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2017_J2_第31節・・この悔しい引き分けは「次」へのジャンプ台!・・(ベルマーレvs横浜FC、2-2)・・(2017年9月2日、土曜日)

チョウ・キジェ監督が、悔しがっていた。

この、チョウさんの「情緒」に関するニュアンス表現が、正しいかどうか、イマイチ定かじゃないけれど、とにかくチョウさんは、何かを悔いていたのは確かだったと思う。

では、何を・・??

それは、多分、こんなニュアンスの悔い・・

「2対0」とリードした後、前掛かりに攻め上がってくる横浜FCの仕掛けを効果的に抑制し、そこから、カウンター的なプロセスの素早く危険な攻撃をブチかますベルマーレ。

それが、何度かハマりかけたんだ。そのチャンスが決まっていれば3点のリードということになる。

でも、決められない・・

そんな勝負の流れのなかで、チョウさんが選手交代に動いたんだよ。

それが、結果として、悔いの残る「心理マネージメント」になったということらしい。

チョウさんは、この選手交代によって、3点目を奪いにいくということで、チームのマインドを統一させられなかった・・と、悔やんでいたんだ。

・・そこからの「サッカーのやり方イメージ」を、チームのなかで共有させられなかった・・そのことが、結果として、同点という結果につながってしまった・・

・・もちろん、いくら監督が、チームのマインドを統一させようとしたって、いつもそれがうまくいくわけじゃありません・・

・・基本的に選手たちは、それぞれの瞬間に、主体的に状況を認識し、決断して、勇気をもって行動できなきゃいけないわけですからね・・

・・そうそう、わたしは、選手たちを、しっかりと考え、勇気をもって行動できるように(心理的に)マネージしているつもりなんですよ・・

チョウさんは、そんなニュアンスの内容をコメントしていたっけ。

選手たち全員が、主体的に、攻守ハードワークとリスクチャレンジ姿勢を高みで安定させるなかで、一つの、攻守にわたる「サッカーのやり方(志向)イメージ」を明確に共有する・・

それがチーム作り(チーム戦術構築)の基本ではある。

でも、ゲームと勝負の展開が、嵐のなかの箱船のように大きく揺れ動くなかで、その時点と状況でもっとも相応しい「サッカーのやり方(志向)イメージ」を明確に共有する(させる)のは、たしかに、簡単じゃないよね。

フムフム・・

要は、選手交代によって、本来のチョウさんの意図とは違ったカタチで、選手たちのプレー姿勢(マインド)から「統一感」が失われてしまった・・ということなんだろうね。

まあ、仕方ない。

チョウさん自身も言っていたように、人は失敗からしか学べないし、今日のようなコトは、貴重な学習機会(体感)コンテンツとして確実に「次」につながるサ。

とにかく、チョウ・キジェ監督は、ホントに素晴らしい仕事をしていると思うよ。

毎年、「才能」を他のクラブに取られてしまっても、次々と新しい「顔」を創りだしちゃう。

そして、まさに「統一感」あふれる、攻守ハードワーク満載のエキサイティングサッカーを展開しちゃうんだ。

そう、彼もまた、「美しく勝つサッカー」を志向しているんだよ。

だからこそ、選手たち自身も楽しめるからこそ(!!)、自分たち主体で、積極的に、その路線に「乗ってくる」。

そう、攻守ハードワーク満載の、主体的なリスクチャレンジサッカー。

このゲームでも、人とボールが、本当に素晴らしいリズムで「動き」つづけていた。

だから、何度も、横浜FC守備ブロックのウラに広がる「決定的スペース」を攻略しつづけた。

この日の横浜FCと比べたら、攻撃プロセス(ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーション等)のクオリティーという視点で、ベルマーレに、一日以上の長があったと思う。

それほど、「人とボールの動きのリズム」という視点で、ベルマーレは秀でていたんだ。

多分その差は、横浜FCに、イバとレアンドロ・ドミンゲスという世界レベルの攻撃プレイヤーがいることに「も」起因しているんだろうね。

私は、例によって、特別な「才能」を、組織的なサッカーにとっての「諸刃の剣」と考える。

たしかに、この試合でも、イバにしても、二つのゴールを決めたレアンドロ・ドミンゲスにしても、ボールを持ったら、とても危険な選手だった。

でも・・

彼らは、基本的に、「自分たちで勝負を決めちゃおう」とし過ぎるんだよ。

だからボールを「こねくり」回す。そう、ボールの動きの停滞。

そこに、ベルマーレの「協力プレスの輪」が襲いかからないはずがない。

ゲーム立ち上がりでは、何度か、やられちゃう場面もあったけれど、時間の経過とともに、彼らの個人勝負を、より効果的に抑えられるようになっていった。

そして、そのことで、「その場」でボールを奪い返したり、追い詰められた彼らが出す「逃げのパス」をインターセプトしたりで、効果的にボールを奪い返せるようになっていったんだ。

そして、そんな守備イメージのツボにはまった効果的なボール奪取から、抜群に危険なカウンターをブチかましていくっちゅう寸法さ。

あっと・・

もう一つ、横浜FCが抱える「諸刃の剣」という視点。

それは、FC横浜の「周りの」チームメイトたちが、とても気を遣いながら、この二人にパスを出そうとし過ぎていた・・という仮説。

だから、ボールが、軽快なリズムで動かない。

だから、ベルマーレ守備に、パスやボールキープを簡単に狙われてしまう。

イバにしても、レアンドロ・ドミンゲスにしても、バス&ムーブは、自分がリターンパスを受けられるときに「だけ」忠実に走るだけだよね。

要は、前述したように、彼らの汗かきアクションは、常に「自分が主役のときだけ」っちゅうわけさ。

それじゃ、相手ディフェンスは狙いやすいし、チームメイトたちにしても、流れるようなコンビネーションの流れを創りだせるはずがない。

まあ、そんな、こんなで、人とボールの動きベースのスペース攻略とチャンスの量と質という視点じゃ、「雲泥・・」に近い差があったと考えている筆者なのだ。

最後にもう一度。

あのレベルの選手たちをして、よく、こんな素晴らしい組織サッカーが出来るチームにまでまとめ上げた・・なんて、チョウ・キジェに対して、感嘆しきりの筆者だったのであ〜〜る。

あっと・・

「あのレベルの選手たち・・」という表現については、「異論・反論・オブジェクショ〜〜ンッ!!」ってなコトになりそうだけれど、これについては、まだ本物のブレイクスルーを果たせていない、「無限のキャパを秘めた若武者たち・・」っていう風にご理解くださいネ。

へへっ・・


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ところで・・

チト唐突ですが、知り合いのジャズシンガー、宮崎友紀子さんを紹介させてください。もう、ホントに素晴らしいソウルフルヴォーカリストです。

以前、あるキャフェライブで聴き、いっぺんにファンになったのですが、その宮崎友紀子さんと、偶然、友人のガーデンパーティーで再会したんです。

彼女については、このページあのページを参照してください。

私がコンサートで聴いたのは「ボサノバ」だったけれど、本当に心に染みわたりましたよ。

その宮崎友紀子さん。私の友人で、日本を代表するベーシスト(コントラバス奏者)藤原清登さんともコラボしたらしい。知らなかった。

 藤原清登さんだけれど、あるライブで彼女のヴォーカルを聴き、すぐに「いいですネ〜・・よければ、今度セッションを組みませんか・・」と、オファーしたんだそうな。

「あの」藤原清登だからね、宮崎友紀子さんの実力については推して知るべし・・だよね。

ということで、彼女の最新アルバムのカバー写真も載せておきます。

また、ギタリスト&シンガー(&パーカッション&マウス・トロンボーンなどのマルチ音楽家)として活躍するホブソン・アマラウさんとのコンビがパフォームするYouTube動画へも「リンク」を張っておきま〜す。

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あっと・・

私が愛用しているウエストポーチやバックパック。それについて何人かの方々に質問されたんですよ。それは、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」

ちょっと、プロモートさせてくださいね。

この方は、某有名メーカーのチーフデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードが散りばめられた「METAS」

とてもシンプル。でも、その機能性は、もう最高。お薦めしまっせ。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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