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2019_WM2次予選・・2点しか奪えなかったけれど・・でも内実は、美しい質実剛健サッカーだった・・(ミャンマーvs日本、0-2)・・(2019年9月10日、火曜日)

以前のアジア予選では・・

そう、そこじゃ、もう、何でもアリだった。

試合日までの、生活&トレーニングの(意図的な!?)ネガティブ環境だけじゃなく、この日のような厳しい自然環境はもちろん、アンフェアなレフェリングだって(特に中東では・・ネ)当たり前だったんだよ。

まあ、レフェリングについては、大きく改善はされたけれど、オレの記憶タンクにはまだ昔のイメージが残っているから、微妙なシーンでは、やっぱり「ビクッ」っとしちゃうよね。

フ〜〜ッ・・

あっと・・試合・・

ミャンマーは「やるコト」が明白だから、そのイメージに闘う意志を集約させていけばいい。

ということで彼らは、守備で、しっかりと「最後の半歩」を繰り出せていた。

その集中力と戦う意志には、敬意を表しますよ。

でも、逆に、森保一ジャパンからすれば・・

あれだけのチャンスを創りだしながら、結局2ゴールというのでは、物足りない。

森保一ジャパンは、そんな、物足りない結果(ゴール)から、何かを感じた(記憶タンクに収納すべき学習内容を得た)だろうか?

そのテーマについて、わたしは・・

・・もっと「泥臭いゴール」をイメージしてもいいかも・・なんて、感じていた。

だから、中島翔哉の先制ミドル弾には、安堵も含めた心からの拍手をおくっていたんだ。

アジア予選での、泥臭い勝負・・

要は・・

水が浮いているピッチだからこそ、ダイレクトパスを織り交ぜた美しい組織コンビネーションという基調イメージのなかで、泥臭い「放り込み」とか「ミドル弾」といったイメージを、もっと前面に押し出してもいい・・ってなコトだね。

だから・・

キックオフから1分も経たないうちに、左サイドの長友佑都が、最前線の大迫勇也へ向けて、まさに「アバウト」なロングハイボールを放り込んだ「仕掛けイメージ」には、拍手していたんだ。

大迫勇也は、しっかりと、そのハイボールに競り勝ち、まさにイメージ通りに(!?)背後スペースへボールを「流し」たのさ。

もちろん「その裏スペース」には、右サイドの堂安律が走り込んでいた。

その仕掛けプレーを観ながら、「サスガに森保一さん・・しっかりと、このゲームの自然環境にフィットする攻め方イメージも植え付けた・・」なんて思っていた。

でも・・

そう、その後は、思ったよりも「ボールの走り」が良かったことで(!?)、そんな「アバウトな仕掛け」は影を潜め気味になっていったよね。

もちろん、そんな選手たちの判断は、正解だったと思うし、実際、組織と個がハイレベルにバランスする組織サッカーで、何度も、スペースを攻略していたしね・・。

そんななかで飛び出した、中島翔哉のスーパーミドル弾だったというわけさ。

そう、それは・・

組織コンビネーションで、相手ディフェンスブロックの「ウラ」や、その中の「猫の額のような小スペース」を突いていこうとする「だけ」じゃなく・・

中島翔哉の先制ゴールや、ゲーム開始1分での、長友佑都から大迫勇也への「アバウトな放り込み」といった「エイヤッ!」の勝負「も」ブチかますなど、とても効果的な「仕掛けの変化」だと感じたわけさ。

そんな「変化」を、効果的に繰り出していけば、相手守備は、もっと「開く」はずなんだよ。

また・・

その「変化」という意味では、このゲーム環境(アウェーや自然条件)では、より「個の勝負」を前面に押し出す方が、ゲーム戦術的には正解だったのかもしれない・・

いや、実際に・・

前線カルテットだけじゃなく、両サイドバック、またスーパーなダブルボランチも、タイミングのよい「個の勝負」は仕掛けていったし、それでゴール機会も創り出していたよね。

でも、ここまで書いて・・

ハッと、まったく違う視点の「思い」がアタマを駆けめぐったんだ。

・・もしかして、いまのオレって、結果「だけ」を受けたコラムを書いているんじゃネ〜かっ!?・・

・・日本代表は、組織プレーで「仕掛けの起点」を演出し、そこから、しっかりとドリブル勝負で大きなチャンスを創り出していたじゃないか・・

・・そう、組織と個のバランスでも、とても良い内容だったんだ・・

・・中島翔哉だって、「その後」は、何度も、同じようなカタチからのミドル弾をブチかましていたしね・・

・・要は、森保一ジャパンは、自分たちが志向する「カタチ」から、しっかりと「ゴール機会」を、創り出しつづけていたという「素直な評価」が正解だっちゅうことか・・

・・逆に・・

・・そんな決定的ピンチを、強烈な闘う意志をもって、「最後の半歩」を出しつづけながら守りきったミャンマー守備を賞賛すべき!?・・

まあ、そういうことなんだろうね。

とにかく、森保一ジャパンは、強烈なディフェンシブサッカーで勝負を仕掛けてきたミャンマーに対して、しっかりと「チャンス&ゴール機会」は創り出しつづけた・・というニュアンスが、フェアな評価だと思い直したっちゅうわけさ。

もちろん、細かなトコロじゃ、いろいろと反省するファクターはあるだろうけれど・・ネ。

最後に、日本代表における「歴代最年少デビュー」を飾った久保建英。

よかったですよ。

守備にしても、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションのコアプレーにしても。

まあ確かに、時間が足りないこともあって、その優れた組織コンビネーションで攻略したスペースで自らボールを持ち、そこからのドリブル勝負&スーパーシュート・・っちゅうエキサイトシーンは魅せられなかったけれど・・ネ。

とにかく・・

とても聡明な久保建英のことだから、「周りにチヤホヤされることで自分を見失う・・」なんていうバカなコトは起きないでしょ。

だから・・

そう、彼に対するホンモノの期待がふくらみつづけるっちゅうわけさ。

とにかく・・

アジア2次予選の初戦で勝利を収められたことは、素晴らしい成果だった。

そう、まさに、「美しい質実剛健サッカー」だった。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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