湯浅健二の「J」ワンポイント


2020年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第23節(2020年10月18日、日曜日)

 

偉大なる、継続(進化)主義者、鬼木達さんに対して、心からの敬愛と賞賛の拍手をおくります・・(フロンターレvsグランパス、3-0)

 

レビュー
 
この試合は、何か、とても気分よく観戦できています。

それには、「美しい」フロンターレサッカーの観戦というだけじゃなく・・

応援している浮嶋敏ベルマーレが、強敵のレイソルに、粘りの逆転勝利をかざったこと。

また、大槻レッズのサッカー内容が、好転しているって実感できたこともあるかな。

浮嶋敏ベルマーレ・・

彼らについて、皆さんもご存じのように、私は、その積極サッカーを支持しています(そのことについては、以前の、Jリーグコラムをご覧あれ)。

でも現状では、そんな(強烈な意志がほとばしる!!)良質なサッカー内容に見合った「勝ち点」を挙げられていない。

そのことを、とても残念に感じていたんだよ。

だから、今日のゲームをダゾンしながら、快哉を叫んでいたっちゅうわけさ。

また・・

大槻毅さんが率いるレッズについても、徐々に、攻守にわたって、「カタチ」から解放された積極プレーが目立つようになっているって感じるんだ。

カタチからの解放・・

言うまでもなく、チーム&ゲーム戦術という「規制」から、選手たちのイメージングを解放するっちゅうコトさ。

もちろん、「規制と解放の優れたバランス」っていうテーマに対して、優れた指先のフィーリングを駆使しながらね。

たぶん、このところのレッズでは・・

そんな、カタチに、こだわり「過ぎるイメージング」に対して、正しい「心理調整」が為されているんだろうね。

そして「それ」が、功を奏している!?

とにかく、そんな、内容と結果が(傾向として!?)一致するゲームを観たことで・・

フロンターレがブチかます「美しい質実剛健サッカー」を心から楽しめたっちゅうわけさ。

ところで、フロンターレの場合の、美しい質実剛健サッカーは・・??

それそれ・・

私も、何とか、うまく、言葉で表現しようと四苦八苦するんですよ。

でも、そう簡単な作業じゃない。

よく使う表現は、人とボールの動きが、素晴らしい「リズム」を奏でている・・とかさ。

まあ、オレは文章家じゃないから、気取るのは、止めにしよう。

ということで、フロンターレの美しさのバックボーン・・

その絶対ベースは、何といっても、美しい「トラップ&コントロール能力」に集約されるよね。

だからこそ、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションと個の勝負プレーを「巧くコラボレート」させたスペース攻略プロセスも、より美しく光り輝くんだ。

あっ・・また気取った表現・・

まあ、いいさ・・

ということで、その、美しい「トラップ&コントロール」というテーマだけれど、それについては、「The Core Column」で発表した「このコラム」も、ご参照あれ。

とにかく、フロンターレ選手たちのトラップ&コントロールが、秀逸だというコトが言いたかったんだよ。

ところで、フロンターレのなかで、その視点で頂点に君臨するのは・・

それは、言わずと知れた「家長昭博」だよね。

あっ・・と・・

彼は、天賦の才が極まった「魔法使い」だから、対象から外しましょうかね。

へへっ・・

ということで、フロンターレ選手たちのトラップ&コントロール・・

彼らは、「ピタリ」と、足許にボールを止めるだけじゃないよね。

それだけじゃなく、彼らは、「次の有利な状況」へ向けて、一発のトラップ動作で(ワンタッチで!)ボールを「運んで」しまうんだ。

彼らは、次の、有利な状況の「イメージング」を正確にトレースしてしまうんだよ。

そう、ジダンやフィーゴ、はたまたイニエスタのように・・ね。

その「ワンタッチ・コントロール」が、まさに秀逸の極みなんだ。

だからこそ、ワンツーを(パス&ムーブを!)積み重ねる、ダイレクトパスを織り交ぜた、美しい組織コンビネーションを、連続的に機能させられるのさ。

あっと・・

彼らがブチかます美しいサッカーの絶対ベースである、優れた守備(ボール奪取プロセス)というテーマを忘れるところだった。

このところ、私のコラムで中心的なテーマになっている、守備。

そう、効果的な守備(ボール奪取プロセス)こそが、全てのスタートラインというテーマ。

フロンターレでは、ボール絡みと、ボールがないところでのサポートの守備アクションが、とても美しく、有機的に連動している。

でも私は・・

そう、彼らの、ボールを奪われた次の瞬間からはじまる「ボール狩り」に注目するのさ。

まあ・・ね・・ゲーゲンプレス(gegen Pressen)・・

そう、爆発的に鋭い「攻守の切り替え」を絶対ベースに、追い掛けアクションと、前からプレスアクションによって、相手ボールホルダー(次のパスレシーバー)を、サンドウィッチにしちゃうんだよ。

そんな、強烈な意志のディフェンスアクションが、とても気に入っているんだよ。

だからこそフロンターレは、得失点差という「数字」で、2位を「5倍ほど」突き放しちゃっているっちゅうコトなんでしょ。

その「差」は、チト、あり得ない(日本サッカー史に残る程の!)モノだよね。

そして、この試合でも・・

とにかく、偉大なる「継続(進化)主義者」、鬼木達に対して、心からの敬愛と賞賛の拍手をおくります。

あっ・・

もし鬼木さんが、この表現を気に入らない場合、言っていただければ、すぐに修正し、公表しますよ。

ホントだよ・・

へへっ・・

――――

あっと・・最後に、告知を・・

本日(10月18日)、22時30分から、BSテレ東(BS171)で放送される、「Challenge Spirits 〜 スポーツの未来を考える〜」っちゅう番組に出演します。

テーマは、「スポーツとメディア・・」。

さて、どうなることやら・・

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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