湯浅健二の「J」ワンポイント


2017年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第19節(2017年7月29日、土曜日)

 

よかった・・レッズのモラルは地に落ちていない・・(コンサドーレvsレッズ、2-0)

 

レビュー
 
この試合を「ダゾン」した後、雨が降るのは分かっていたから、単車をあきらめ、電車で等々力へ向かうことにした。

でも・・

そう、出発したときは「まだ」だったけれど、新丸子の駅に到着した、まさにその瞬間から、空のバケツがひっくり返ったんだ。

気象庁の「レーダーキャストナウ」では、まさに真っ赤な雲。

もちろん、そのことは等々力に到着してから分かったわけだけれど、それでも、駅で一時間も待つ気にはなれなかっただろうから、仕方ない。

ということで、等々力に着いたときには、靴と下半身が、まさにびしょ濡れ。

取り敢えず、ジーンズの水は、ある程度は絞り出したけれど、靴はネ〜〜・・

でも、そんな逆境にもめげずに、等々力の記者室で、短くコラムをアップする筆者なのだ。

ということで、この試合のレッズ・・

前言撤回・・ってなところまではいかないけれど、チームの「モラル」が崩壊していないことは確実に認識できたから、少しはハッピーではあったよね。

前言・・!?

そのことについては、帰国した翌日に(数日前に)アップした「このコラム」を参照して下さい。

そのときは、とても心配していたんだよ。でも・・

要は、この日のレッズが、まだまだ「最後の半歩を出し切ろうとする意志がある・・」って感じさせてまれたっちゅうことさ。

もちろん、そこは本物のチームスポーツであるサッカーのことだから、一人「だけ」が、その「最後の半歩」を伸ばしたってダメだよ。

チームのなかに、その半歩(ギリギリまで闘う意志のアクション!)を、全員が伸ばしつづける・・という雰囲気がなきゃダメなんだよ。

それがなければ、相互信頼(チームモラルの源泉!)は崩壊の一途をたどるんだ。

でも、いまのレッズでは・・

チームのなかで、味方同士補い合うような攻守ハードワークと思い切りのよいリスクチャレンジ、冷静なバランシングと自己主張の抑制も含む忍耐などなど、様々な意味合いで相関し、場合によっては対立しうるファクターが、とてもバランスよく機能していたと感じられたんだ。

要は、選手たちが、攻守わたって積極的に、仕事(攻守ハードワーク)を探しつづけていた・・っちゅうことだね。

前半は、ゲームを支配し、チャンスを創りだしながら、コンサドーレのカウンターを効果的に抑え込んでいた。

ダゾン解説でも、とても的確に指摘されていたけれど、とにかく、レッズの攻守の切り替えの速いこと、速いこと。

そう、それもまた、仕事(攻守ハードワーク)を探そうとする意志の炸裂っちゅうわけさ。

でも・・

まあ、ここでは、菖蒲の流れについてではなく、あくまでも、レッズがブチかました、とても高質な「意志のサッカー」だけにスポットを当てましょうネ。

後半。

人数が二人も欠けた状態でもレッズは、攻守にわたって積極的に仕事をさがしつづけ、何度もチャンスを創りだした。

もちろん逆にカウンターピンチは何度もあったけれど、それも、(出来る限り!)しっかりと戻ることで、ギリギリのところで凌(しの)ぎつづけていた。

とにかく、このコラムでは、レッズのチームモラルが地に落ちていない・・ということを確認できたことで、ハッピーに等々力へ向かうことが出来た・・ということが言いたかった。

でも一つだけ、レッズの仕掛け内容についてだけ・・

レッズの対戦相手は、すべからく強化ディフェンスブロックを敷いてくる。

この試合でも、あれだけゲームを支配しながら、創りだしたゴールチャンスは、二つくらい。

もちろんダイレクトパス・コンビネーション(中央ゾーンを割って入る勝負プレー)も、何度かは機能したし、両サイドからのドリブル勝負もよかった。

また、相手が押し上げている状態でブチ込む、一発ロング勝負パスという発想もいい。

でも、それだけじゃ、強化ディフェンスブロックを崩し切るのは、今後も、より一層難しくなるはずだよね。

もちろん、質実剛健に「我慢しつづけて勝負する・・」というイメージも大事さ。

でも逆に、だからこそ、たまには、相手がピックリするような最終勝負をブチかましてもいいと思うわけさ。

例えば、(より頻繁に打たれる傾向にあった!?)ミドルシュートとか、アバウトな放り込みとか・・

特に(人数が互角でゲームの流れをレッズが牛耳っていた!?)前半で、そんな「仕掛けの変化」を感じたかった筆者なのでした。

さて・・

「こうなったら」、焦らず、「自分たちのサッカー」を見直し、修正しながら発展させていくことに集中するしかないよね。

そう、(局面デュエルの積み重ねも含めて!!)美しく勝つサッカー・・

実力(攻守イメージのシンクロコンテンツの量と質!)は十分なんだから、とにかく、外部のノイズを断って、粛々と自分たちの志向イメージをフォーカスしましょう。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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