湯浅健二の「J」ワンポイント


2025年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第34節(2025年10月18日、土曜日)

 

このところのマリノスが振りまく、レベルを超えた、チーム一丸の「闘うエネルギー」・・それを引っ張る、監督の大島秀夫に対して、同じサッカー人として、心からの称賛と感謝の拍手をおくります・・(マリノスvsレッズ、4-0)

 

両チームの実力に、こんな(ゴール数のような!?)差があるとは思わない。

それでも、「こんなコト」が起きちゃう・・

まあ・・ね、いつも書いているように・・

不確実なサッカーは、ものすごくエッジの立った「心理ボールゲーム」なんだよ。

降格リーグで、究極のサバイバルを生き延びようとしている者と、リーグ優勝というモティベーションを「ほぼ」失ったチームの「心理・精神的バックボーン」の差。

まあ、そういうことだね・・

とにかく、ボール奪取プロセス(守備)での、チェイス&チェック(寄せ)と、局面デュエルでの爆発パワーの差には、もう雲泥と呼べるほどの「差」があった。

もちろん、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)でも、とにかく、ボールがないところでのアクションの量と質が、まさに段違いだった。

攻守での運動量の差・・

・・というか・・

選手たちは、攻守における、次に「やるべき仕事」については、明確なイメージングを描けているはずなんだ。

ただ、「それ」を、実際に「全力でつかみ取ろう」と、するかどうか・・

「実質的なアクション」は、闘う意志のレベルによって、まったく違うグラウンド上のアクションとなって現れてくるのさ。

そう、攻守ハードワークという表現に内包する「主体性アクション」に集約されるわけだ。

「それ」を主体的に、探しまくろうとする(実質アクションに移ろうとする)かどうか・・

もちろん、1人が強烈な意志をもって闘ったって、周りのチームメイトが、「笛吹けど踊らず・・」ってな感じだったら・・

そう、ネガティブヴィールスは、すぐにでも、チーム内に「蔓延」しちゃうモノなんだよ。

後半・・

あれ程の「ゴール」をブチかまされたレッズだから・・

わたしは、彼らが、ブロの意地を魅せてくれるって期待していたんだ。

でも、その期待が充たされたのは、後半の立ち上がり数分ほどだった(サミュエル・グスタフソンの惜しいダイレクトシュートが飛んだあたりまで!?)。

そして、前述した、チームとしての「統一された闘う意志」が、目に見えるほどに減退していく。

そうなんだよ、レッズの「熱量」は、マリノスのそれに比べたら、まさに雲泥・・

そして、部分的(あるプレヤー)には、ハイレベルな闘う意志があったとしても、それらが、まったく重ね合わさる(シナジーが生まれる)雰囲気さえ、醸しだせない。

対するマリノス・・

あんな大量リードを奪っているにもかかわらず・・

そう、彼らの「熱量」がダウンする雰囲気は、まったくといっていいほど、なかった。

たぶん・・

そう、いくら、このゲームで勝ったとしても、これからの残り4ゲームでは、何があるか分からない。

・・そうだよっ!!、ここで熱量をダウンさせるなんて余裕は、オレたちには、ないんだ・・

そんな、チームで統一された「ハイレベルな意識と意志」が、放散されつづけていた。

そう、最後の最後までネ・・

とにかく・・

このところのマリノスが振りまく、レベルを超えた、チーム一丸の「闘うイメージング」・・

それを引っ張っている、監督の大島秀夫に対して、同じサッカー人として、心からの称賛と感謝の拍手をおくる筆者なのであ〜〜る。

そうなんだよ・・

チームが、一つになって共有する「闘う雰囲気」は、ひとえに、監督さんの心理マネージメントのウデにかかっているんだ。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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