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2017_EAFF(ハリルJ_2)・・粘りの勝利に乾杯!・・でも、勇気ベースの「動きのダイナミズム」という課題は変わらずだった・・(日本代表vs中国、2-1)・・(2017年12月12日、火曜日)

さて、どのように書きはじめようか・・

まあ、まずは、日本代表のサッカーが良くなかったという事実を反芻する必要があるよね。

それは、まさに、北朝鮮との初戦の再現・・ってな感じだった。

でも今回は、それ以上に、途中からサッカー内容を好転させられるような「刺激プレイヤー」がいなかったという意味合いで、もっと厳しいゲームだったと言えるかもしれない。

サッカー内容の好転・・

その第一義的なポイントは、仕掛けプロセスにおける、人とボールの「動きのリズム」のアップということだろうね。そう、コンビネーションで、スペースを攻略していくために。

守備は安定していたし、全体的なゲームのイニシアチブは日本が握っていたわけだから。

人とボールの動き(そのリズム)。それをアップさせるためには、何といっても、ある程度の人数が必要になってくる。

そう、勇気をもったバックアップ(サポート)のアクションが十分ではなかったんだ。

だから、仕掛けの流れのなかで、ボールホルダー(次のパスレシーバー)が孤立し、1対1の勝負に入っていくかバックパスで「逃げるか」するしかない状況に追い込まれてしまう。

そうなったら、フィジカルの強い中国に分があるのは衆目の一致するところでしょ。

とにかく日本は、攻守にわたって、究極の組織サッカーを志向していかなきゃいけないんだよ。

もちろん、個人的な才能が豊富ならば、その志向ベクトルは少しずつ変容させられる。

でも、「本物のドリブラー」が足りない日本が世界と抗していくためには、やっぱり、攻守にわたって、できるだけ数的優位なカタチを作りつづけるためのハードワークを絶対的な発想ベースにする組織サッカーが、もっとも現実的なんだよ。

もちろん、(ショート)カウンターをブチかますコトも含めてネ。

このゲームで「も」、北朝鮮とのゲーム同様に、そのサポート(攻守ハードワーク)が、少し貧弱だったんだ。

勇気が足りない!?

まあ、そうとも言えるかネ。

(しつこいけれど・・)ドイツの哲学者ニーチェの言葉を繰り返しますよ。曰く・・

・・名声を失ったら、創りなおせばいい・・金を失ったら、稼ぎなおせばいい・・でも勇気を失ったら、生まれてきた意味がない・・

フムフム・・

日本が(攻撃において)よい流れを創りだせているときは、かならず、十分なサポートがある。

だから、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションが、うまく機能する。

だから、中国選手とのフィジカルコンタクトを最小限に抑えながら、スペースを攻略していける。

でもこの試合では、そんなシーンが少なすぎた・・っちゅうわけさ。

彼らならば、もっと、もっとできるはず。

そのことについては、確信している筆者なのだ。だからこそ、「タラレバ」ニュアンスの(悔しさベースの!)恨み節も出てくるっちゅうわけなのだよ。

ところで・・個人的な印象だけれど・・

ケガで交替するまでの大島僚太は、とても効果的に仕掛けの流れをコンダクトできていた。

だから、彼の途中退場は、とても残念だったね。

また、北朝鮮戦では、ゲーム途中から交替出場し、「刺激プレイヤー」として抜群の存在感を発揮した伊東純也。

でも子のゲームでは、マルチェロ・リッピのゲーム戦術によって(!?)、彼の得意のカタチは、かなり抑えられ気味になってしまった。

まあ、とはいっても、部分的には、彼本来の存在感は発揮できていたよね。

それこそが、彼の、勇気あふれる「自己主張クオリティー」の為せるワザだったということか。

そんな彼に対する期待は、膨れ上がるばかりだね。

また同様に、この2試合にフル出場した小林悠も、抜群のクオリティーを発揮した。

証明したシュートの巧さには定評があったけれど、今シーズンの彼は、「軽さ」とは無縁の「泥臭いディフェンスデュエル」や、粘り強いボールキープ、決定的コンビネーションの起点などなど、プレーの幅が大きく広がったと思う。

まあ、自信と確信に裏打ちされた「ホンモノの覚醒」ってな表現もできそうだね。

もちろん、バイードも誉めていたように、誰もが、今野泰幸の、攻守にわたる安定したパフォーマンスには感嘆していたはずだよ。

その簡単に加えて、私は、感謝もしていたよ。

ということで締めだけれど・・どうだろうね・・

コラムの全体評価ニュアンスが、ネガティブに振れ「過ぎて」いるだろうか・・!?

とにかく、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションを駆使した「スペース攻略シーン」が少なすぎたことで、フラストレーションばかりが溜まったコトだけは確かな事実だったんだよ。

あっ、忘れた。

井手口陽介・・

言うまでもなく彼は、日本を代表するプレイヤーに育っている。

この試合でも、攻守にわたって、素晴らしい「仕事を探す姿勢」を魅せつづけた。

それだけじゃなく、何度も、強烈なミドルシュートまでブチかました。

結局、味方や相手に当たって成就しなかったけれど、そのシュートアクションと弾道には「アジアを超越するニオイ」がプンプンだった。そう、まさに「世界」を彷彿させる本格感。

ということで、最後に・・

マルチェロ・リッピが、思わず洩らした「本音」!?

中国代表の監督に就任してから、ほぼ一年が経つ彼だけれど、いまは、2022年W杯を見据えたチーム作りに励んでいる。

その彼が、チーム作りの(プランの)内容を話していたとき、思わず(!?)ヨーロッパとは違う、文化的なバックボーンにまで言及したんだ。

その発言があったから、「文化」というテーマも含めて、宇都宮哲壱が、これからの中国チーム強化について質問したんだよ。

それに対してリッピは、「文化」というニュアンスには全く触れず、若手の育成など、単に、アドミニストレーション的な(表面的な!)内容のコメントに終始したんだ。

私が言いたかったことは・・

不確実なファクターが山積みのサッカーだからこそ、さまざまな意味合いを内包する、本当の意味の「相互信頼と相互扶助」こそが、良いチームになるための絶対的ベースだということさ。

その相互信頼には、自己犠牲とか、利他主義的な発想など、さまざまな「心からの協力姿勢」が含まれるんだよ。

だからこそ、サッカーコーチには、生活文化の内実までも踏み込んだ分析と、それをベースにした心理マネージメントにも尽力しなきゃいけない。

その視点で、もしかしたらリッピは、ヨーロッパでは経験したことのない「文化的な苦労」を強いられているのかもしれない・・なんて思ったわけなのだよ。

考えすぎだろうか・・??

へへっ・・

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ところで・・

私の、とても近しい友人である「カーラ・ライフ」さんが経営する、鎌倉にある「シーキャッスル」というドイツレストラン。

今年、実に「60周年」を迎えたんだよ。

そのシーキャッスルについては、HPはないから、「このページ」や、「あのページ」「こんなページ」、またご自分で検索されたページなどをご参照あれ。そのインプレッションでは、「カーラ」が、とても丸くなっているっちゅうことだけれど・・へへっ・・

また、カーラについては、「My Biography」シリーズでも書いたっけね。

彼女が登場するコラムは、こちら(その1その2その3)ですかね。

とにかく機会があったら、是非、カーラのところで、ドイツ料理に舌鼓を打ってください・・ネ。

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ところで・・

チト唐突ですが、知り合いのジャズシンガー、宮崎友紀子さんを紹介させてください。もう、ホントに素晴らしいソウルフルヴォーカリストです。

以前、あるキャフェライブで聴き、いっぺんにファンになったのですが、その宮崎友紀子さんと、偶然、友人のガーデンパーティーで再会したんです。

彼女については、このページあのページを参照してください。

私がコンサートで聴いたのは「ボサノバ」だったけれど、本当に心に染みわたりましたよ。

その宮崎友紀子さん。私の友人で、日本を代表するベーシスト(コントラバス奏者)藤原清登さんともコラボしたらしい。知らなかった。

 藤原清登さんだけれど、あるライブで彼女のヴォーカルを聴き、すぐに「いいですネ〜・・よければ、今度セッションを組みませんか・・」と、オファーしたんだそうな。

「あの」藤原清登だからね、宮崎友紀子さんの実力については推して知るべし・・だよね。

ということで、彼女の最新アルバムのカバー写真も載せておきます。

また、ギタリスト&シンガー(&パーカッション&マウス・トロンボーンなどのマルチ音楽家)として活躍するホブソン・アマラウさんとのコンビがパフォームするYouTube動画へも「リンク」を張っておきま〜す。

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あっと・・

私が愛用しているウエストポーチやバックパック。それについて何人かの方々に質問されたんですよ。それは、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」

ちょっと、プロモートさせてくださいね。

この方は、某有名メーカーのチーフデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードが散りばめられた「METAS」

とてもシンプル。でも、その機能性は、もう最高。お薦めしまっせ。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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