湯浅健二の「J」ワンポイント


2022年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第29節(2022年9月10日、土曜日)

 

リカルド浦和レッズ・・彼らが魅せた、内容と結果が一致した、美しい質実剛健サッカーには、次につながる(!)格別の「価値」がある・・(レッズvsレイソル、4-1)

 

レビュー
 
すごいっ!!

前半、ロスタイムに入ろうかというタイミング・・

レッズの仕掛けがうまくハマらず、レイソルにカウンターチャンスを与えてしまう。

タテへ、フルスプリントで押し上げていくレイソル選手。

でも、その横には、これまたフルスプリントで、その選手をチェイスする赤い選手が。

No.17・・

そう、長いブランクから、久しぶりの先発メンバー入りを果たした、アレックス・シャルク。

そこで彼が魅せた、相手を追いかける「勢い」には、鬼気迫るモノがあった。

わたしは、その、フルスプリント&アタック(相手スローイン!)での、レベルを超えた迫力に、いまのリカルド浦和レッズの「強さ」のバックボーンを見ていた。

そう、ホンモノの「守備意識」

それこそが、ACL決勝まで駒を進めたリカルド浦和レッズの「強さ」の秘密なんだよ。

その浦和レッズ・・

このゲームでは、このところの定番、「ゼロトップ」でゲームに臨んだ。

前線の四人は、松尾佑介、大久保智明、アレックス・シャルク、そして関根貴大。

もちろん、両サイドバック(宮本優太、明本考浩)も、積極的に、仕掛けの流れに乗っていく。

そして、素早く、スムーズに、素晴らしい「リズム」で、人とボールを動かしつづけるんだ。

まさに、ダイナミックな攻撃サッカー。

それが、これほどまでに効果的に機能するのは、前述の、優れた「守備意識」があればこそなんだ。

だからこそ、互いに「使い、使われる」というメカニズムが、チーム内で、深くシェアされる。

そう、そこには、ハイレベルな相互信頼が、あるんだよ。

そして、それがあるからこそ、全員が、攻守にわたって、積極的&攻撃的に、リスクへもチャレンジしていけるっちゅうわけだ。

「The Core Column」で発表した「コラム」でも書いたけれど・・

攻守ハードワークに支えられたリスクチャレンジこそが、進化&深化の、唯一のリソースなんだ。

あっと・・

彼らが、そんなダイナミックなサッカーを支える、スーパーな「ダブルボランチ」という、チームの「自信リソース」の存在を忘れちゃいけない。

そう、岩尾憲、伊藤敦樹。

この試合でも、陰に陽に、攻守にわたって、光り輝きつづけた。

わたしは、攻守にわたって彼らが魅せつづけた、スーパーな実効プレー(主体性プレー)に舌鼓を打っていた。

あっ・・いや・・

自分自身の学習機会として、冷静に、彼らのアクションを追いつづけていたっちゅうコトね。

まあ、それも・・

中継した、ダゾンのカメラワーク(ズーミングワーク)が、高質だったからに他ならない。

だからこそ、リカルド浦和レッズが魅せつづけた、素晴らしい人とボールの動きとスペース攻略なども、爽快に追いつづけられたっちゅうわけだ。

とにかく・・

相手は、実力チームの、ネルシーニョ柏だからね・・

だからこそ、このゲームで彼らが魅せた、内容と結果が、とてもうまく一致した美しい質実剛健サッカーには、次につながる(!)格別の「価値」がある。

============

最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


===============

 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

==============

 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





[トップページ ] [湯浅健二です。 ] [トピックス(New)]
[Jデータベース ] [ Jワンポイント ] [海外情報 ]