トピックス


2020_ACL_決勝トーナメント1回戦・・またまた、強力な「分業サッカー」にやられてしまった・・それでもFC東京は、彼らなりに立派に闘った・・(北京vsFC東京、1-0)・・(2020年12月6日、日曜日)

フム〜〜・・

中国代表を中心にディフェンスブロックを固め(まあ、韓国代表キム・ミンジェもいるけれど・・)、外国人スター選手たちが、攻撃を仕掛けていく北京。

そんな、大枠のチーム戦術イメージは、昔も、いまも変わらず・・ということなんだろうね。

また、その北京のチーム&ゲーム戦術イメージは、フランス人プロコーチ、ブルーノ・ジェネジオの「眼」が確かなことの証明だったという側面もありそうだ。

とにかく・・

ホンモノの「自由」がない文化背景を、しっかりと理解するブルーノ・ジェネジオだから・・

攻撃に必要とされる創造性&想像性は、フットボールネーションの異文化(=外国人スター選手たち)に任せる・・

そして、スピーディーでパワフルな中国選手(+キム・ミンジェ)に対して、徹底して、連動する組織ディフェンスのイメージを仕込むわけだ。

そんなチーム&ゲーム戦術アイデアは、とてもうまく機能していたということだね。

実際・・

全体的なイニシアチブという視点では、人とボールをしっかりと動かす、とても高質なサッカーを展開するFC東京が、互角以上のパフォーマンスを魅せた。

でも・・

そう、肝心の、仕掛けの最終勝負プロセスでは(攻撃の目的であるシュート機会を創りだすという視点では!?)、うまくスペースを突いていけなかったんだ。

ということで、ゴール機会としては・・

FC東京が・・

レアンドロが、何本か放った中距離弾とフリーキック、渡邉剛のヘディング2本、そしてアダイウトンのダイレクトシュートくらいだったですかね。

それに対して北京は・・

何度も、サイドの決定的スペースを攻略したグラウンダークロスから、まさに決定的なダイレクトシュートを放ったり(そのうちの一本が決勝ゴール!)、個の勝負から(これまた決定的な!)フリーシュートを放ったり。

そんな北京のチャンスメイクを引っ張ったのは、もちろん、フットボールネーションからの助っ人スター外国人選手たち。

ということで・・

ブルーノ・ジェネジオ監督がイメージした(!?)ゲーム展開が、ピタリと、実際のグラウンド上に投影されてしまったっちゅう印象が強く残った。

多くの時間帯で、ゲームの流れを支配していたFC東京。

でも、ウラのスペースを攻略していくプロセスでのパスが、一つ、二つ多すぎたのかもしれない。

もちろん、ダイレクトパスを織り交ぜた組織パスなど、彼らの仕掛けコンビネーションイメージは、とても高質で、良かったとは思うけれど・・

それでも、この劣悪なピッチコンディションや、局面デュエルで激烈に強い、スピーディーでパワフルな中国&韓国の代表ディフェンダーを相手にするわけだから、あまり緻密なコンビネーションイメージは、逆効果!?

ミドル弾をブチかまそうにも、寄せが素早くパワフルだし、アバウトなクロス(放り込み)にしても、北京ディフェンスは、高さ「も」兼ね備えている。

そして、ボールを奪い返せば、攻撃イメージに深く浸透している、外国人が主体になった「カウンター気味の仕掛け」を、オートマチックに繰り出していくんだよ。

とにかく・・

FC東京は、彼らなりの立派なサッカーを展開したと思うし、胸を張って帰国して欲しい。

お疲れ様でした。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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