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2011_WM予選_例によって、色々なテーマを、箇条書きでピックアップしました・・(日本代表vs北朝鮮、1:0)・・(2011年9月2日、金曜日)

フ〜〜・・いま自宅にたどり着いた。夜中の0030時。これから書きはじめます。

 ということで、例によって、テーマを絞り込み、箇条書きにします。ご容赦アレ・・

■ギリギリの勝負マッチを勝ち切るために何がもっとも重要なファクターか?・・というテーマ・・

 アルベルト・ザッケローニさんに、こんなことを聞いた。

  「先ほど監督は・・内容からすれば、当然の結果だったわけだが、我々が、最後まで我慢して待ちつづけなければならなかったことも事実だった・・これからの試合でも、強化ディフェンスという難関に直面するだろう・・ただこの試合については、その困難は想定内だったし、90分以内では勝つという確信があった・・と、言われました・・そこで質問です・・このような困難な勝負マッチを勝ち切るために、何がもっとも大事な要素なのでしょうか?」

 「勝ち切るためのバックボーンは、90分内で、相手よりも多くのチャンスを作り出せるチームであるということだ・・この試合でも、攻守ともに日本の方が格上だった・・だから、いつかは(勝ち切るための)チャンスが『来る』という確信があった・・」

 ザッケローニさんは、あくまでもロジカルな言い回しだったけれど、その行間を読み取れば、攻守にわたって相手を『本当の意味で凌駕できていれば』、選手やベンチの確信レベルが極限まで高まるはず・・その確信こそが、ギリギリのリスクチャレンジを繰り出していく「強烈な意志」の絶対的なバックボーンなのだ・・ってなニュアンスに落ち着くだろうね。フムフム・・

 私は、イタリア人の伝統とも言える「勝負強さ」の核心を聞きたかったわけです。これからも、「ザッケローニ」という研究テーマを持ちつづけることで、勝負を勝ち切るための「何か」というテーマを突き詰めていきますよ。そう・・勝者メンタリティーの本質ファクター!?

■選手交代が的を射ているというテーマ・・

 ・・交替出場したハーフナー・マイクと清武弘嗣・・この二人とも、最後の時間帯での「勝ちにつながった攻勢」に大きく貢献した・・

 ・・マイクは、相手ディフェンスを引きつけることで「周り」のチャンスを広げただけじゃなく、自分自身でも何度かヘディングシュートを放ったり、味方へヘディングでつないだりした・・

 ・・そして、決勝ゴールのアシストを決めた清武弘嗣・・彼は、コーナーキックからパスを受けたとき、ゴール前の吉田麻也が、ある程度フリーになっていることを明確にイメージできていた・・だからこそ、素早いボールコントロールから、間髪を入れない(絵に描いたように正確な)勝負クロスを送り込むことができた・・鳥肌が立った・・

 ・・考えてみたら(帰りの電車のなかで大住良之さんに指摘されたのだけれど・・)、これまでザッケローニの交替は、そのほとんどが(全てが!?)成功したという見方もできる・・

 ・・前述の、ギリギリの勝負マッチを勝ち切るためのファクター・・もちろん、明確な戦術的意図(イメージ)を込めた「勝負の選手交代」も、その大事な構成要素だよね・・フムフム・・

■遠藤保仁に対するマークが厳しかった・・というテーマ・・

 ・・北朝鮮の監督さんに、こんな質問をしてみた・・

 ・・北朝鮮は、素晴らしい組織ディフェンスを展開したと思う・・そのなかで、もっとも重要なテーマは何だったのか?・・例えば、遠藤保仁をしっかりとマークするとか!?・・

 ・・そんな質問に対し、驚いたことに、北朝鮮の監督さんが素直に答えてくれた・・

 ・・日本チームでは、遠藤保仁が主軸だ・・だから遠藤をしっかりとマークするようにと指示した・・我々の選手たちは、ポジショニングやマーキングなど、最後の最後までしっかりと闘うことで、プラン通りの守備をうまく機能させたと思う・・

 ・・そう、遠藤保仁は、とても厳しくマークされていた・・サポートに上がっていこうにも、常に相手選手が付いてくる・・また前からも、相手ディフェンダーがチェックにくる・・

 ・・だから、この試合の遠藤保仁は、長谷部誠に、攻撃のリンクマン&チャンスメイカーを任せたのだと思う・・もちろん長谷部誠は、リンクマンという組み立ての仕事だけじゃなく、前戦を追い越してまでも(要はストライカーとして)攻撃の核心的な役割も果たしていた・・

 ・・特に後半・・そこには、日本が作り出したチャンスの多くが、右サイドをドリブルで突破する長谷部誠によって演出されたという事実があった・・前戦の選手は、相手の厳しいマークに遭っている・・だから、後方からの3人目、4人目の押し上げこそが仕掛けのキーポイントになる・・突破ドリブルでもコンビネーションでも・・

 ・・また長谷部誠は、後半の立ち上がりに、ドリブルで持ち込んで強烈なミドルシュートもブチかました(残念ながらGKの正面!)・・でも、そのシュートによって北朝鮮ディフェンスブロックが、そんな日本の仕掛けにも(イメージ的に)対応しなければならなくなった・・

 ・・とにかく、大人のダブルボランチは、ザックジャパンの、攻守にわたる完璧な「核」なのですよ・・大人だからね・・その時々の状況に応じて、クレバーに、そして創造的に対処しちゃうしネ・・ヤツら、ホントに大人だよね〜〜・・あははっ・・

 ・・これからも、相手チームは遠藤保仁をマークしてくるでしょ・・だからこそ、長谷部誠の役割(プレーイメージの柔軟な対応)が、とても大事な意味をもってくるっちゅうわけです・・フムフム・・

■日本代表が、目に見えて強くなっている・・というテーマ・・

 ・・立ち上がりの北朝鮮は、ホントに素晴らしい守備を展開した・・忠実でダイナミック・・ボールがないところで(日本選手のフリーランニングにも)決してウラを取られない・・とにかく、闘う意志のレベルが素晴らしい・・北朝鮮は、強豪だ・・

 ・・そんな北朝鮮に対し、日本の立ち上がりのプレーからは、ちょっと受け身のマインドが感じられた・・北朝鮮のディフェンスに、前へ押し上げる勢いを殺がれたとも言えるかな・・

 ・・ただ、時間の経過とともに、目に見えて日本のサッカー内容が好転していく・・日本が、しっかりとゲーム展開を「掌握」してイニシアチブを握りはじめるのですよ・・もちろん、その絶対的ベースは、堅実でクリエイティブな(互いの、ボール絡みやボールがないところでの守備イメージがうまく重なり合うような)組織ディフェンスが機能しつづける・・

 ・・また攻撃でも、ダイレクトコンビネーション(3人目の動きをミックス)、サイドチェンジ、タテのポジションチェンジを活用したサイドゾーンからの仕掛け等など、素早く、広い人とボールの動きをベースに、徐々に、堅実な北朝鮮ディフェンスを翻弄しはじめる・・

 ・・そして、決定的チャンスの量と質で北朝鮮を凌駕するのです・・

 ・・ゲーム立ち上がりに北朝鮮がブチかました、ダイナミックな(強烈に忠実でハードな!)守備プレーに驚いていたからこそ、北朝鮮を『実力で!』押し返し、ゲームの流れを掌握してしまった日本代表を頼もしく思った・・彼らは、日本のアイデンティティー(誇り)だ・・

 ・・今回のドイツでのサッカーコーチ国際会議でも、日本人である私への目線は、以前とは比べものにならないほどレスペクトに溢れるようになった・・なでしこジャパンと(男子の)日本代表、長谷部誠、香川真司や岡崎慎司、内田篤人といったブンデスリーガで活躍する日本人選手(もちろん、セリエの長友佑都に対しても!)に感謝・・

 ・・そんな日本に対するレスペクトだけれど、ホントに、隔世の感・・ほんの数年前までは、日本は、まったくモノの数にも入っていなかったわけだから・・

 ・・ということで、日本が、目に見えて強くなっているというテーマだけれど・・やはりサッカーは、究極の「意志のボールゲーム」というなのかもしれないね・・

 ・・ワールドカップをはじめとした(男女や年齢別も含む)国際的な大会での活躍・・日本選手のフットボールネーション・リーグでの活躍などなど・・とにかく今の日本サッカーには、確固たる「心理バックボーン」に支えられた自信と確信を感じるわけです・・

 ・・まあ、このテーマは、冒頭の「勝者メンタリティー」というディスカッションも含め、これからも深めていくことにします・・

■ということで、締め・・

 ・・今日は、もう限界・・また、機会を見てテーマ探しに入ります〜・・では、オヤスミナサイ・・

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 ちょっと話題は変わりますが・・。

 このところ、わたしが愛用しているウエストバッグやバックパックについて質問してくる方々が増えています。ということで、それを軽くご紹介することにしました。

 ブランドは、METAS(メタス)といいます。

 以前「サザビー」という有名ブランドのチーフデザイナーを務めていたわたしの友人が、10年前に独立して作り上げたプライベートブランド。その、痒(かゆ)いところにも楽に手が届くっちゅう感じの、実用的なアイデアが満載されたビジネスツールが、とても気に入ってます。

 METAS(メタス) が扱っているのは、わたしが愛用するウエストバッグやバックパックだけじゃなく、ショルダーバッグやハンドバッグ、はたまたボストンバッグやブリーフケース等もあります。

 全体的なデザインはオーソドックス(どこか懐かしいスタンダード・・というのがコンセプトらしい)だけれど、高質な材料の選択や、その素敵な組み合わせだけじゃなく、細かな気配りアイデアにも感嘆させられるスグレモノです。使い込めば込むほど(長寿もコンセプトの一環!?)、愛着がわいてくる。そして、安物とは違い、古くなればなるほど、素敵なチャック金具やおしゃれな裏地といった「細かなデザイン」が光り輝いてくる。

 ちょっと誉めすぎ!? まあ私は、メタスの哲学と、それを具現化したバッグ類を、とても気に入っているのですよ。

 様々なタイプのバッグを日々のアクションに活用している方々こそが、その細かな気配りアイデアを高く評価するに違いないと確信する筆者なのでした。ちょっと「押し」過ぎ!? あははっ・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 




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