トピックス
2025_日本代表(親善)・・このアメリカでのアウェー2戦は、とても深く、広い意義のある学習機会だった・・(アメリカvs日本, 2-0)・・(2025年9月10日、水曜日)
ガップリ四つの、勝負マッチ・・
全体的には、そんな評価が、成り立つかな・・
両チームともに、攻守にわたって、世界トップにも抗していける、とてもハイレベルな主体性プレーを展開したんだ。
攻守にわたる、組織プレーでも、個人勝負プレーにおいても・・
そのコトだけは、確かな事実として残る。
とはいっても・・
たしかに、実際のゴールだけじゃなく、「ゴール機会の量と質」という視点でも、アメリカに「やられてしまった」というコトも、たしかな事実だった。
もちろん・・
そう、次に当たれば(W杯本大会において!?)、その「ゴール機会やゴール」という視点でも、まったく違う展開になるかもしれない。
そう、結果ではなく、ゲーム内容は、そんな期待を抱かせる前向きな内実だったんだよ。
とにかく・・
そう、トレーニングマッチとして、ものすごく価値ある「学習機会」になったコトだけは、誰も否定できない、たしかな事実ではあった。
ということで・・
ここからは、気がついたポイント(小さなトコロ!?)を、いくつかピックします・・
まず、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)における、個の勝負の内実。
その視点では、明らかに、アメリカに一日の長があった。
プリシッチ、センデハス、バログン等など・・
それには、守備における「個のチカラ」も、要素として俎上に載せなきゃいけない。
そう、日本の「個」が、何度か、アメリカの「攻撃の個」に、やられてしまったんだ。
それに対して・・
アメリカ守備の「個のチカラ」は、ハンパなく強かった。
1対1での「駆け引き」、局面デュエルでの「スキルやスピード&パワー」などなど・・
日本は、そのディスアドバンテージ(劣勢)を、「組織を駆使して」超えていかなきゃいけない。
そう、相手の「個の才能」にパスを入れさせない工夫や、マーキング&カバーリングのスキルアップ、そして例によっての「最後の半歩というファクター」などね。
そして、次の視点が・・
エネーチケー解説の林陵平も指摘していたけれど、ゲーム&チャンスメイキングの質。
そう、言わずもがなの鎌田大地。
実は・・
そう、わたしは、藤田チマに、大いに期待していたんだ。
でも、このゲームでの彼は、とても「遠慮」がちにプレーした。
そう、いつもの、自信にあふれたゲームメイキングが影を潜め、ほとんどが、「勝負パス」ではなく、安全な「逃げパス」に終始しちゃったんだ。
そんな藤田チマに対して、後半から交代出場した鎌田大地は、抜群の存在感を発揮した。
そう、わたしが、よく使っている「空間認知能力」を、効果的に発揮したんだ。
それは、「三次元認知能力」とも言えるけれど・・
とにかく彼の場合は、ボールをもつ前から、誰が、どこにいて、どんな仕掛けイメージングを抱いているかを、正確に把握できているっちゅうコトなんだろうね。
そして、そのイメージングを、うまく活かせるような、タテへの「ヤリの一刺しパス」をブチかます。
もちろん、ほとんどのケースじゃ、展開パスを正確につなぐよ・・
でも、その展開パスにしても、次の、テメ〜の「フリーランニング」をイメージしているんだ。
そう、ワンツー狙いの「緩い安全パス」ね。
そんな硬軟ミックスの「仕掛けイメージング」が秀逸だった。
ドイツ(プロ)サッカーコーチ連盟主催の国際会議で知り合った、鎌田大地を「現場で!」知っているドイツ人プロコーチと、話し合ったコトがある。
・・そう、ヤツの、仕掛けイメージングは、レベルを超えているよな・・
・・そのコトは、チームメイトたちも、理解していた・・
・・だから、ヤツの守備でのサボリは、大目に見ていたし、ヤツにボールが入りそうになった次の瞬間には、タテのスペースへ抜け出すんだ・・
・・そして、ソコに、高い確率で、縦パスが送り込まれてくる・・
フ〜ン・・
そのときは、そんな「感性」で聞いていたと思う。
でも、テーマは、「世界」と対峙しなければならない日本代表だからね。
やっぱり、ボール奪取プロセス(守備)でのサボリは、ダメなんだよ。
そう、森保一ジャパンは、「組織」で、「個のチカラの差」を埋められなきゃいけないわけだから。
それでも、今の彼は、大きく進化&深化し・・
森保一の、鎌田大地に対して期待していた「コンテンツ」が、鮮明に見えてきている。
また鎌田大地自身も、新しいチームにおいて、「王道の進化&進化プロセス」が大事だって、体感「させられた」コトで、大きく伸びたと思う。
それって、たしかに疲れるけれど、彼自身も、やっていて楽しいはずだよね。
そして、この試合でも、ボールを奪われた直後には、全力で「寄せ」るハードワークを、何度も魅せていた(実際に何度もボールを奪い返した!)。
そうなんだよ、才能の「進化ブレイクスルー」を体感するのは、楽しいコトこの上ないんだ。
だからこそ、攻守ハードワークをサボる天才には、厳しい言葉をブチかます筆者なのです。
へへっ・・
あっと、最後に、もう一つ特筆ポイントを付け加えたい。
望月ヘンリー・・
どんどん良くなっている。
それは、彼自身の、自信と確信レベルがアップしたからに他ならない。
だから、周りに「変な遠慮」がなくなった。
そして、だからこそ、スピードと高さっていう、彼の「強み」が、存分に発揮されるようになった。
日本代表においても、町田ゼルビアにおいても・・
彼は、森保一ジャパンにとって、「掛け替えのない武器」になりつつあると思う。
さて・・
まあ、たしかに、負けてしまったことは、ヤナ感じではあるけれど・・
それでも・・
いままで、ベンチを温めるコトが多かった「新しい名前」が・・
グラウンドで、存分にチカラを発揮し、光り輝けたというコトも、このゲームでの、大いなる「成果」だったと反芻している筆者なのであ〜る。
それにしても、森保一・・
サッカーに関する、知識や分析能力が高いのは、当たり前として・・
それにプラスして・・
人のハナシを聞く「謙虚な態度」といい、決めるところは「勇気をもって自身で決断する」トコロとか、選手やスタッフに対する思いやりとか・・
やっぱり最後は、人間性だよ、人間性・・
わたしは、double「H」、アンド、One「C」ってな感じで、大切なヒューマン・クオリティー・ファクターを定義しているんだよ。
Honest(誠実), Humble(謙虚) and Consideration(思いやり)・・ネ。
あっ、スミマセン・・
とにかく、これからの森保一ジャパンの進化&深化が、楽しみです。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは
”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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