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2016_ACL・・レッズがブチかました質実剛健ディフェンス・・まさに勝者メンタリティーの為せるワザ!?・・(レッズvsソウル、1-0)・・(2016年5月18日、水曜日)

宇賀神友弥。

彼は、この試合での「MOM」に選ばれたことで、ミハイロと一緒に会見にも臨んだ。

でも、「アレ」をゴールとして語るのは、そう簡単じゃない。へへっ・・

でも、ミハイロが、冗談めかしに、「あのゴールは完璧にイメージ通りだった・・我々は、トレーニングでいつも練習しているんだよ・・」なんて、笑いながら挑発するんだよ。

だから宇賀神友弥も、ちょっとだけ乗って、「そうです・・イメージ通りの素晴らしいゴールでした〜・・」なんて・・ネ。

まあ、そんな「ジョーク前振り」の後は、真面目に、「アレは、クロス崩れだった・・」などと、真摯に解説したのだけれど、その最後を、こんなニュアンスの内容で締めたんだ。曰く・・

・・たしかに偶発的なゴールだったかもしれませんが、あの状況では、私の動き出しが少しでも送れていたら、ボールにも触れなかったわけですよね・・だから、少なくとも、あの動き出しだけは評価して欲しいで〜す・・

私は、その締めの言葉に、いたく感動させられ、こんなコトを考えていた・・

・・あんな、ちょっと冗談めかした雰囲気のなかでも、最後は「戦術的な真理」で締めちゃう・・先日の武藤雄樹のコメントも素晴らしかったけれど、まあ、大したモノじゃないか・・

だから、ミハイロに、こんな質問を投げた。

・・宇賀神友弥が放った締めの言葉からは、ミハイロさんの、優れた戦術&心理マネージメントによるイメージ創りの成果が、うかがい知れるのだが・・

そして、その質問が、ミハイロの「ボタン」を押しちゃったようで・・。

そこからミハイロが、語る、語る。

・・タイミングの良い動き出しにこそ、パスを呼び込むという視点でも、レッズの組織サッカーの真価が秘められている・・オレは、そのイメージを高揚させることに、今でも奔走しているんだ・・

・・レッズの対戦相手は、守備ブロックを固めてくる・・だからこそ、そんな強化守備をどのように崩していくのかというテーマに取り組まなければいけない・・

・・もちろんそこでは、ボールがないところでの動きの量と質が問われる・・だからこそ、日常での反復トレーニングが重要な意味をもってくるんだ・・

・・だからこそ、選手たちが、主体的に考え、勇気をもって実行していく(リスクへもチャレンジしていく)というプレー姿勢を高めていくことが大事なんだ・・

・・またそこでは、コンビネーションの機能性メカニズムを、チームの全員が深く理解し、共通のイメージをもてるようになることも重要だ・・

・・そして、主体的に考え、強い意志と勇気をもって実行していくというプレー姿勢がチーム全体に浸透していく・・それが、チーム作りにおいて何よりも重要なコトなんだよ・・

・・等など、ミハイロのハナシは、止まらない。

それはそうだ。そんな組織サッカーこそが、ミハイロが志向する、もっとも重要な攻撃のチーム戦術コンセプトなのだから・・。

このテーマについては、新連載「The Core Column」において先日アップした「このコラム」をご参照ください。

そこでは、3人目、4人目のフリーランニング(動き出し!)がメインテーマ。また、「優れたサッカーは、クリエイティブなムダ走りの積み重ね・・」なんていうキーワードも紹介しました。

あっと・・

ちょっと、宇賀神友弥のコメントから派生し展開した、組織サッカーのエッセンス・・なんていうテーマへと脱線し過ぎてしまったかも。スミマセン。

ということで、遅ればせながら、このゲームでの、もっとも重要なテーマに入っていきます。

それは、レッズが魅せつづけた「粘りのディフェンス」。

たしかにレッズは、後半が押し詰まってからのソウルのパワープレーに、少し「押し込まれ気味」にはなった。でも、決して安易に、ソウルにシュートを打たせることはなかったんだよ。

たしかに、効果的なチャンスの流れは、何度かは創りだされたけれど、それでもレッズの強者どもは、ソウルのパワフルな仕掛けに動じることなく、粘り強く、そして強烈な意志と勇気をもって、「最後の半歩」まで、しっかりと足を伸ばしていたんだ。

そう、局面勝負での、ガチンコのせめぎ合い(ボールをめぐる競り合い)と、最後の瞬間に、しっかりと足を出して、シュートや決定的パスを止められるかどうか・・というテーマ。

このテーマについては、これまた新連載「The Core Column」で、かなり前に発表した「このコラム」を参照してください。

ところで、局面での強烈なぶつかり合い(ボールをめぐるガチンコの競り合い!)というグラウンド上の現象。

そういえば、昨日のコラムでも、それがテーマだったよね。

とはいっても、この試合での局面勝負シーンでは、より、戦術的に高度なスキルやイメージが駆使されていたと思う。

そう、ガチンコの「フィジカル衝突」だけじゃなく、戦術的な「読み合い」や「だまし合い」が、とてもスマートに展開されていたと思うんだよ。

だから、観ているこちらも、とても楽しめたし、手に汗握らされた。

いやホント、それは、戦術的にも、とても高度なせめぎ合いだったと思う。

FCソウルの、外国人プレイヤーと韓国選手たちは、とても優秀だし、強烈な闘う意志も持ちあわせているからね。

だからこそ、そんな強い相手と対峙したレッズが、しっかりと勝ち切れたことに、心からの賞賛をおくるわけだ。

いや、ホントにレッズは、素晴らしい闘いを魅せることで「強さ」を体感させてくれた。

そこで体現されていたのは、本物の「勝者メンタリティー」そのものだったんじゃないだろうか。

こんなシーンがあった。

それは、槙野智章のタックルを「すり抜けられ」、そのままセンターゾーンで決定的なフリーのドリブルをブチかまされるというピンチシーンだった。

でも、そこで、全力スプリントで戻ってきた槙野智章が、スマートにボールを奪い返してしまったんだよ。

私は、そんなスーパーな忠実汗かきハードワークをを観ながら、自然と、勝者メンタリティーというキーワードに思いを馳せていたのであ〜る。

へへっ・・

とにかく、来週のアウェー勝負マッチが、楽しみで仕方ありません。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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