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2020_J1_第25節・・セレッソが魅せた、スーバーに忍耐強い「組織ディフェンス」・・でもそこに秘められている、プレー姿勢の(意志の!)内実を考えたら・・(ヴィッセルvsセレッソ、0-1)・・(2020年9月16日、水曜日)

何か、大昔のサッカーゲームを観ているような・・

(セレッソの都倉賢が一発レッドになったコトもあって!?)一方的にゲームを支配し、攻め上がる(でも、決定的な仕掛けプロセスじゃない!)ヴィッセル。

対して、「ロティーナ・コンセプト」をベースに、忠実ディフェンスで対抗するセレッソ。

結局、あれほどイニシアチブを握っていたにもかかわらず、ヴィッセルが創りだせた「明らかなゴール機会」というシーンは、ほとんどなかったよね。

わたしは、その現象が、とても大事なポイントかもしれない・・と感じていたんだ。

ということで、その現象を、どのように表現しようか・・

たしかに、セレッソは、失点数ではリーグNo.1だけれど、同じように少ないフロンターレとは、その意味合いは、まったく違うよね。

フロンターレは、まさに、「積極的にボールを奪い返しにいく」ディフェンスを展開する。

それに対してセレッソは、まさに粘りの「忠実ディフェンスの積み重ね」ってな趣だね。

そんな、彼らのブロック守備の内実だけれど・・

まず・・

互いのポジショニングを極力崩さずに、ポジショニングバランス・オリエンテッドな組織ブロックを敷くというのがスタートラインだよね。

そして、相手が最終勝負プロセスに入ったら、臨機応変に、その組織バランスを「ブレイク」し、カバーリングや協力プレス、そして「最後の半歩ディフェンス勝負」を繰り出していく。

そんな、全体的なボール奪取プロセス(スペースやシュート潰し!?)が、とても効果的なんだよ。

また、局面ディフェンスプレーについても、何らかの「決まり事」がありそうだ・・

たとえば・・

決して「安易」にボールを奪いにいくのではなく・・

・・ウェイティングも含めて、とにかく、最後の最後まで、相手ボールホルダー(パスレシーバー)をチェイスしつづける(追い詰める)っちゅう姿勢・・

だから、「安易」に、置き去りにされる(マークを剥がされる!?)ってなネガティブ現象も少ない。

その、「安易にボール奪取勝負に奔らない」という姿勢だけれど・・

そのニュアンスは、「局面デュエル」というシチュエーションとは、微妙に違うんだ。

そう、(ある程度!!)互角の、ボールをめぐる激しい競り合いではなく、まだまだ、ボールの支配では相手がイニシアチブを握っているというニュアンスなんだよ。

その意味でも、セレッソ守備からは、とても冷静沈着という印象を受ける。

また、チームメイトの(ボール絡みの)局面ディフェンスを観察するチームメイトも・・

そのボール絡みディフェンスの「経過」がイメージできるから、「次の勝負展開」をアタマに描きながらカバーリングや協力プレス、はたまたパスカットに備えられる。

だから彼らは、「安易」なボールウォッチャーに成り下がることが少ないのさ。

別な言葉で表現したら・・

彼らは、自分自身の「確立した判断と決断」で、しっかりと、変化しつづける状況に対処できているっちゅうわけだ。

それは、それで、とても立派なディフェンスではあった。

そして、そんなトコロにこそ、ロティーナの「ウデ」が表現されていると思うわけだ。

そんなだから・・

「あの」イニエスタの仕掛けイメージにしても、かなりの確率で「予測され」、セレッソ守備のワナに引っ掛かっていたよね。

ということで、この試合は、「ロティーナ・コンセプト」をベースにする、忍耐強いセレッソ守備ブロックが主役を張っていたって表現するのがフェアだと思うわけさ。

ところで、攻める、ヴィッセル・・

前述したように、まったくといっていいほど、「ゴール機会」を創り出せなかった。

たしかにセレッソ守備には「高さ」もあるけれど、それでも、アバウトでもいいから、もっとアーリークロスを多用してもよかったのでは・・!?

そりゃ、フワッとした単純なクロスでは、簡単に防がれてしまうだろうから・・

「勝負スポット」のイメージを明確にシェアし、「そこ」へ、鋭いシュート性の「アーリークロス」をブチ込むんだよ。

そしたら、たぶん、「何か」が起きる。

もちろん、ガンガンとミドル弾をブチかましても、「何か」を起こすことができる。

でもヴィッセルは、結局、最後まで、そんな「変化アイデア」を魅せられず仕舞いに終わってしまった。

そのことが、すこし残念ではあったね。

あっと、最後に・・

各チームの、「失点数」と「ゴール数」のバランスを観てみましょうか。

前述したように、失点数では、セレッソ、1点差でグランパス、そして2点差でフロンターレとつづく。

でも・・

そうなんだよ。

セレッソやグランパスと比べて、フロンターレの得点数は、ほぼ2倍なんだ。

そこに、ボール奪取プロセスの「意味合いの違い」が、明確に現れている・・と思うわけさ。

そう、カウンターも含めた、次の仕掛けプロセスやシュートシーン(スペース攻略)を明確にイメージした「ボール奪取」と・・

自分たちのゴールを守るためのボール奪取との、違い。

さて、どちらの方向性が、日本サッカーの将来にとって、より貴重な「価値」を内包しているのだろうか・・??


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ところで・・

チト唐突ですが、知り合いのジャズシンガー、宮崎友紀子さんを紹介させてください。もう、ホントに素晴らしいソウルフルヴォーカリストです。

以前、あるキャフェライブで聴き、いっぺんにファンになったのですが、その宮崎友紀子さんと、偶然、友人のガーデンパーティーで再会したんです。

彼女については、このページあのページを参照してください。

私がコンサートで聴いたのは「ボサノバ」だったけれど、本当に心に染みわたりましたよ。

その宮崎友紀子さん。私の友人で、日本を代表するベーシスト(コントラバス奏者)藤原清登さんともコラボしたらしい。知らなかった。

 藤原清登さんだけれど、あるライブで彼女のヴォーカルを聴き、すぐに「いいですネ〜・・よければ、今度セッションを組みませんか・・」と、オファーしたんだそうな。

「あの」藤原清登だからね、宮崎友紀子さんの実力については推して知るべし・・だよね。

ということで、彼女の最新アルバムのカバー写真も載せておきます。

また、ギタリスト&シンガー(&パーカッション&マウス・トロンボーンなどのマルチ音楽家)として活躍するホブソン・アマラウさんとのコンビがパフォームするYouTube動画へも「リンク」を張っておきま〜す。

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あっと・・

私が愛用しているウエストポーチやバックパック。それについて何人かの方々に質問されたんですよ。それは、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」

ちょっと、プロモートさせてくださいね。

この方は、某有名メーカーのチーフデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードが散りばめられた「METAS」

とてもシンプル。でも、その機能性は、もう最高。お薦めしまっせ。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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