トピックス


2018_天皇杯・・レッズにとって、とても価値ある学習機会ではあった・・(レッズvsYSCC、3-0)・・(2018年6月6日、水曜日)

・・難しいゲームだった・・

・・相手のYSCCは、事前に数試合をチェックした・・とても頑張るチームだ・・

・・彼らは、しっかりとまとまり、最後まで走り、闘いつづける良いチームなのだ・・

・・だからこそ価値のある勝利だった・・レッズは、最後の最後まで、しっかりと努力した・・

サスガだね〜、オズワルド・オリヴェイラ。

戦術プランだけじゃなく、YSCCがブチかます強烈なプレッシングサッカーを受け止め、自分たちのゲームの流れへもっていくための心理マネージメントも、効果的に遂行していた。

実は、少し心配していたんだ。

プロコーチ樋口靖洋が率いる「YSCC横浜」は、オズワルドが言うように、最後の最後まで意志が途切れない、(局面デュエルの内実が抜群の!!)とても良いチームなんだ。

このことについては、先週金曜日にアップした、この「J3コラム」も、ご参照あれ。

そこでも書いたけれど、樋口靖洋は、とても良い仕事をしているんだよ。

だから、もしこの試合でレッズが、YSCCを甘く見たら、とんでもないことになる(・・まあ、それは私にとって貴重な学習機会でもあるわけだけれど・・)なんて思っていたんだ。

そして案の定・・

そう、ゲームの立ち上がり3分ほどは、YSCCがレッズを攻め立てたんだよ。

前からの、それぞれの守備アクションが効果的に「連動しつづける」組織ディフェンスが、殊の外うまく機能しつづけたんだ。

そんな、抜群にダイナミックなサッカーを観ながら、「・・レッズは、受け身のサッカーという心理的な悪魔のサイクルに捕まってしまうのか・・!?」なんて心配していたというわけさ。

でも・・

そう、3分も経たないうちに、レッズのプレー志向が、どんどんとアクティブになっていったんだ。

私が、冒頭で紹介したオズワルドの発言によって、その「盛り返しプロセス」に合点がいったのも頷(うなづ)けるでしょ。

いつも書いているように、サッカーは、すべてが、ディフェンス(ボール奪取プロセス)の内実によって決まるものなんだよ。

レッズのプレー志向・・

もちろん、それも、攻守ハードワークの高揚をベースにした、守備での効果的な局面デュエルと、周りの効果的な「連動性」の積み重ねっちゅうわけだ。

そして、それをベースに、徐々にレッズが、ゲームの主導権を掌握していったというわけだ。

とはいっても・・

そう、レッズは、YSCCがブチかます、「極限の闘う意志」をベースにした忠実な連動ディフェンスを簡単には崩し切れない(スペースを攻略し切れない・・)んだよ。

たしかにチャンスの「流れ」は、繰り返し、創りだしはする。

ただ、その流れを、実際の「ゴール機会」にまで高めていくことが、ままならないんだ。

そんな、フラストレーションが溜まりそうな展開がつづくなかで、コトが起きてしまう。

そう、YSCCのオウンゴール(前半34分)。

それだけではなくレッズは、前半ロスタイムには、それまでの最高の攻めの流れから、完璧な「ゴール機会」を演出するんだ。

結局は、相手のハンドを誘発してPKを獲得し、それを興梠慎三が冷静に決めることになった。

でも私は、完璧にYSCC守備ブロックのウラスペースを攻略したことを考えれば、そのゴールを、「流れのなかで相手ディフェンスを崩し切り、スペースを攻略し切った素晴らしいゴールだった・・」とすることに躊躇(ちゅうちょ)しませんよ。

とはいっても・・

たしかに後半にも、何度かはチャンスの流れを演出したし、そのなかには、「トントント〜ン」ってな、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションを機能させるような美しいチャンスメイクシーンもあったよね。

でも、まだまだ、仕掛けの流れイメージが、その流れに参加する選手たちのなかで「明確にシェアされていない」とも感じるんだよ。

要は、シュートへつなげるための当面の目標イメージである「スペースの攻略プロセス」が、まだ、うまく機能していない・・っちゅうことだね。

というわけで・・

三日後の土曜日に埼スタで行われる、「ルヴァンのリターンマッチ」が、チト心配になるのさ。

何せ、ヴァンフォーレ甲府の監督は、「あの」上野展裕だからね。

わたしは第一戦を観ていないけれど、信頼する方の情報によれば・・

・・(強烈な意志ベースの!?)堅牢なディフェンスブロックは素晴らしく、そこから繰り出されるカウンターは、何人もが全力で飛び出していくこともあって、とても、とても危険・・

・・アウェーマッチでのレッズは、そんなヴァンフォーレのサッカーに完璧に「ハメられ」て、ほぼノーチャンスだった・・等など・・

まあ、どうなるか分からないけれど、とにかく今から、W杯までの日本での最後のゲームを、心から楽しみにしている筆者なのであ〜る。

へへっ・・


============

最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


===============

 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

==============

 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





[ トップページ ] [ Jワンポイント ] [湯浅健二です。 ]
[ Jデータベース ] [トピックス(New)] [ 海外情報 ]