湯浅健二の「J」ワンポイント


2025年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第25節(2025年8月9日、土曜日)

 

攻守にわたる主体性ハードワークなど、さまざまな視点で、本物の強さを魅せられるように進化&深化しているレッズ・・(横浜FCvsレッズ、1-2)

 

チカラの差を、明確に感じさせてくれた、マチェイ浦和レッズ。

それも相手は、監督が交代し、「降格リーグ真っ只なか」に落ち込んでしまった横浜FCだからネ、そりゃ、とても厳しい相手だよ。

でもレッズは、立派に、自分たちの特長を、存分に発揮し、勝ち切った。

ということで・・

このゲームからは、二つのテーマ(プラスOne)に、スポットライトを当てようかな。

一つは・・

ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーション・・

もう一つが・・

組織プレーと個人勝負プレーの「高質なバランス」・・

そして「プラスOne」として・・

一人の例外もない、主体的に、攻守ハードワークをフルパワーで探しまくるってな、積極的&攻撃的なプレー姿勢・・

これらのテーマについては、レッズに一日の長ありということで、彼らを中心に語らせてもらいます。

まず、ワンツーを積み重ねる、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーション・・

レッズが(たまに)魅せる、素早くクリエイティブな人とボールの動きは、爽快そのものだった。

そんな、相手ディフェンスが脳裏に描くイメージングの「ウラ」を、素早く突いていく組織コンビネーションの中心にいるのは・・

言わずもがなだけれど、サミュエル・グスタフソン。

彼が、様々なコノテーション(言外に含蓄する意味)を内包する「人とボールの動きのリズム・マネージメント」の中心にいるっちゅうコトだね。

もちろん、チームメイトたちも、巧くダイレクトパスを駆使しているけれど・・

それも、これも、サミュエル・グスタフソンが、チーム内に浸透「させている」、人とボールのクリエイティブな「動きイメージング」による、ポジティブなエフェクト(好影響)の成果なんだと思う。

とにかく、サミュエルの、「空間認知能力」は、才能としか言えない。

空間認知能力・・

それは、パスを受ける前から、チームメイトの誰が、どこにいて、どのスペースを狙っているか・・等などを、正確に「イメージング」してしまうチカラってな表現かな。

だからこそ、ダイレクトでも、ワントラップでも、相手ディフェンスの「ウラ」を突くような、見事な仕掛けパスを繰り出せちゃう。

チームメイトたちも、そんなサミュエルの才能を体感しているわけだから・・

テメ〜たちのためにも、その才能を、うまく利用しようと、積極的に、サミュエルを「探している」っちゅうわけだ。

一人の「天才」による、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)での、人とボールの動きイメージング・・

そして、その、チーム内への深い浸透。

なかなか興味深いテーマだけれど、まあ、これについては、また後日。

そして、二つ目のテーマ、組織プレーと個の勝負プレーの「高質なバランス」ってなテーマに入るわけさ。

まあ、とにかく・・

観てりゃお分かりになるとおり、レッズには、「個のドリブル仕掛けをブチかませる才能」が、より凝縮されているっちゅうことだね。

そう、金子拓郎、松尾佑介、そしてマテウス・サヴィオ。

でも、彼らが、「普通の個の天才」と一味違うのは、攻守にわたる組織ハードワーク「も」、しっかり主体的にこなせているっちゅうのが重要ポイントさ。

だからこそ、チームメイトたちも、彼らが、より良いカタチで「ドリブル勝負」に入れるような「クリエイティブなパス」を出そうと努力する。

また、ワントップの小森飛絢も、ヤツらの「個の勝負プレー」に、とても巧く、使われる。

そこでは、才能と、「ボールがないところでのアクションの量と質」が、とてもうまくコラボレートしている(シナジー効果を発揮している)って感じる。

そして、そんなプレー姿勢が、チーム内での「相互信頼関係」を強化する。

そりゃ、ハードワークを「サボりまくる」ようなヤツには・・

「それ」が、ディエゴ・マラドーナや、リオネル・メッシってな「超」の付く大天才でもない限り・・

すぐに、チームメイトから、見限られちゃうんだよ。

少しだけ、「普通からすれば秀でている才能レベル」のヤツが、ハードワークをサボりまくっているんじゃ、チームメイトたちは、許せないでしょ。

「あの」サミュエルにしても・・

ボール奪取プロセス(守備)でのハードワークを、「しっかり」とこなせるようになったからこそ、より積極的に(!)ボールが集まりはじめたわけだからね。

あっと、「そのコト」は、最後の、「プラスOne」のテーマにも、通じる。

そう、攻守ハードワークという意味での「相互信頼」というテーマね・・

決して「やらされている」のではなく、あくまでも、主体的に、攻守ハードワークを「探しまくる」ってなプレー姿勢ね。

それがあるからこそ、チームメイト同士が認め合う「相互信頼」が成り立つんだよ。

とにかく・・

レッズ選手たちの、ボール奪取プロセス(守備)における、ハードワークを探しまくるってな主体性プレーの内実が、とても充実しはじめているって感じる。

だからこそ・・

マチェイ浦和レッズが、「本物の強さ」を発揮しはじめたってな「希望」を呼び起こされた。

そう、本当の意味で、優勝レースの舞台に、名乗りを挙げるためにね。

皆さんもご存じのように、わたしは、ミヒャエル(スキッベ)広島サンフレッチェも、応援している。

だから、明日は、サンフレッチェvsエスパルスの勝負マッチを、観戦しようかな。

いまから楽しみだよ。

============

最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


===============

 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

==============

 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





[トップページ ] [湯浅健二です。 ] [トピックス(New)]
[Jデータベース ] [ Jワンポイント ] [海外情報 ]