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2021_なでしこ(トレーニングマッチ)・・強いオーストラリアに対して、「意識と意志とイメージング」という視点で、うまく攻守ハードワークとリスクチャレンジを高揚させられなかった・・(なでしこvsオーストラリア、1-0)・・(2021年7月14日、水曜日)

ふ〜む・・

相手のオーストラリアは、とても力強く、高質なサッカーを魅せるじゃないか。

ボール奪取プロセス(守備)の、連動性も含めた優れた効果レベル。

また、次の攻撃でも、「長短」おりまぜた、とてもスマートなサッカーを展開する。

以前は、タテへシンプルに「急ぐ」パワーサッカー「的」なイメージが強かった。

でも今では、素早く相手ゴールに迫るカウンター(これが長ね)だけじゃなく、人数をかけた組織(組み立て)でも(これが短ね)、しっかりと人とボールを動かすんだ。

(私にとっては!)まさにイメチェンの変幻自在サッカーっちゅうわけだ。

チト、驚いた。

それに対して「なでしこ」。

まさに、彼女たち本来の「お家芸」を奪われた・・ってな感じだった。

特に、人とボールの動き。

「なでしこ」は、個の勝負では限界があるわけだから、攻守にわたって、しっかりと「人数をかけた組織」で対抗していくしかない。

でも、ボール奪取プロセス(前からプレス守備)にしても、次の攻撃での、ワンツーを積み重ねる、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションにしても・・

そうなんだよ・・

「なでしこ」は、攻守にわたる局面プレーで、うまく「数的優位」を演出できないんだ。

大前提である選手たちの動き(集散)が、スムーズじゃない。

もちろん、今年のトレーニングマッチで大勝したパラグアイ、パナマ、ウクライナやメキシコという格下の相手だったら、余裕をもってボールを奪い返せる。

だから、次の攻撃にも「人数という勢い」を乗せられる。

でも、攻守にわたって、組織的にも高質な(!)オーストラリアとの対峙では・・

「なでしこ」の生命線である「運動量(動きの活性化!)」という視点で、オーストラリアの後塵を拝しちゃっていたんだ。

それじゃ、攻守にわたって、なるべく多く、局面での「数的優位」を創りだす・・という絶対コンセプトが、うまく回るはずもない。

でも・・

そう、後半になって登場した交替選手たちによって、そんな、ある意味「ジリ貧」のサッカー内容が、好転していくんだよ。

全体的な運動量がアップしたことで、攻守にわたって、選手たちの集散(クリエイティブな動き!)が、うまくリンクしはじめたんだ。

そして「なでしこ」が、イニシアチブを(本当の意味で!)握れるようになっていく。

やっと、「なでしこ本来のサッカー」を体感できる・・

そう、胸をなで下ろしたモノさ。

もちろん先発メンバーだって・・

最初から「意識と意志とイメージング」のポテンシャルが高ければ、選手交代以降のサッカーに勝るとも劣らないプレーができていたはず。

そうなんだよな・・

究極の心理ゲームであるサッカーでは、選手たちの「主体的な闘う意志」が、うまくリンクし、相乗効果を発揮しなければ、「攻守にわたって単発」ってな低級サッカーに落ち込んでしまうんだよ。

とにかく・・

そう、本大会で対戦するのは、オーストラリア以上にチカラのある、イギリスやカナダといった「猛女」たちだからね。

そして勝ち進んだら、アメリカやオランダ、ブラジル、スウェーデン、中国といった強豪とも対峙しなければならない。

言いたかったコトは・・

もっとも重要なファクターが、ボール奪取プロセス(守備)にあり・・ということ。

「それ」がうまく機能しなければ、まったくノーチャンスだよね。

もしかしたら・・

最後の一週間は、物理的、心理的なマネージメントは当然として、時間を、「うまく編集したビデオ」を観るイメージトレーニングに割くのも一考かもしれない。

自分たちのベストサッカーを観ることで自信と確信レベルをアップさせるだけじゃなく・・

うまくいかなかった勝負マッチでの(特に守備での!)課題を洗い出す・・とかね。

とにかく、良い仕事をしている高倉麻子&Co.の、より一層の「意識と意志とイメージングの高揚」を期待しましょう。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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