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2024_アジアカップ(10)・・組織がダメなら、個があるさ・・そんな「幅が広い」仕掛けツールを有する韓国が、最後は、順当な(!)粘り勝ちを収めた・・(オーストラリアvs韓国, 1-2)・・(2024年2月3日、土曜日)

あっ、終わった・・

後半になって、2度も、瞬間的に、フリーズさせられた。

そう、後半、一点をリードするオーストラリアが創りだした、二つの絶対的ゴール機会。

二つとも、町田ゼルビアで活躍するミッチェル・デュークが、最後のシューターだった。

最初が、完璧フリーのボレーシュート。

二つ目が、これまた完璧フリーのヘディングシュート。

でも、両方とも、わずかに、韓国ゴールを外れていった。

あっと、ゲームの総体的なコンテンツだけれど・・

ボール奪取プロセス(守備)における局面デュエルは、まあ、互角。

でも、次のスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)での人とボールの動きと「そのリズム」では、微妙に、韓国が上回っている。

そう、全体的なイニシアチブは、韓国が握っているんだ。

もちろん、その背景には、オーストラリアが前半42分にブチ込んだ先制ゴールも、ある。

追いかける韓国が、ゲームの流れのイニシアチブを握りつづけるのも道理といったゲーム展開。

でも、うまく、決定的スペースを突いていけない韓国。

そこで、オーストラリアが展開したボール奪取プロセス(守備)のイメージングは・・

韓国のスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)のイメージングを、しっかりと意識したモノだった。

そう、彼らは、ボールがないところでの韓国のアクションを、しっかりと抑えつづけていたんだ。

オーストラリア、アーノルド監督の面目躍如・・ってなコトを感じていた。

とても微妙だけれど・・

そんなオーストラリアの、とても効果的な「守備イメージングの積み重ね」によって・・

まあ、前半でもそうだったけれど、韓国の人とボールの動きが、抑制されるんだ。

そう、結局、「足許パス」のオンパレードってな体たらくなんだよ。

韓国の、ボールがないところでの「人の動きの質」が、無害なモノへと抑え込まれてしまった!?

まあ、そうとも言えるかな。

そしてオーストラリアは、そんな「韓国イニシアチブの流れ」を、うまく逆利用した、効果的なカウンター気味の仕掛けを繰り出していく。

もちろん「それ」もまた、アーノルド監督の「ゲーム戦術イメージ」っちゅうわけだ。

そして、時間ばかりが経過していった。

そして・・

・・こんな展開だったら、勝負は、オーストラリアのモノだな・・

・・そんなコトを考えはじめていた後半ロスタイムのコトだ。

組織がダメなら、個の勝負だ〜っ!!

韓国スーパースターが、「レベルを超えた闘う意志」を炸裂させたんだよ。

そう、ソン・フンミン。

ギリギリまで、「勝負の行方」で追い込まれた韓国に、起死回生のPKを「与えた」んだ。

それは、まさに、個の勇気と覚悟が「凝縮」した、ドリブル突破だった。

だからこそ、闘う意志の炸裂・・

まさに、スーパースターであるコトの意義、ここにあり・・ってな、見事な勝負ドリブルだった。

彼は、複数のオーストラリア選手を抑えながら、タテへ抜け出していったんだ。

ボールを運ぶ、ソン・フンミン。

そして最後の瞬間、ソン・フンミンは・・

後半27分に交替出場した、オーストラリア、ルイス・ミラーが、スライディングタックルを仕掛けてくるコトを、100%確信していた。

いや、ソン・フンミンは、ミラーが、スライディングを仕掛けて「こざるを得ない」ように、ボールと「足」を運んだとも言えるかな。

そして、案の定、ソン・フンミンの足が、ルイス・ミラーに引っ掛けられた。

それは、ソン・フンミンという希代の天才が「積み重ねた」経験則による、相手のアタック・イメージングまで「誘発」する、ボールコントロールだった。

見事・・

そして、そのソン・フンミンは、延長13分のフリーキックも、直接、相手ゴールに叩き込んでしまう。

そんなグラウンド上の現象を観ながら、わたしは・・

・・こんな、「攻守にわたる組織コンテンツ」が拮抗したギリギリ勝負じゃ、やっぱり最後は「個」か・・

・・そんなコトを思っていたよ。

ということで・・

組織がダメなら、個があるさ・・

そんな「幅が広い」仕掛けイメージングを有する韓国が、最後は、順当な(!)粘り勝ちを収めた。

彼らも、強いネ、ホントに。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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