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2023_ルヴァン決勝・・長谷部茂利アビスパは、まさに順当に、勝利を掴んだ・・その長谷部茂利の、選手たちを「解放」し、極限の主体性プレーへと導いた素晴らしい仕事に、乾杯!・・(アビスパvsレッズ、2-1)・・(2023年11月4日、土曜日)

・・アビスパは、とても集中していますね・・

フジテレビ解説の牛若丸が、アビスパのボール奪取プロセス(守備)について、こんな素敵な表現をした。

おっしゃる通り。

長谷部茂利アビスパは、ものすごく力強い「意識と意志」を、爆発させつづけていたんだ。

そう、それこそが、「集中力」と呼ばれている、つかみ所のないファクターの本質なんだよ。

ということで・・

長谷部茂利アビスパのボール奪取プロセス(守備)が、ものすごく美しいというテーマ。

・・素早く、効果的な攻守の切り替え・・

・・間髪を入れずにブチかます、チェイス&チェック(寄せ)・・

・・その初動に、周りのチームメイトは、マーキング&カバーリング等、しっかりと対応する・・

・・もちろん、意識と意志パワーが試される局面デュエルでも、まったく負ける雰囲気がない・・

・・組織的な協力プレスの「輪」の効果レベルを極大化する、選手たちの集散アクション・・

・・そして、例によっての、最後の半歩という決定的ファクター・・

最後の半歩・・

わたしは、ボールを奪い返すための「積極的&攻撃的イメージング」と定義する。

要は、相手のボール動きに対する「予測や読み」のコトね。

ソレがしっかりしているからこそ、相手のファイナル仕掛け(ラストパスorクロス、シュート等)への対応も、とても効果的なモノへと昇華させられる。

フォルカー・フィンケが持ち込んだ「ボール・オリエンテッド」なプレー・・」っちゅう概念ね。

長谷部茂利は、ホント、とても良い仕事をしている。

現役時代の彼は、「あの」李国秀が就任した桐蔭学園高校サッカー部の(李が就任してからの!)第1期生として、チームを引っ張った。

その後、学業でも秀でていた長谷部茂利は、筑波大学へ進学すると思っていたけれど、結局、李国秀のアドバイスを受け、中央大学サッカー部で進化を遂げた。

そしてプロでは、これまた李国秀のアドバイスによって、ヴェルディ川崎に入団した。

その後、川崎フロンターレ、ヴィッセル神戸、ジェフ市原とわたり歩くなかで、絶対的チームリーダーとしてクラブ発展に大きく貢献した。

そんな、現役時代の長谷部茂利だけれど、わたしは、李国秀と「近かった」コトもあって、彼のコトは、いつも傍から気にかけていたんだよ。

彼の、充実したキャプテンシーからして、指導者としても、日本サッカーに大きく貢献するに違いないと確信していたコトも、含めてネ。

そんな長谷部茂利が、アビスパ福岡を、こんな良いチームへと引き上げるわけだ。

まあ、私にとっては、当然の成りゆきではあったけれど・・

以前のコラムで・・

ミハイロ・ペトロヴィッチ率いるコンサドーレ札幌(北海道)と並び、長谷部茂利アビスパ「も」、明確に、リーグの「強豪チーム」と呼ぶに相応しいクラブに成長していると、書いた。

もちろん、そのバックボーンは・・

彼らが展開しつづける、リスクチャレンジを恐れない、積極的&攻撃的ボール奪取プロセス(守備)とスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)だぜ。

まあ、「それら」は、一つのファクターに集約されるでしょ。

そう、選手たちが魅せつづける、極限の主体性プレー。

ボール奪取プロセス(守備)でも、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)においても。

皆さんもご存じのとおり、わたしは、徹底(戦術)サッカーが、嫌いだ。

その考え方は、ドイツ留学時代に、世界のレジェンドプロコーチ連中から、叩き込まれた。

・・オマエは、日本人が、変にカタチに囚われるコトなく・・

・・しっかりと自分たち自身で考え、勇気をもってリスクにチャレンジしていく・・

・・そんな美しい(自由な!!)質実剛健サッカーができることに貢献するんだぞっ!!・・

特に、ヘネス(ヴァイスヴァイラー)と、リヌス(ミケルス)からは、そんな「指示」を受けたモノさ。

だからこそ・・

そう、この試合で、長谷部茂利アビスパが魅せつづけた、主体性サッカーを、心から称賛し、長谷部茂利に対して、感謝の拍手をおくるわけさ。

とにかく・・

前からプレスにしても、状況に合わせて素早く、効果的に「組織する」ブロック守備にしても・・

内容があるし、その「やり方」への「移行」にしても、限りなく、選手たち自身が、考え、判断し、勇気をもってアクションしているって感じるんだ。

さて、最後に・・

アビスパ福岡の、仕掛けリーダー、紺野和也について・・

特に、先制ゴールシーンでの、彼の「勝負イメージング」が、素晴らしかった。

最初のドリブルで相手をかわしたシーンは言うまでもなく・・

次の瞬間、軽くアタマを上げてゴール前の状況を観察したプレーが、秀逸だった。

彼は、前寛之が、酒井宏樹の背後から、決定的スペースへ走り込むシーンを、アタマに投影しながら、そのラストクロスをブチ込んだっちゅうわけだ。

わたしは、紺野和也が、視線を奔らせた瞬間に、鳥肌が立ったモノさ。

そして、もう一人・・

そう、レッズで、その「異能ミドル弾」で目立ちに目立っているホセ・カンテ。

彼は、レッズ明本考浩が、「追いかけゴール」をブチ込んでからの最後の時間帯、二つも、(ホセにとって!!)完璧なゴールのカタチを獲得したんだよ。

最初のミドル弾は、ほんの少しだけGK永石拓海へ「寄りすぎた」ことで、弾かれた。

もう一つは、もう完璧だったけれど、左ポストを直撃した。

わたしは、この二つのチャンスに(ホセにとっては100%チャンス!!)、身体がフリーズしたよ。

でも、入らなかった。

フ〜〜ッ!!

そんな、こんなで、ものすごく興味深い「勝負ファクター」が、まさにテンコ盛りの勝負マッチではありました。

最後に・・

冒頭の「牛若丸」だけれど・・

それは、中村憲剛のコトだよ。

彼の、グラウンド外での、日本サッカーへの貢献に対して「も」、感謝の拍手をおくりますよ。


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ところで・・

チト唐突ですが、知り合いのジャズシンガー、宮崎友紀子さんを紹介させてください。もう、ホントに素晴らしいソウルフルヴォーカリストです。

以前、あるキャフェライブで聴き、いっぺんにファンになったのですが、その宮崎友紀子さんと、偶然、友人のガーデンパーティーで再会したんです。

彼女については、このページあのページを参照してください。

私がコンサートで聴いたのは「ボサノバ」だったけれど、本当に心に染みわたりましたよ。

その宮崎友紀子さん。私の友人で、日本を代表するベーシスト(コントラバス奏者)藤原清登さんともコラボしたらしい。知らなかった。

 藤原清登さんだけれど、あるライブで彼女のヴォーカルを聴き、すぐに「いいですネ〜・・よければ、今度セッションを組みませんか・・」と、オファーしたんだそうな。

「あの」藤原清登だからね、宮崎友紀子さんの実力については推して知るべし・・だよね。

ということで、彼女の最新アルバムのカバー写真も載せておきます。

また、ギタリスト&シンガー(&パーカッション&マウス・トロンボーンなどのマルチ音楽家)として活躍するホブソン・アマラウさんとのコンビがパフォームするYouTube動画へも「リンク」を張っておきま〜す。

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あっと・・

私が愛用しているウエストポーチやバックパック。それについて何人かの方々に質問されたんですよ。それは、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」

ちょっと、プロモートさせてくださいね。

この方は、某有名メーカーのチーフデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードが散りばめられた「METAS」

とてもシンプル。でも、その機能性は、もう最高。お薦めしまっせ。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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