1993〜1998年の通算チームデータ


通算勝率


これは、「J」がはじまった1993年から、昨年1998年までの、全チームの勝率ランキングです。

1996年シーズンが終了した時点では、まだ単独トップにいたヴェルディー川崎。1997年、1998年の成績がふるわず、1997年が終了した時点でアントラーズにならばれ、そして1998年シーズンが終了した時点では、ジュビロにも抜かれて三位に後退してしまいました。

ジュビロ、エスパルスは頑張っていますね。またマリノスも上位キープです。それ以外のチームでは、「J」発足当時は、最下位グループだった(あまりにも負け続けたから通算記録になったら痛い!!)グランパスとレッズの躍進も目立ちます。今シーズンですが、昨年までの総合成績ではビリ三位だったパープルサンガが巻き返してきそうな雰囲気があります。さてどうなるか、注目しましょう・・?


通算平均ゴール数


6年間を通した「一試合の平均ゴール数」ランキングです。

ここでも、アントラーズがトップを維持しています。アントラーズは、若い柳沢、増田などが順調に伸びているだけではなく、97年シーズンからは、ビスマルクも加入しましたしマジーニョも元気でした。それが数字に表れているというわけです。

その他の、前年までとの比較で目立った変化は、何といってもジュビロの躍進です。要因は、言わずと知れた中山。とにかくハットトリックを何試合も続けた彼のプレーには、「勝負はボールのないところで決まる!」というサッカーのエッセンスが詰め込まれています。彼の、勝負の瞬間における「決定的パスを受ける動き」。それはもう世界レベルです。

1998年までの結果で、1998年に「J」デビューを果たしたコンサドーレが、総合勝率ランニングと比べてかなり高い中位以上にいきなりランキングされたのは驚きでした。攻撃力だけはかなりのレベルにあったようですが、下の「平均失点数ランキング」で明らかになるように、逆に彼らの「守備力」には問題山積みだったというわけです。


通算平均失点数

6年間を通した「一試合の平均失点」ランキングです。

どうですか、コンサドーレは下位に低迷してしまっています。ゴールを奪うだけではなく、失点もくらわない、そのバランスが好成績につながっていることは、アントラーズやジュビロなどの上位チームが見事に証明してくれています。

一試合平均失点ランキングでは、過去の「貯金」が効いているのでしょう、まだヴェルディーがトップです。それでも、97年、98年シーズンのような出来では、トップの座をいつまで維持できるか・・・。またこの両方のランキングを、もっと詳しく見ていけば、マリノスやレッズが、どちらかというと「守備の強い」チームであることも分かってきますよね。

それでは最後に、攻撃と守備のバランスをあらわす「ゴール/失点の指数」ランキングをお見せしましょう。


通算「ゴール/失点」指数


さて「指数」ランキングです。この、総ゴール数を総失点数で割った数字は、基本的には「得失点差」と同じ性格のものですが、それでも試合数が多くなれば、単純な得失点差ではあらわしにくい「得点/失点のバランス」から、そのチームの傾向がつかみやすくなります。

例えば、同じ試合数で「A」チームが150ゴールを挙げ、100失点したとします。それに対し「B」チームは100ゴールに50失点。この両チームの「得失点差」はともに「+50点」ということになります。ただ、それを指数であらわすと、「A」チームの「1.5」に対し、「B」チームは「2.0」。このことで、「B」チームの方が、攻守のバランスの良いチームだということが一目瞭然。つまり、得失点差が、単なる「数字の差」のみを表すのに対し、「指数」は「攻守のバランス」を表現できるということです。それに「一試合平均ゴール・失点」を合わせれば、より詳細で正確な分析ができるというわけです。「得失点差」は「成績」を決めるための「数字」。それに対し、ゲーム内容の分析に必要なのが「ゴール/失点・指数」というわけです。

この結果と、最初の「勝率ランキング」を比較してみてください。何チームかは前後しますが、基本的には一致していることがお分かりいただけますよね。結局、リーグを制するものは、攻撃と守備のバランスがとれたチームだということです。

さて、昨年までの結果と比較して、結局はアントラーズがトップの座を奪ってしまいました。過去5年間、ヴェルディーが「総合指数王者」だったのですが、ここにきて三位にまで落ちてしまったのです。逆に、ジュビロが驚くほどの伸びを見せています。昨年までの「1.2強」から、何と「1.5」にかなり近づいてきたのですからね。その驚きの伸びはエスパルスも同様です。この二チームの最近の活躍を見れば、この数字も納得がいくというものです。ともあれこの結果は、アントラーズが、過去6年間を通じて「安定したチカラ」を発揮したことの証明だとすることもできそうです。



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