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2016_EURO・・今回もドイツは強いぜ・・そう(ドイツ的な!?)トータルフットボール・・(ドイツvsウクライナ、2-0)・・(2016年6月14日、火曜日)

いいネ〜、ドイツ。

コパ・アメリカで、「あんなカタチ」でブラジルが姿を消してしまったこともあって、これからはユーロを中心に、適時コラムをアップしていこうと思った次第。

もちろん、私の(サッカー的な!)第二の故郷であるドイツの調子(フォーム)が、高みで安定していることもありますよ。

彼らは、創造的で忠実な「攻守ハードワーク」を絶対的なベースに、組織プレーと個人勝負プレーが絶妙な高質バランスを魅せつづける。

そう、いつもながらの美しいトータルフットボール。わたしは、そんなドイツ代表に、アイデンティティ(誇り)を感じていました。

今回のトーナメントでも、スペイン、イタリア、イングランド、フランスといった強豪がライバルになるでしょ。今から、彼らとのせめぎ合いが楽しみで仕方なくなるじゃありませんか。

それにしても、ドイツの「人とボールの動きの量と質」は、素晴らしい。

彼らの高質サッカーについては、新連載「The Core Column」で、以前、「こんなコラム」を発表したから、そちらもご参照ください。

そのコラムには、日本のプリントメディアで発表した、「ドイツサッカーの光と影」というタイトルの長〜いコラムへ飛べる「リンクボタン」も付けてあります。

また、2014ブラジルW杯でアップした「決勝コラム」も、とてもエンスージアスティックに書けていた(だから今読み返しても楽しめる!?)と自画自賛する筆者なのですよ。へへっ・・

あっと・・その決勝だけれど・・

私は、試合後、リオ、マラカナンの記者席でコラムを書きつづけていました。

そんな折、タイムアップしてから1時間くらい経ったタイミングでしたかね、閑散としたスタジアムでビックリすることが起きたんだ。

私は、コラムを書きながら、「あらら・・ドイツからの団体サポーターは、まだ残って余韻を楽しんでいる・・」なんて、チラチラと、観客席の一角に陣取ったドイツサポーターに目をやっていた。

そしたら・・

そうなんだよ。シャワーを浴びて着替えたドイツ代表チームが、ほぼ全員、再びグラウンドに姿を現したんだ。

そして、その観客席の一角に近づいて芝生に腰を下ろし、彼らと交流しはじめたんだよ。

とても、心温まる光景だった。

私は、そんなハートウォーミングシーンを見つめながら、そのブラジル大会でドイツが成した、個人とチームの「歴史的な成果」に思いを馳せていた。

歴史的な成果。

もちろん、ドイツが展開したトータルフットボールの「量と質」という、戦術的な成果にも注目しなきゃいけないけれど、それは、あくまでも主観的なモノだから・・さ。

そうではなく、ドイツは、「数字」でも、確固たる金字塔を打ち立てたんだ。

その一つは、南米の大会で、はじめて欧州チームが優勝したこと。そしてもう一つが、ミロスラフ・クローゼが、歴代ゴールゲッタータイトルを、「怪物」ロナウドから奪い取ったこと。

長くサッカーをやっている筆者だから、そんなコトにも目がいってしまうんだよ。

あっと・・。今大会でのドイツというテーマだった。

この試合の相手は、とても強いウクライナ。

ソ連(USSR)当時においても、ディナモ・キエフとソ連代表の監督を務めたスーパープロコーチ、ヴァレリー・ロバノフスキーも含め、彼らが国家代表の中心だった。

そんな強いウクライナが相手だったからこそ、ドイツが展開する、とてもスマートで力強いサッカーが目立ちに目立っていたっちゅうわけだ。

基調は、もちろん組織サッカー。

守備では、素晴らしい連動アクションが「有機的」にリンクしつづけることで、とても効果的にボールを奪い返しつづける。

攻撃では、言わずもがなの、ダイレクト(パス)コンビネーションを基調にした「人とボールの動き」に目を見張る。

とにかく、基本的なポジションはあって無きがごとし・・なんだ。

まあ、マリオ・ゲッツェとエジルは、取り敢えず、最前線の前後センターコンビという設定。また左サイドには天才ドラクスラー、右サイドはトーマス・ミュラー。

そのカルテットの後方には、トニー・クロースとケディーラのダブルボランチが控える。

そんな攻撃のコアグループに、もちろん両サイドバックも、ガンガンと躍動する。

そこでの前後のカバーリングの機能性が素晴らしい。

素晴らしい「守備意識」がベースにあるからこその、破壊的な「タテのポジションチェンジ」ってな具合。

たしかに彼らは、組み立ての初期ステージでは、そんな基本ポジショニング(基本タスク)からスタートするけれど、勝負の流れがスタートした途端に、まさにポジション無しってな具合に、クルクルとポジションを入れ替えちゃうんだ。

もちろん後方のゲームメイカー、トニー・クロースと、前のチャンスメイカー、エジルを中心にしてね・・。

あっと・・、このコラムで強調したいコトがあったんだっけ。それは・・

そう、この試合でのドイツ代表が、まさに「ゼロ・トップ」というイメージでゲームに臨んだということなんだ。

典型的なワントップ要員としては、マリオ・ゴメスがいる。でもヨハヒム・レーヴは、この試合をゼロトップで臨もうと決めた。

だから、とても興味深く、彼らのサッカーを観察できた。

もちろん、ハリル・ジャパンとの対比という意味合いでも・・ネ。

そのトレンドは、言わずもがなの、全員守備、全員攻撃というトータルフットボール。

ドイツとスペインは、まさに、そのトレンドを引っ張る牽引車というわけだ。

スペインも順調に勝っているし、とにかく、「EUROの今後」が楽しみで仕方ない。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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