トピックス


2018_WMの13・・情緒にまかせ、ゲームと同時並行でキーボードを叩きつづけていた筆者でした・・そして最後の歓喜・・でも心の底から疲れた〜・・(ドイツvsスウェーデン、 2-1)・・(2018年6月23日、土曜日)

やっぱり、ドイツ戦となると、気合いの入り方が、まったく違う。

何せ、ドイツにとっては、生きるか死ぬかの勝負マッチだからサ。

それにしても・・フ〜〜ッ!!

心拍数も上がり気味。それが、チャンスやピンチの流れに入るたびに、キュッとアップする感じ。

とにかくドイツにとっては、決して落とすことができない、いや、絶対に勝たなきゃならない勝負マッチなんだ。

にもかかわらず、全体的なポゼッションは7割に達していのに、何度も、一発カウンターで決定的ピンチに陥ったりしちゃう。

要は、中盤と最終ラインが、ものすごく不安定だっちゅうことだ。

そんなネガティブな流れのなかで、「あの」天才パサー、トニー・クロースのタテパスがカットされてしまうんだ。

それは、事前に完璧に狙われていたからこそのパスカットだった。そして、そこからのタテパス1本で、抜け出されて浮き球シュートを決められちゃう。

スウェーデンの先制ゴ〜〜ルっ!!!

アタマにきた・・

それは、まさに目をおおいたくなるような、鈍重なディフェンスアクションだった。

その後も、何度も、タテへ抜け出され、決定的なピンチの流れが創りだされるんだよ。

また攻撃でも、とにかく一人も、リスクへチャレンジしていかないことに苛立ちがつのる。

エジルの代わりに先発したマルコ・ロイスにしても、本来はスーパードリブラーであるはずのドラクスラーにしても、まったくチャレンジせず、横パスやバックパスに「逃げる」だけなんだ。

ホント、アタマにくる・・

また、コンビネーションにしても、ボールがないところでの人の動きがまったくないから、いくらタテパスを入れても、「次の仕掛け」につながらない。

それじゃ、ダイレクトパスによるコンビネーションだって、出てくるはずがない。

これは、本当にダメかも・・

これが、このチームの限界なのかも・・

それが前半を見終わったときの正直な感想だったんだよ。

そして後半・・

まったく良いところのなかったドラクスラーに代わってマリオ・ゴメスが出てきた。

そのアタマとポストプレーを活用するような積極リスクチャレンジが出てくるだろうか?

後半の立ち上がりは、まず、そのコトだけを注視しよう。

でも結局は、流れが好転する気配がないんだよ。

スウェーデンの守備ブロックは、ホントに強い。彼らは、次、その次を予測して、すでに動きはじめているんだ。

だから、素早いパスをつなごうとしても、次、その次のパスレシーバーが狙われちゃう。

もう、ホントに、フラストレーションばかりが溜まりつづける・・

でも・・

フラストレーションが溜まりはじめていた後半3分。コトが起きたんだ。

それは、とてもラッキーな同点ゴールだった。

ゴールは、最高のモティベーションリソース・・

だから、そこからドイツの、失敗を怖がる受け身のプレー姿勢が、変わりはじめるんだ。

ちょっとフッ切れたのか??

まあ、そりゃ、そうだ。彼らには、もう「フッ切れるコトしか」残されていないんだから。

そのとき私は、「そうだ〜!・・そのフッ切れたマインドを増幅させるんだ〜!・・そのまま、行け〜〜っ!!」なんて、心のなかで叫んでいた。

いや・・

たまには、実際に、ドイツ語が口をついたこともあった。まあ、周りにはドイツ人はいないでしょ。

だって、スウェーデンが先制ゴールを挙げたとき、プレスセンターでは、大歓声が上がっていたからね。

それに対して、ドイツの同点ゴールシーンでは、落胆の雰囲気「だけ」がプレスセンター全体を支配したもんだ。

ドイツは、ホントに嫌われているんだな〜〜・・

まあ、畏怖の念は強いんだろうけれど・・

わたしは、ゲームを追いながら、キーボードを叩きつづけている。

まだ、残りは30分以上あるし、ドイツの調子は上がりはじめている。

これは・・もしかしたら・・

同点ゴールをブチ込んだ直後のような高揚した雰囲気ではないけれど、少しは「積極的に仕掛けていく流れ」は出てきたように感じるんだよ。

それでも、なんか、鈍重。いつものような、人とボールの軽快な動きが感じられない。

それに、ミスパスも多い、多すぎる。「あの」トニー・クロースにしても例外じゃないんだから、なんか、病気・・。

それに、ダイレクトパスを織り交ぜた、軽快な組織コンビネーションなどは、まだほとんど見られない。

そして徐々に、再びスウェーデンが勢いを盛り返していくんだ。

とはいっても、ドイツも、しっかりと攻め上がろうとはしている。

そう、ダイナミックなせめぎ合い・・っちゅう展開になってきたんだ。

さて〜〜・・

そんな、ものすごく「動的」な展開がつづいていた後半37分、あろうことか、最終ラインの重鎮ボアテングが、二枚目イエローで退場させられてしまうんだよ。

これでドイツは、ロスタイムも含めて、残り10分強を10人で闘うことになってしまった。

でも・・

そう、そんな逆境のなかでもドイツは、何度かの決定機を創りだしたよね。

後半43分には、トニー・クロースのクロスボールを、マリオ・ゴメスがヘッドでブッ叩いた。

誰もがゴールだと思った次の瞬間、ヘディングシュートされたボールは、スウェーデンGKの真正面に飛んでいってしまう。

もうホントに、気持ちが折れそうになった。

また、最高に盛り上がったのは、ロスタイムの後半47分に、交替出場したブラントが放ったミドル弾が、スウェーデンゴールの左ポストを直撃したシーンだったよね。

でも、ゴールならず。

どんどん気持ちが折れていく。

そして・・

・・結局は、このままタイムアップということになってしまうんだろうな・・

・・そうなれば、ほぼ、ドイツのロシアW杯は終わることになる・・

・・フ〜〜ッ!!・・

・・結局このドイツ代表は、ワールドチャンピオンとなったチームの「過渡期グループ」っちゅうことなんろうね・・

・・まあ、仕方ない・・

・・でも、W杯はまだつづく・・

・・まだまだ、フランスやベルギー、スペインやブラジルといった、美しく勝てる強力チームが残っているじゃないか・・

・・とにかく、最後の最後まで、W杯をとことん楽しむゾ〜〜ッ!!・・

・・感情にまかせてキーボードを打ちつづけたけれど、それでも、「それもサッカーさ・・」っていう事実は、心の底では、しっかりと理解しているんだよ・・

・・ご心配なく・・

とても落胆しながら、そんなコトまで、アタマのなかを駆けめぐっていたんだよ。

でも、そこまで書いていたら、ドイツが、決定的なゾーンでのフリーキックを獲得したんだ。

半分は期待し、半分はシニカルに構えながら、そのフリーキックを、ボンヤリと見ていた。

そしたら・・

トニー・クロースからロイスへ短くパスが出される。

そこでロイスが止めた(位置がズラされた!)ボールを、走り込んできたトニー・クロースが、右足一閃・・!!

蹴られたボールは、ものすごく美しい放物線を描きながら、スウェーデンゴール、ファーポストのサイドネットの上端に吸い込まれていったんだ。

自分の目が信じられなかった。もちろん、感情が爆発することもなく、冷静に、そのゴールが認められるかどうかを確かめていた。

そして・・

小さくガッツポーズをしてから周りを見回したんだ。

もちろん歓声は上がっていたけれど、それは、どちらかといったら、驚きと落胆がミックスしたような雰囲気だったね。

そして・・

一度、大きく深呼吸して、「でも、それもサッカーだよね・・」って自分に言いきかせていた。

フ〜〜ッ・・とにかく疲れた。

もう帰って寝よう。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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