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2025_天皇杯(準決勝)・・レベルを超えた「濃さ」の一発勝負トーナメント・・堪能させてもらった・・(ゼルビアvsFC東京, 2-0)(ヴィッセルvsサンフレッチェ, 2-0)・・(2025年11月16日、日曜日)
ゼルビアvsFC東京・・
まず、両チームのスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)の微妙な相違点から・・
FC東京のスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)が、しっかりと人とボールを動かしながら、スペースを攻略しようとするのに対し・・
ゼルビアの最終勝負イメージングは、セットプレーもそうだけれど、そこから、シンプルに放り込み(ロングボールね)、そのこぼれ球を狙う・・
ある意味で、「スペースパス」vs「足許パス」のせめぎ合いってな見方もできるかな・・
もちろんゼルビアは・・
タイミング良くサイドゾーンまでボールを運べたら、そこから狙いを定めた「クロス」をブチ込むってなイメージングは、いつものように、とても危険。
まあ、そんなゼルビアの「イメージング」が、もっとも高い効果レベルで勝ち切れる「発想&やり方」とも言えそうだね。
特に、天皇杯のような、トーナメントの場合はネ・・
どこかの監督さんが主張する、負けないサッカー(!?)
まあ、そんな哲学(原則的な考え方)の違いは、あるものの・・
両チームともに、しっかりと組織的に、ボール奪取プロセス(守備)を展開するという、ディフェンスのベーシック発想については、変わらない。
まあ、前後の人数バランスを、うまくマネージするってなテーマについては、ゼルビアの方が、より強く意識しているかな・・
そう、彼らが徹底しているのは、「人数を数えながら前線のサポート」に参加するといった、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)の、基本的な考え方ネ・・
そう、ボールを失った直後のボール奪取プロセス(守備)実効レベルの向上が、ターゲット。
まあ、とにかく、ゼルビアの、攻守にわたる「忠実で粘り強いプレー姿勢」は、称賛に値する。
ということで・・
そう、そんな「粘り強いアクション」が生み出した、林幸多カの先制ゴール。
それは、延長前半13分のゴールだったけれど・・
林幸多カは、ヘディングを競り合うオ・セフンが、「必ず勝ち、ボールがタテに流れてくる・・」って確信していたんだよ。
そして実際に、自分をマークしていたアレクサンダー・ショルツの「スキ」を突き、最後は、彼の足が、先にボールに触った。
素晴らしい粘りの(強烈な意識と意志ベースの)シュートではあった。
ということで、最初の準決勝マッチは、ゼルビアの「粘り勝ち」ってな結果に、収まった。
フムフム・・
さて、ヴィッセル対サンフレッチェ・・
「J」を代表する、最高実力の両雄がぶつかり合ったエキサイティング・マッチ。
もちろん、ゲーム自体も、「美しく勝とうとする」両チームだから、その惚れ惚れさせられるサッカー内容は、推して知るべし。
ボール奪取プロセス(守備)でも、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)においても、この試合は、最高の「J」のプロモーションだったすることに躊躇しない。
たとえば・・
チェイス&チェック(寄せ)にしても、両チームともに、その「忠実アクション」が、とてもクレバーだから、効果的に、相手にプレッシャーを感じさせられる。
それだけじゃなく、実際の局面デュエルでも、クレバー&クリーンに、最高エネルギーのダイナミズムをぶつけ「合う」んだ。
まさに、死力を尽くした「ギリギリの局面バトル」。
堪能したよ。
たしかに、ヴィッセルが、「サンデイ・シュート」をブチかまし、PKを決めて「2-0」の勝利を祝った。
あっと、サンデイ・シュート・・
日曜日は、基本的に教会ミサの日だから、プロでも、ゲームは控えるべきってな慣習が、以前は支配的だった。
だから、プレーしない日には、ゴールが生まれるはずがない。
そんな発想で、あり得ないスーパー・シュートについては、「あり得ない」日曜日にブチかまされたヤツに違いない・・
・・そんな発想ね。
あっと、ゲーム・・
ということで、皆さんもご覧になったとおり、ゲームの内実は、まさに最高レベルの「死力を尽くしたシーソーマッチ」という様相を呈していた。
こちらのゲームでも、心底、堪能させてもらった。
さて、決勝。
最高レベルの実力チームと、極限の「粘り徹底サッカー」の対峙ってな構図かな。
まあ、一発勝負だから、もしかしたら、ゼルビアに「女神」が微笑むかもしれないしネ。
ということで・・
レベルを超えた「濃さ」の一発勝負トーナメントという様相を呈するに違いない決勝が、どのような結末を迎えるのか・・
お互い、とことん、楽しみ尽くしましょう。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは
”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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