トピックス


2023_日本代表(親善マッチ)・・チャンスメイカーの攻守ダイナミズムの内実によって、サッカー内容が、両極端に振れてしまう・・そう、悪性ヴィールスは、すぐに蔓延しちゃうんだよ・・(日本vsウルグアイ, 1-1)・・(2023年3月24日、金曜日)

スイッチを入れる、刺激プレー(全力スプリント!!)・・

ボール奪取プロセス(守備)においても、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)でも・・

今日の、森保一ジャパンでは、そのスイッチが、なかなか入らなかったんだよ。

そう、後半29分の選手交代までは・・

スイッチ(味方の連動アクションを誘発する刺激!?)・・

ボール奪取プロセス(守備)では、何といっても、全力スプリントでのチェイス&チェック(寄せ)。

またスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)では、ドリブル勝負や、勝負のタテパスなど。

それが、「次」の、ボールがないところでの「動き」を誘発し、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションといった、チャンスメイクの流れを創りだす。

でも、この日の森保一ジャパンは・・

後半29分の選手交替までは、まったく、鳴かず飛ばずだったんだ。

まあ、その元凶は、チャンスメイカーを任された、鎌田大地だろうね。

彼は、「立体空間センス」にあふれる、天才的プレイヤーだ。

テクニック、スキルが素晴らしいだけじゃなく、どこに誰がいるか、またどのようにダイレクトパスをつなげば良いか、正確に「イメージング」できる才能を備えている。

だから、たまに、トニー・クロースを彷彿させる素晴らしいパスや、コンビネーションを繰り出す。

また、たまには、自身でパスを受け、最終勝負シーンで、スターになっちゃったりする。

でも・・

そう、今回のワールドカップでも露呈したように、彼の「サボリ癖」は、まったくといっていいほど、改善の予兆が、見えてこなかったんだよ。

カタールW杯がはじまる直前には、「よい方向」へいっているようには、感じていたけれど・・

でも、時間の経過とともに、攻守ハードワークとリスクチャレンジを「探しまくる」、積極的&攻撃的な「主体性プレー」が、消え失せていった。

そして、今日も・・

トンコ、トンコ・・ってな、動きのリズム。

彼の「寄せ」は、もう完璧な「アリバイプレー」そのものだった。

一度だけ、素晴らしい「爆発」から、ボールを奪い返したけれど・・

そんな彼の「爆発」に慣れていない(!?)チームメイトは、その次の仕掛けに「乗れ」なかった。

とにかく・・

そんなプレー姿勢だから、その「サボリ・ヴィールス」は、すぐにでもチーム全体に蔓延しちゃう。

チーム内では、そんな(天才の!?)サボリ姿勢に対して、様々な「不満」がたまっていると感じる。

だから、彼がフリーでも、誰もパスを出そうとせず、別のスペースへ展開しちゃう。

それって・・

チームのなかで、彼が十分にレスペクトされていないことの証明なんじゃネ!?

普通だったら、プレイヤー自身が、そのコトを敏感に感じ取れるはずだけれど・・

ということで、私は・・

彼が秘める、素晴らしい「才能」を、とても、とても、惜しいと感じているのさ。

まあ、フットボーネーションでは、彼の「立体的な空間センス」は、高く評価されるだろうし・・

周りの味方も、その才能を、テメーのために(!!)うまく活用しようとするでしょ。

でも、森保一ジャパンという日本の代表チームでは、彼を中心にする「感性コンビネーション」を創りあげるためには・・

とにかく絶対的な時間が足りないし、「それ」が正解かどうかも、ものすごく不確かだから、それに賭けるわけにゃ、いかない。

このゲームでの、鎌田大地のプレーを観ながら、カタールW杯での「忸怩たる思い」を反芻していたものさ。

フ〜〜ッ・・

カタールW杯がはじまる頃は、うまく、進化&深化していくって思っていたのに・・

フランクフルトでも、ホンモノのボール奪取プロセス(守備意識)が求められるゲームじゃ、彼を先発に使わないって聞いた。

たとえば、バイエルン戦とかね・・

とにかく私は・・

周りの選手たちの「攻守ハードワーク」が加速していかなかったコトの、最大の「悪性ヴィールス」が、鎌田大地だったって思っているのサ。

そのコトだけは、明言しておきたかった。

でも、今では、そこ(チャンスメイカー!?)には・・

そう、抜群の進化&深化を遂げた、久保建英がいる。

彼の、攻守にわたる、積極的&攻撃的でダイナミックな「主体性プレー」は、他を寄せつけない。

彼が、「そこ」にいたら、堂安律や浅野拓磨、またダブルボランチにしても、攻守にわたる、積極的な「主体性プレー」の内実が、何倍にも高まったに違いないって思う。

残念だね・・

その久保建英・・

何が原因が分からないけれど、このゲームでは、不在だった。

彼がいれば、ボール奪取プロセス(守備)でも、忠実に「スイッチ」を入れられる。

そして、抜群の「連動性」でアクションするチームメイトたちと、効果的に、ボールを奪い返せる。

またスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)でも、より積極的なサポート(ボールがないところのアクション!)によって、人とボールの動きを、何倍にも活性化できる。

まあ、このゲームについては、こんな、「ネガ&ポジ」入り交じる、錯綜した中途半端な感性で、観戦していたっちゅう次第。

ということで・・

次のコロンビア戦では、いつものように、チーム全体が、攻守にわたって「躍動」するような、美しい質実剛健サッカーを魅せて欲しいね。

ガンバレ〜、森保一ジャパン〜〜〜ッ!!


============

最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


===============

 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

==============

 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





[ トップページ ] [ Jワンポイント ] [湯浅健二です。 ]
[ Jデータベース ] [トピックス(New)] [ 海外情報 ]