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2019_U22親善マッチ・・守備(ボール奪取プロセス)の内実こそが!!・・(日本vsジャマイカ、9-0)・・(2019年12月28日、土曜日)

見終わってすぐに・・

完敗という(・・に近い)結果に終わった、先月17日に、広島のエディオンスタジアムで行われた「U22コロンビア代表」との親善マッチを見直していた。

そして、思った・・

やっぱり、ディフェンスの内実こそが、すべてを決める・・

それも・・

なるべく良いカタチでボール奪取プロセス(有利な局面デュエル)に持ち込めるような・・

組織的な連動アクションを積み重ね、相手の攻撃フローを追い詰めていくディフェンス。

その視点で、コロンビアは、ホントに強かった・・と思う。

・・というか、立ち上がりは、ある程度うまく機能していた日本のディフェンスが、時間の経過とともに、その勢いを失っていったとするのが正しい見方かもしれない。

細かなトコロでの「マイナス現象」の積み重ねだったんだろうけれど・・

そう、森保一ジャパンは、コロンビアの「勢いと優れたスキル」に、徐々に、闘う意志のポテンシャルを減退させていったんだと思う。

ところで、ジャマイカ・・

もちろん、「そんなに弱い」チームじゃない。

でも、この試合で、「攻守にわたって」スーパーな組織サッカーを積み重ねる森保一ジャパンには、歯が立たなかった。

というか、コロンビア戦での森保一ジャパンが「はまって」しまったように、相手の勢いと、優れた「組織スキル」に、徐々に、攻守チャレンジへの勇気を失っていったのかもしれない。

コロンビア戦での森保一ジャパンは、久保建英、堂安律といった、欧米で名を馳せているスターも擁していた。

ただ、コロンビアは、「そこ」を狙ってボールを奪いにきた。

そう、「そこ」へボールを集めさせんだ。

そして、「そこ」がうまく機能しなくなったことで、自信ポテンシャルを減退させた森保一ジャパンは、まさに心理的な悪魔のサイクルに「落とし込められて」しまった。

その試合でのコロンビアは、(そのコラムでも書いたように)まさにチャレンジャーのマインドで、全身全霊で闘いつづけたんだ。

あっと・・

言わんとするところは、守備の内実こそが全て・・っていう、サッカーの根源コンセプトだった。

とにかく、このゲームでの森保一ジャパンは、抜群にメリハリの効いた素早い攻守の切り替えから、連動する組織ディフェンスが、とても美しく機能しつづけたんだ。

とはいっても・・

そう、彼らは、前からプレス守備と、ブロック守備(クレバーな、ポジショニングのバランシング!)を、とてもスムーズに使い分けながらね。

ポジショニングバランス・オリエンテッドな「イメージ」と、マン・オリエンテッドな「イメージ」が、とても、とても美しく機能しつづけたんだよ。

森保一さんのサンフレッチェ時代が、まさに「それ」だった。

だから、ボール奪取プロセスの成功率と、全体的な運動量が、他のチームと比べて、ものすごく「アンバランス」だったのだよ。

そう、彼らのディフェンスは、とても高質で、実効レベルが高かったんだ。

それも、これも、選手たちの考えつづける姿勢(高い意識と、強い意志)が素晴らしいからに他ならない。

だからこそ、ボールを奪い返してからの攻撃プロセスも、攻守ハードワークとリスクチャレンジ・マインドを絶対ベースに繰り出していく、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションなど、素晴らしいレベルにあった。

それこそ、まさに、美しい質実剛健サッカーじゃないか。

もちろん、日本代表のように、人を揃えられれば、また相手によっては、積極的に「前からプレス守備」をブチかましていくことだってある。

そう、このジャマイカ戦のように・・ネ。

とにかく、そんな積極的なボール奪取プロセスで選手たちが魅せた、イメージング内容(予測して行動するアクションの内実!)は、ものすごく高いレベルにあった。

ボールを「奪われるかも知れない・・」で、次のファーストディフェンス・アクション(チェイス&チェックやカバーリング)に備える。

それも、複数のプレイヤーが、同時に。

そして、(周りが追い込んだことによって!?)ボールの動きを正確に予測できたチームメイトたちが、次、その次の、有機的な「ポジショニング連鎖」を魅せつづけるんだ。

そりゃ、ジャマイカチームのなかに、徐々に、諦めムードが高まっていくのも道理じゃないか。

まあ、コロンビア戦での森保一ジャパンは、「そこまで」落ち込むことはなかったわけだけれど・・。

さて・・

私は、東京2020のアジア最終予選も兼ねた(日本はホストカントリーだから予選という意味では関係ないけれど・・)、1月にタイで行われる「AFC_U23チャンピオンシップ」を、最後まで現地取材します。

森保一ジャパンにとっては、チャンピオンシップのタイトルをめぐる争いだけじゃなく、チーム内での、最後の18人に残るサバイバルトーナメントでもあります。

とても、興味深い学習機会だと、いまから楽しみで仕方ありません。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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