The Core Column
			
The Core Column(73)_テーマ「気づき」・・イメージトレーニング・・(2022年2月5日、土曜日)
				
   
   
   
   
			 
			
- ■ビデオを活用するイメージトレーニング・・
    
要は・・
    
映像情報(視覚的な刺激!)を活用した、イメージング強化への取り組みのことだ。
    
わたし自身の経験からも言えるけれど、その積み重ねは、「気づき」レベルの向上に、着実に寄与していくんだよ。
    
その高い実効レベルを知っているから、どうしても、テーマとしてピックしたかったわけだ。
    
もちろん・・
    
実際の効果レベル(成果)については、教材としてのビデオの内容や、そこで様々な指摘を行う監督・コーチの「心理マネージャーとしてのウデ」など、やり方によって、大きな違いが出る。
    
そこでは、まず・・
    
テーマに応じて、クレバーに「編集」したビデオを創るという作業から入る。
    
そう、ボール奪取プロセス(守備)やスペース攻略プロセス(仕掛け)についての映像情報(視覚的な刺激!)という、イメージトレーニング素材だ。
    
もちろん・・
    
そのイメージトレーニングでレベルアップさせたいターゲットは、ボール絡みのプレーだけじゃなく、ボールがないところでのプレーの進化など、様々だ。
    
たとえば・・
    
2022年1月27日に埼玉スタジアムで行われた、W杯アジア最終予選の中国戦の後半16分に、伊東純也がヘディングでブチ込んだ追加ゴールシーン。
    
クロスボールを上げたのは、その3分前に長友佑都と交代出場した中山雄太。
    
このシーンでの伊東純也は、相手マーカーの背後から、その「眼前スペース」へ飛び出したのだけれど、その「ちょっとした動き」が、決定的なKFS(キーファクター・フォア・サクセス)だった。
    
このシーン・・
    
例えば、中山雄太の、鋭いクロスボールに(そのボールが内包する意味合いに!)スボットを当てるのは、とても興味深い。
    
また、レシーバーである伊東純也の、最後の瞬間にディフェンダーの「眼前スペース」へ飛び出した動きに焦点を当てるのもいい。
    
そこでは、相手ディフェンスの視線を「盗む」タイミングとか、眼前スペースへの入り込むコースとか、様々な成功ファクターが満載だ。
    
また逆に、伊東純也のマークをイメージしていた中国プレイヤーが犯した、一瞬の「気抜け」に焦点を当ててもいい。
    
彼は、伊東純也がブチかました決定的アクションを、まったくイメージ(警戒)できていなかったわけだから、学習テーマとして、とても価値がある。
    
そう、彼は、伊東純也の最終勝負イメージに、まったく気づいていなかったんだよ。
    
あっと・・
    
同じような、ディフェンスの決定的イメージングをテーマにするんだったら・・
    
2021年9月2日に、パナソニックスタジアム吹田で行われた、W杯アジア最終予選の初戦で、オマーンに奪われた決勝ゴールシーンも興味をそそられる。
    
タラレバになるけれど・・
    
もしあのシーンで、植田直通が、背後から、自分の眼前スペースに入り込もうとするオマーン選手をイメージできていたら(意図に気づけていたら!)、最後の瞬間に、カラダを投げ出した必殺スライディングで防げたかもしれない。
    
・・ってな感じで、ピックできるシーンには、枚挙に暇(いとま)がない。
    
それは、「決定的ファクター」としての意味を内包するグラウンド上の現象っていうことだよね。
    
たとえば、攻撃では、ボールホルダーのキープの仕方や視線の投げ方などに焦点を当てたイメージトレーニングもある。
    
それは、相手の勝負イメージングを「引きつけた」瞬間という、「相手ディフェンスの隙」を意識する鋭い感覚を定着させるイメージトレーニングというわけだ。
    
また・・
    
ワンツーを積み重ねる、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションによる決定的スペースの攻略シーンへの正しいイメージトレーニングとか・・。
    
とにかく、攻守にわたってピックできるシーンは、無限なんだ。
    
    ■その、イメージトレーニングでこそ、監督・コーチの「本物のウデ」が試される・・
    
そうなんだよ。
    
そこでは、彼らの心理マネージメント能力が試されるんだ。
    
何せ・・
    
誉めるだけじゃなく、選手たちの耳に痛いことも指摘しなきゃいけないわけだからね。
    
ところで(繰り返しになるけれど)・・
    
それぞれの「テーマ」にスポットライトが当たるようにクレバーに編集されたビデオだけれど・・
    
その目標は、攻守イメージングを、瞬間的にアタマに描写させるための「気づきリソース」を、脳内に、しっかりと定着させるコトだよね。
    
だからこそ、そこでの監督・コーチのタスクは、その「イメージ定着プロセス」が着実に、そして効果的に浸透していくように、適度な「刺激」を与えるコトだよね。
    
そう、監督・コーチによる、さまざまな指摘(効果的な刺激!?)。
    
まあ、アメとムチのバランス・・というのもメインテーマの一つかも知れないけれど・・
    
「あそこで、あんなに素晴らしいプレーが出来ているのに、ここじゃ、こんな気抜けのミスをする・・」
    
「素晴らしい才能に恵まれているのに、それを使い切れないのでは、宝の持ち腐れ・・!?」
    
等など・・
    
とにかく・・
    
テーマにもとづいて編集したビデオの視覚的な刺激に加え、そのイメージング内容が、アタマにしっかりと定着するような「言葉の刺激」も与えるというわけだ。
    
だからこそ、そこでは、監督・コーチの、インテリジェンスやパーソナリティーの「質」もテーマになるというわけさ。
    
    ■そして、繰り返しによって、イメージに叩き込むという地道な作業・・
    
この、「繰り返し」もまた、イメージトレーニング(気づきリソースの定着!?)を成功にみちびくキーポイントだと言える。
    
そう、何度も、何度も、同じシーンを繰り返し観るコトで、脳内のイメージタンクに、確固たるカタチを定着させるんだ。
    
そこでもまた、監督・コーチのポジティブパーソナリティーが発揮されなきゃいけない。
    
映像情報とは違うタイプの「刺激」を与えるコトで、記憶タンクにおける「カタチ」を、確実に定着させるんだ。
    
だからこそ、繰り返しの視聴(考えつづけ、気付きつづける!)こそが、とても重要な意味をもってくるわけさ。
    
ということで・・
    
同じコトを、何度も、何度も、繰り返し指摘する筆者なのであ~る。
    
へへっ・・
    
_______
    
ということで・・
    
次には、気づきプロセスでの「オートマティゼーション」というテーマを採りあげましょうかね。
    
では、また・・
    
(不定期につづく)
    
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「The Core Column」の全リストは、「こちら」です。 
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				 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
			
			
			
			
			
			
			
			
				 追伸:わたしは
”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
			
			
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				 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
			
				 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
			
				 
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
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