湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2021年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第24節(2021年8月14日、土曜日)
- まさにホンモノの「美しい質実剛健サッカー」を魅せてくれたキン・ミョンヒ鳥栖に乾杯!・・それに対して、リカルド浦和レッズは、主力級の新加入選手たちのインテグレーションという意味で、まだ調整中っちゅうことなんだろうね・・(レッズvs鳥栖、2-1)
- レビュー
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すごかったネ〜〜、キン・ミョンヒ鳥栖。
前半もそうだったけれど、後半になって、その、ボール奪取プロセス(守備)のダイナミズムが何倍にも増幅したって感じられた。
とにかく・・
攻守の切り替えが、まさに「電光石火!」ってな感じで、素早く、効果的なんだよ。
選手たちは、攻撃中から既に、次の「ゲーゲンプレス」へ剥けた心の準備をしていたかのように、レッズのボールホルダー(次のパスレシーバー)へ、強烈なチェイス&チェック(&カバーリング!)をブチかますんだ。
もちろん・・
ゲーゲンプレス(相手の押し上げる瞬間への逆転アタック!?)の状況以外でも・・
強烈で効果的な「前からプレス守備」をブチかましつづける。
もちろん、そんなダイナミックな「ボールへのアプローチ」を支える、カバーリング、マーキングなどのサポートアクションも含めてネ。
そんなキン・ミョンヒ鳥栖に対して・・
そう、リカルド浦和レッズは、まさに「タジタジ」だったんだよ。
さて〜〜・・
ここでテーマにしているのは、結果ではなく、あくまでもサッカー内容。
その視点で、(この試合では!)完璧に、鳥栖に一日の長があったんだ。
キン・ミョンヒ鳥栖は、もちろん、ボール奪取プロセス(守備)だけじゃない。
ボールを奪い返してからの攻撃でも、とてもスマートで巧みな仕掛けプロセスを魅せる。
とにかく彼らの仕掛けプロセスでは、人とボールが、とても美しく、そして素早く、広く、動きつづけるんだ。
そう、ワンツーを積み重ねる、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションをベースに、3人目、4人目のフリーランニングを効果的に盛り込みながらね。
とにかく・・
そんな、高質な仕掛けプロセスも含め、まさに「美しい質実剛健サッカー」だからこその今の成績なんでしょ。
納得させられる・・
あっと最後に・・
このゲームでは「結果に貢献した」江坂任・・
たしかに才能にあふれた選手だ。
その才能レベルを体感しているチームメイトたちも、良いカタチになりそうになったら、常に、彼にボールを集めようとする。
田中達也やスーパーハードワーカー明本考浩も、江坂任がボールを「持もちそう」になった瞬間には、タテへの全力スプリントをスタートしていた。
そんなハードワークこそが、江坂任の「天賦の才」に対する信頼の証っちゅうわけだ。
でも・・
そう、私は、やっぱり、その組織プレー(攻守ハードワークへの意識と意志!)について、言っておきたいコトがある。
たしかに・・
この試合でのチェイス&チェックやカバーリングの内実は、前節の、「いい加減の極みアクション」から比べれば、良くなっていた。
しっかりとした「やり切るダイナミズム」が感じられるようになったからね。
でも、足りない。
時間の経過とともに、攻守ハードワークとリスクチャレンジへの意識と意志が、どんどん減退していったんだ。
そして・・
鳥栖に押し込まれているにもかかわらず、そんなジリ貧の展開を、自らがリーダーシップを執って逆流させようとする「意志」は、まったく感じられなかった。
そんな、「ぬるま湯」な意識と意志は、相手が、「あの」キン・ミョンヒ鳥栖だったからこそ、際立っていた。
あっと・・
そのコトについちゃ、彼が、特別な「天賦の才」に恵まれているからこそ強調するんだよ。
攻守ハードワークとリスクチャレンジという汗かきアクションに秘められた、サッカーの本質的な「価値」に目覚めて欲しいと思うわけさ。
そうすれば、チーム内の、彼に対する信頼は、天井知らず・・ってなコトになるはず。
とにかく、まだまだ、「言うだけ番長!」的な、怠惰なプレー姿勢が見え隠れしているコトが、残念で仕方なかったね。
この、「天才の、本物のブレイクスルー」というテーマについては、以前アップした、「宇佐美貴史」と、「中村俊輔」を扱ったコラムも、ご参照あれ。
とはいっても・・
勝ち切れた(勝ち点3をもぎ取った!)コトについては、もちろん、めちゃくちゃ、嬉しかったよ。
へへっ・・
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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