攻撃サッカーを展開する。

アンジェ・ポステコグルーは、そんな「感じ」のサッカーを志向しているんでしょ。

そんな彼が、変に斜に構えた(!?)戦術サッカーを追い求めたりするはずは、ない。

わたしは、そんなアンジェ・ポステコグルーを、心から支持しているんですよ。

そしてこの試合でも・・

そう、前半の立ち上がり30分ほどは、とてもダイナミックな動きが「連動」しつづける攻撃サッカーで、松本山雅を圧倒したんだ。

そして、バー直撃弾も含め、何度も、明らかな「ゴール機会」を創り出した。

流れのなかでは・・

ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションをベースに、遠藤渓太や仲川輝人が、タイミングよい必殺ドリブル勝負を仕掛けていったりする。

またセットプレーでも・・

バー直撃弾などをブチかます。

とにかく松本山雅ディフェンスは、マリノスが、流れのなかでブチかましつづける「仕掛けの変化」に十分対応できず、何度も、決定的スペースを攻略されてしまったんだ。

でも・・

そんなジリ貧の雰囲気から、反町康治さん率いる松本山雅が、強烈な闘う意志に支えられた「粘りのサッカー」で立ち直りはじめるんだよ。

そう、前半の半ば過ぎまでマリノスに圧倒されていた松本山雅が、徐々に勢いをアップさせ、後半にかけてのゲーム内容を、まさに「互角の仕掛け合い」ってなところまで盛り返したんだ。

それも・・

決して、前へ行きっぱなしの「蛮勇サッカー」といった低級サッカーではなく、あくまでも、攻守にわたってスマートに連動しつづける高質な組織サッカーなんだ。

だから彼らは、マリノスの必殺カウンターにも、とてもうまく対処できていた。

「あの」決勝ゴールシーン以外は・・ね。

まあ、仕方ない。

私は、そんな松本山雅の、ゲームのなかでの成長を観ながら・・

そこまで選手たちを、自分たち主体で考え、勇気をもって「積極的」に闘える集団へと成長させた反町康治さんに対して、心からの敬意を表していたっけ。

あっと・・ゲーム展開の「変容」だった・・

わたしは、そのプロセスを観ながら、こんなコトを考えていた。

・・マリノスは、あれほどの絶対的チャンスをモノに出来ずにいる・・

・・それって、必ず、ゲームの流れを逆転させるはずだ・・

・・そう、案の定、松本山雅の(ボール奪取プロセスの!!)勢いが増してきた・・

・・「守備こそが、全てのスタートライン」を地でいく松本山雅・・

・・そんなだから、次の攻撃で、サポートの人数を増やせるのも道理・・

・・そして松本山雅が仕掛ける攻撃の危険度が、何倍にも膨れ上がっていった・・

・・そう、試合が、互角の仕掛け合いってな感じの、エキサイティングマッチへと成長していったんだ・・

・・立ち上がりでは、マリノスの楽勝っちゅう雰囲気が支配していたにもかかわらずネ・・

・・でもマリノスは、そのポジティブな流れを勝利へと着実につなげる「美しい質実剛健サッカー」にまで昇華させられない・・

・・いや、逆に、松本山雅の「闘う意志の増幅」を招いてしまうという体たらくだったんだ・・

・・そんなゲーム展開(内容)の変容を観ながら・・

・・またまた、不確実な要素が満載のサッカーだからこそ、究極の「心理ボールゲーム」だという普遍的なコンセプトを噛みしめていた・・

・・なんて、ネ。

最後に、松本山雅。

反町康治さんも言っていたように、「この内容サッカーができる」のだから、彼らは、もっと上位を狙えるよね。

このゲームを通じて選手たちは、着実に、脳内イメージタンクの「自信と確信」のレベルをアップさせたに違いないのだから・・。

チト、ワケが分かりませんが・・

ガンバレ〜ッ!! 反町康治〜っ!!

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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