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2025_ クラブワールドカップの5(決勝)・・このゲームでは、ボール奪取プロセス(守備)における、特にボールがないところでのアクションの量と質という「隠れ た見所」に「も」、舌つづみを打っていた・・(チェルシーvsバリ・サンジェルマン, 3-0)・・(2025年7月14日、月曜日)

この決勝に関しては、もう、チェルシーの、ボール奪取プロセス(守備)をテーマとしてピックするしかないよね。

その守備プロセスの見方には、いろいろあるだろうけれど・・

基本的な「立ち位置の調整」とか、特定の「人」をケアーする「マンマーク意識」の徹底とか・・

でもわたしは、例によって、選手一人ひとりの「主体性プレー」に力点を置いて観察したい。

そうなんだよ・・

今大会のここまでもそうだったけれど・・

チェルシー選手一人ひとりが、仕事(=守備ハードワーク)を、自分から「探しまくっている」ってな、プレー姿勢のコトね。

わたしは、「ポジショニングバランス・オリエンテッド」なんていう表現を使うけれど・・

彼らは、基本的な「立ち位置イメージング」を、基本に、動く。

要は、チームメイトたちとの「ポジショニング・バランス」を、しっかりと意識するっちゅうことね。

そして・・

相手(PSG)の、「タテ打ち込みパス」を、強烈に意識する。

次の仕掛けタテパスが狙うスペース・・ね。

もちろん、その前段階で、中盤のボールホルダー(次のパスレシーバー!?)へのプレスが「巧くいきそう」なら、脇目も振らずに、集中プレスをブチかますけれど・・

まあ、基本は、チームメイトたちとの相互ポジショニング・バランスを、イメージングの起点にしているっちゅうことね。

まあ、そのメカニズム(守備イメージングのプロセス!?)を、事細かに詳述しようとは思わない。

そうではなく、そんなメカニズムを、実効レベル高く「機能させる」選手たちの、意識と意志の高さ(≒主体性)に注目していたっちゅうわけさ。

彼らは、常に「首」を振りながら、次の敵パスレシーバーだけじゃなく、その周りの相手プレイヤーの動き(仕掛けイメージング)にまで、しっかりと、意識を集中させていると感じる。

素晴らしい、組織メカニズムじゃないか。

それこそが、ボール奪取プロセス(守備)における、ボールがないところでのアクションの量と質というファクターの本質なんだよね。

そう・・

イメージング(主体的な予測と、労を惜しまないアクションの積み重ね!?)こそが、命。

そのプロセスで、何らかの具体的な(型にはまった!?)戦術イメージを徹底させることの愚かさ。

わたしは、常日頃、「カタチから入ることの愚かさ・・」を、主張しているんだけれど・・

前述した、基本的なチーム戦術イメージング(ポジショニング・バランスなどの動きの基本マネージメント)は、もちろん、大事。

でも、「そこ」から派生する、局面での最終勝負アクションの内実については、すべてが、選手たちの「主体性」に委ねられる・・

それこそが、不確実な要素が満載のサッカーにおける基本中の基本アイデアなんだよ。

あっと、詳述の領域に入りそうになっている。

とにかく・・

このゲームでチェルシーが魅せつづけた、特に、ボール奪取プロセス(守備)における、ボールがないところでのアクションの量と質の内実を「感じる」のは、楽しいコトこの上なかった。

そのコトが言いたかった。

それにしても・・

両チームの「個の才能」を体感するコトは、自分には出来ない(自分が描くプレーイメージを大きく超越している!)というコトも含めて、まさに畏敬の念が迸(ほとばし)った。

たしかに、それは、観る価値があるし、サッカーの「美しさの源泉」の「一つ」ではある。

でもわたしは・・

そう、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)では、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションや、「組織プレー」と「個の勝負プレー」のバランスなどなどと同様に・・

前述した、ボール奪取プロセス(守備)における、特にボールがないところでのアクションの量と質という「隠れた見所」に「も」、舌つづみを打っていたのさ。

そんなチェルシーの強(したた)かさが・・

PSGの、「個の才能の爆発プレー」、その「連鎖メカニズム」、そして、ソレにチャレンジしていこうとする「意識と意志」を、完璧に、抑制しつづけた。

あ〜〜、面白かった。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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