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2019_ACL準決勝_1・・まさに完璧な「美しい質実剛健サッカー」だった・・(レッズvs広州恒大、2-0)・・(2019年10月2日、水曜日)

・・我々には、個人的に能力の高いプレイヤーが揃っている・・

・・その良さを活かせば、次のホームゲームでは、決勝へ向けて、大きなチャンスを創りだせると確信している・・

広州恒大、ファビオ・カンナバーロ監督が、そんなコトを言うんだよ。

でも・・

その後に、中国人ジャーナリストからの質問に対して(誰かのパフォーマンスが良くなかった?)、こんなコトを言うんだ。

・・サッカーは組織的なスポーツだ・・

・・だから、結果について、個人の責任を追及するのは、正しくないケースが多いんだよ・・

・・だって、サ。

フムフム・・

上海上港にしても、広州恒大にしても、中国チームが、全般的に、より、「個の勝負」を前面に押し出して仕掛けてくることは、衆目の一致するトコロだと思う。

このところのACLコラムでは、そんなニュアンスの内容を、何度か深掘りしたよね。

そう、攻撃に、優秀な「外国人」を揃え、その後方で、地元選手たちが攻守ハードワークに勤しむ・・ってな構図のことね。

そして、「その国」のサッカーレベルが高揚していかない・・!?

もちろん中国選手たちの「個の能力」は、決して侮(あなど)れないよ。

でも、それを機能的に活かしていくためには、あくまでも、「組織プレー」がしっかりと機能していなきゃいけないんだよ。

そう、人とボールの「動き」と、その「確固たるリズム」を絶対ベースにした、組織的な「スペースの攻略プロセス」が、しっかりと機能しているっちゅうことネ。

それがあって初めて、様々な意味合いを内包する「本物のスペース攻略」プロセスで成功し、そしてだからこそ、「個のドリブル勝負」も、より効果的にブチかましていける。

そう、「組織と個」の、ハイレベルなコラボレーション(バランシング)。

中国チームでは、残念ながら、「そんな発想自体」が不十分って感じられるよね。

だから、結局は、足許パスばかりで、最後は「個の勝負」の可能性しか残されていない。

もちろん、その個の勝負へのプロセスが「ツボ」にはまったら、そりゃ、世界レベルの才能だからね、相手は致命的なピンチに陥ってしまうでしょ。

だからこそ・・

この日のレッズ守備が、「彼らのツボ」を効果的に抑制するという意味合いで、本当に素晴らしかった・・と賞賛を惜しまないわけさ。

その、「今日のレッズ」だけれど・・

うまく描写できるかどうか自信ないけれど、ちょっと、チャレンジしてみようかな。

ということで・・

オレの目には、今日のレッズのサッカーは、「こんな風」に映っていたんだ。

・・5人の最終ライン(最終守備ブロック)・・

・・そして、5人の、基本的な前線ブロック(クインテット)・・

・・その両方を「つなぐ」リンクマンだけれど・・

・・守備的なタスクは青木拓矢で、攻撃的なタスクはエヴェルトンが担うというのが、基本的なゲーム戦術イメージなんだろうね・・

・・もちろん青木拓矢も、チャンスを見計らって、前線へ飛び出していく・・

・・彼は、効果的な守備とゲームメイキングだけじゃなく、ボールを持ったときの「決定的仕事の内容」でも、才能にあふれているよね・・

・・またエヴェルトンも、攻守にわたって、ブラジル代表パウリーニョに勝るとも劣らないパフォーマンスを魅せてくれた・・

・・とにかく、このダブルボランチは、攻守にわたって、とても創造的、想像的に、効果的な「リンキング機能」を発揮しつづけていた・・

・・その絶対ベースが・・

・・想像的&創造的に、攻守にわたる実効プレーを積み重ねるための、最高の集中力と、十分な運動量(全力スプリントの積み重ね!!)っちゅうわけだ・・

・・彼らの、攻守にわたる「リンキング機能」が素晴らしかったからこそ、広州恒大の「個の才能」も、まったくといっていいほど、良いカタチでボールを持てなかった・・

・・とにかく、彼らのパフォーマンスにはアタマが下がる・・

・・また、橋岡大樹と関根貴大で組む、両サイドバック・・

・・上下動が、とても活発で、そのダイナミズムは、高みで安定していた・・

・・だからこそ、3人目、4人目のサポートアクションでも存在感を発揮できた・・

・・そう、攻守ハードワークとリスクチャレンジの積み重ね・・

・・だからこそ、レッズの組織的な攻撃に、十分なダイナミズムを与えられた・・

・・あっと、前線トリオ・・

・・もちろん彼らも、ものすごく危険な最終勝負だけじゃなく、素早い攻守の切り替えから、守備にも積極的に参加しつづけていた・・

・・この試合でのレッズは、ことほど左様に、チーム全体が、素晴らしく創造的&想像的なクオリティーにあふれていた・・

・・だからこそ、上海上港とのリターンマッチでブチかましたサッカーに勝るとも劣らない「美しい質実剛健サッカー」を機能させられたったゅうわけだ・・

でも・・

何か、今日のレッズの「美しい質実剛健サッカー」が、うまく表現できていない・・って感じる。

何だろうね・・

とにかく、ものすごくステディーで効果的なブロック守備と、その後の、リスクチャレンジあふれる活発な(人数を掛けた!)組織オフェンスが、これ以上ない程うまく機能していたっちゅうことなんだけれど・・。

もちろん・・

そう、相手の必殺カウンターに対しても、素早い攻守の切り替えから、ダイナミックな戻りスプリント(前述の両サイドバック!!)も含めて、とても効果的に対処できていたよね。

とにかく、今日にレッズについては・・

完璧な「意志の闘い」を披露し、スーパーな結果までも掴み取ったレッズ・・ってな表現がふさわしいと思うよ。

選手たちの「個の闘う意志」が、素晴らしくコラボレートした勝利ではありました。

また、大槻毅さんの「優れた仕事」にも、乾杯っ!!

ところで・・

そう、レッズ諸君には・・

このゲームでのゴールが、両方ともスーパーミドル弾だったという事実を見つめ直し・・

そのコノテーション(言外に含蓄される意味合い)を深掘りするなかで、そこで見出した「何か」を、効果的なイメージトレーニング素材として(!)活用し尽くして欲しいね。

サッカーって・・ホントは、とってもシンプルなボールゲームなんだよ。

へへっ・・

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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