湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2022年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第2節(2022年2月26日、土曜日)
- 今日のフロンターレは、美しい質実剛健サッカーを誇示した・・(アントラーズvsフロンターレ、0-2)
- レビュー
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- ゲームを通して、フロンターレの「完勝」って言えるのかな。
完勝!?
そのテーマを論じるには、両チームの攻撃よりも、やっぱり、ボール奪取プロセス(守備)の内実を比較するのが、視点として、いいと思う。
その視点とは・・!?
やっぱり、守備イメージング(読み)のレベルじゃないかね〜〜。
もちろん、ディエゴ・マラドーナのような世紀の天才を相手にするときは、次のプレーなんて、読めるはずがない。
でも、ロジカルな人とボールの動き(組織プレー)を基盤に仕掛けてくる両チームだから、やっぱり、次の勝負所への「読み」こそが、差を、生み出すんだよ。
もちろん、ハイレベルな、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションを、ガンガン仕掛けてくる相手だったら、そりゃ、読みにくいのは道理。
でも、素早く、正確なワンタッチ(ワントラップ)&パスを積み重ねるような組織パスプレー(人とボールの動き)ならば、守備イメージングは、描きやすい。
言いたかったのは・・
ボール奪取プロセス(勝負所への読み!)の内実は、そのチームの、攻撃(仕掛け)プロセスのレベルに応じたモノになるっちゅうコトなんだ。
そう、守備と攻撃は(そのイメージングの内実は!)表裏一体なんだよ。
優れた(ダイレクトパスを織り交ぜた!?)組織コンビネーションを駆使するチームだったら、おのずと、ソレを止めなきゃいけない守備イメージングのレベルもアップするというわけだ。
その守備プレーは・・
攻守の切り替え(トランジション!?)、チェイス&チェック(寄せ)、カバーリング、マーキング、協力プレスへの集散、最終勝負の瞬間での「最後の半歩」の内実・・等など。
もちろんアントラーズのボール奪取プロセス(守備)も、並外れて、強い。
でも、この試合では(もちろん、フロンターレが2点リードした後半ね)、フロンターレのチカラが(少しだけ!?)上回っていたって感じられたんだ。
それには・・
フロンターレが2点リードしているコトも、大きく作用していたんだろうね。
だからフロンターレの守備アクションにも、何らかの「余裕」さえ感じられた!?
寄せるときの余裕、次のパスに備える余裕、協力プレスをブチかますプロセスでの余裕、最終勝負の瞬間を冷静に見極める余裕・・等など。
まあ、たぶん、そういうことだったんだろうね。
それにしても、鬼木達フロンターレが秘める底力は、さすがに高い。
この試合を観ながら、その事実を、再認識させられていたっけ。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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