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2019_U20WM・・ゲーム戦術イメージの忠実な(勇敢な!)遂行と、主体的な(勇気の!)粘りディフェンス&組織オフェンスのコラボレーションが秀逸だった・・(日本vsメキシコ、3-0)・・(2019年5月27日、月曜日)

今日は、朝の5時起きで、友人の追悼ミサ(カソリック)に行ってきました。

もちろんゲームを最後まで見届けてからベッドへ入りましたよ。

でも、そのカトリック教会が、かなり遠かったことで、5時起きっちゅうことになったわけさ。

ということで、帰宅してから、取り敢えずのインプレッションだけは公表しておこうとキーボードに向かった次第。

さて、コラムの「入り」だけれど・・

前回コラムのタイトルで書いたように、影山雅永さん率いるU20日本代表が、しっかりと進化、深化しているコトを確認できたっちゅう書き出しにしようかな。

まず、何といっても、守備。

影山雅永さんが中心になって、メキシコに対する「守備イメージ」を突き詰めたに違いない。

何といっても彼らは、レベルを超えたドリブラーを、複数、擁しているからね。

そんな、「個のドリブル勝負」を中心に仕掛けてくるメキシコに対し、決して、安易にアタックせず、とにかく、最後の最後まで、粘り強くマークしつづける影山ジャパンなんだよ。

たしかに何度かは、ドリブルでブッちぎられたり、必殺スルーパスを通されて、「やられてしまいそう」にはなったけれど、それでも、GKのファインプレーや守備ブロックの集中が途切れることは、まったく、なかった。

だから、決定的な瞬間に伸びる「最後の半歩」は、見事の一言だったんだ。

あっと・・

この「最後の半歩」というグラウンド上の現象だけれど、それには、足だけじゃなく、身体を投げ出してシュートをブロックするようなギリギリの守備プレーも、もちろん含まれているんだよ。

念のため・・へへっ・・

そんな、素晴らしかった「粘りディフェンス」のスタートラインは、もちろん、影山雅永さんの「優れた戦術&心理マネージメント」だったはず。

でもネ・・

そう、試合が始まってしまえば、監督ができることは、そんなに多くない。

だからこそ・・

そう、選手たち一人ひとりが、考え、決断し、勇気をもってリスクにもチャレンジしていくような、ギリギリの「闘う意志」こそが問われるんだ。

その「意識と意志」を、高みへと「引き上げ」るだけじゃなく、トーナメント期間中、ハイレベルで維持することも、監督・コーチの、とても重要な役割っちゅうわけさ。

いや・・

実は、そんな、選手たちが主体的にリスクチャレンジしていけるような「心理マネージメント」こそが、本当の意味での「プロコーチのウデ」っちゅうことなんだろうね。

そのテーマについては、ヘネス・ヴァイスヴァイラーやリヌス・ミケルスも、異口同音に、同じようなニュアンスの言葉で、口を酸っぱくしていたっけ。

そして・・

そんな粘りディフェンスこそが、チームの自信と確信レベルを押し上げ、それが、「あの」ハイレベルな組織オフェンスの(勇気という!)礎になった・・と思うんだ。

そう、攻守ハードワークとリスクチャレンジに支えられた、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーション・・。

もちろん影山ジャパンの選手たちは、ボールタッチ&コントロールでは、「世界」と遜色ない。

そんな局面プレーをベースに、しっかりと「人とボールを動かし」つづけるっちゅうわけだ(とても素敵なリズムがそこにはある!)。

だからこそ、次、その次の「スペース攻略」も、メキシコ守備が浮き足立つほどの「危険なニオイ」を放散しつづけられた。

それにしても・・

この試合でも、日本が展開する「組織的な仕掛け」と、中南米がブチかます「個の才能ベースの仕掛け」のコントラストは強かったよね。

たしかに、メキシコの個の才能は、もう世界レベル。

でも・・

そう、それは、「諸刃の剣」ってなニュアンスも強いんだ。

そう、だからこそ、ボールがないところでの人の動きが加速していかないし、それに一貫性が(一貫した仕掛けリズムが!)感じられない。

もちろん、ドリブルで日本ディフェンダーを「振りまわし」たら、穴が出来るよね。

そんな「明白な仕掛けどころ」が見えたら、周りのチームメイトだって、「そこ」に走り込むさ。

でも・・

そう、メキシコは、多分あまり経験したことのない(!?)、日本の「粘り強い抑制ディフェンス」と対峙したんだよ。

だから、周りのチームメイトたちも、明確な仕掛けイメージが描けず、ボールがないところでの人の動き(3人目、4人目のフリーランニング!?)も加速していかなかった。

さて・・

ということで、メキシコに快勝した影山ジャパン。

でも次は、様々な意味で、本格的に「組織と個」が高質にバランスするイタリアだからね。

もちろん、「相手にとって不足なし・・」ではあるけれど・・

厳しい闘いになるでしょ。

でも、こんなポジティブな見方もできるんだよ・・

・・影山ジャパンは、ハングリーなチャレンジャー・・

・・それに対して・・

・・国を挙げた期待という「重圧」を背負うイタリア・・

だから影山ジャパンは、リラックスするなかで、勇気マンマンに闘えるんじゃないか!?

さて、どうなるか・・

期待しましょ・・

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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