湯浅健二の「J」ワンポイント


2025年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第35節(2025年10月26日、日曜日)

 

両ゲームでは、ホントに一人の例外もなく、全員が、主体的に、攻守の仕事(ハードワーク)を探しまくっていた・・まさに最高のプロサッカーのプロモーションだった・・(アビスパvsベルマーレ、1-0)(アルビレックスvsヴィッセル、2-2)

 

ギリギリまで、全力でせめぎ合った両マッチ・・

四チームは、それなりに「大きな」モティベーションを背景に、闘った。

ベルマーレは、勝たなければ、そのまま降格が決定する。

アビスパは、引き分け以上で「残留」を決められる。

ヴィッセルは、言うまでもなく、リーグ優勝を目指している。

そして、既に「降格」が決まっているアルビレックス・・

彼らの場合は、プロサッカー選手として、また立派な個人事業主(社会人)としての「意地」!?

そこでの、微妙な、実利的、そして、心理・精神的なバックボーン・・

それは、社会生活という心理ベースに鑑(かんが)みれば・・

ソコで全力を出し切るコト・・

それは、自分自身の、社会的(家族的!?)な価値(意地)を懸けた闘いとも言えるかもしれない。

ということで、今日は、両マッチを、そんな視点で、体感することにしたっちゅうわけだ。

そして観はじめてすぐに・・

四チームのプロ選手たちが、一人の例外もなく、まさに意地で、「全力を出し切って闘い切ろう」としているというオーラが放散されているのを感じた。

それは、感動に近い感性だった。

もちろんサッカーそのものの戦術や、プレー内容における、とても錯綜した、偶然と必然ファクターの絡み合いは、あった。

でも、わたしは、やっぱり、選手たちの、攻守にわたる「主体的な闘う意志」というファクターに、注目せざるを得なかった。

彼らは、全員、ホントに一人の例外なく、主体的に、攻守の仕事(ハードワーク)を探しまくっていたんだ。

そして思った。

結果とは別に、選手諸君、監督も含めたベンチスタッフ、チーム関係者の皆さんに対して・・

同じサッカー人として、心からの称賛と感謝の拍手を、おくらなきゃいけない・・

・・こんなスーパーに濃い(ギリギリの闘いが満載の!)サッカーは、まさに、プロサッカーのポジティブな将来へつながる、最高のプロモーションじゃないか・・

そして・・

アルビレックスは、最後の最後に、「意地の同点ゴール」を叩き込んだ。

またベルマーレは、最後の最後に、PKを取られて負けてしまい、降格が決まってしまった。

それでも、そんな結果とは関係なく・・

そう、そこで放出された、まさに「人間的な(意地の!)エネルギー」は、選手たちの将来にとっても、人間的に、そして社会人(個人事業主)としても、大きな価値を内包していたと思う。

わたしも、ドイツ時代は、友人のプロコーチ連中の現場を、何度も体感させてもらったし、そこでの悲喜こもごものドラマも、現場でシェアさせてもらった。

そんな経験も含めて・・

やっぱり、サッカーは、最高だ・・って、言えますよ。

サッカー万歳・・

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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