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2018_アジア大会(準々決勝)・・強烈に厳しいスケジュール、暑さ、劣悪ピッチなども含め、森保ジャパンにとっては、これ以上ないほど厳しい激烈チャレンジ(価値ある学習機会!?)だね・・(日本vsサウジアラビア、2-1)・・(2018年8月27日、月曜日)

決勝トーナメント1回戦、マレーシアとの勝負マッチですが・・

約束していたコラムは、所用が重なったため、結局アップすることは叶いませんでした。

申し訳ありません。

ということで気を取りなおし、サウジアラビアとの(本日の!)準々決勝からリキを入れて観戦することにした次第です。

フラストレーションが溜まりまくる、現地カメラクルーによる中継映像にもめげずに・・ネ。

それにしても・・

サウジ選手たちの「個の能力」は、(アジアの!?)レベルを超えている。

もちろん、フィジカルとテクニック「だけ」に限ったハナシ・・ネ。

そう・・

彼らには、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションによるスペース攻略・・などといった発想自体が、ない。

そう、戦術イメージのレベルは、高くないんだよ。

だから、守備にしても、人とボールが動きつづける組織コンビネーションで攻め込まれた場合、次、その次の「勝負のスペース」をイメージするのに四苦八苦する。

でも・・

そう、それに対して攻撃は、ものすごく危険。

あっ、と・・念のため言っておくけれど・・

もちろんサウジ守備は、個の勝負に対しては、当然ながら、とても強いんだよ。

そして、サウジ仕掛けの危険レベルが高いというハナシ・・

要は、スペースを攻略していくための(彼らにとって!)唯一の手段である「個の勝負ドリブル」が、スピードとテクニックが秀でていることで、レベルを超えて危険なんだよ。

スペース攻略・・

言わずもがなだけれど、それは、ある程度フリーでボールを持つ味方選手を演出すること。

日本は、主に、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションで(要はパスで)スペースを攻略していくというイメージだよね。

だから、日本の場合は、組織コンビネーションの「なかに」個のドリブル勝負というファクターも内包されているというイメージなんだよ。

そう、スペースを攻略した状況だったら、ドリブル勝負だって、より効果的にブチかましていけるでしょ。

そんなイメージの日本に対してサウジは、個のドリブル勝負を、限りなく前面に押し出しながらペースへ割って入る・・というイメージ「しか」ないんだ。

もちろんパスはするけれど、それは、勝負ゾーンを「つなぐ」だけの、足許パスが主体。

そして、そこから、個のドリブル勝負をブチかましていくというイメージ。

日本ディフェンスは、そんなサウジの仕掛けイメージはよく分かっている。

でも、どうもまだまだ勝負シーンでの経験が浅いことで(!?)、取れると思って、安易なボール奪取アタックを仕掛けてしまったり、変な「待ち」の姿勢が原因で置き去りにされてしまったり。

そんな、サウジのドリブラーに、マークを外されてしまうシーンが続出するんだよ。

でも・・

そう、複合的で効果的なカバーリングに代表される、日本ディフェンスの「忠実な粘り」は、最高レベルにある。

だから、ドリブルで置き去りにされても、そこでアクションを止めることなく、次、その次と、守備アクションを、どんどん継続していくのさ。

だから、(自分一人で!?)ドリブル勝負を完結しようとするサウジのドリブラーは、いつかは潰されちゃう・・っちゅうわけだ。

サウジは、繰り返し、日本のアタックをかいくぐる勝負ドリブルで進むシーンを演出する。

でも結局は、決定的スペースを攻略する(決定的シュートをブチかます)ところまでいけたのは、数えるほどしかなかった。

そんな「チカラワザ」のサウジに対し、日本は、とてもスマートに決定的スペースを攻略し、繰り返し効果的なシュートシーンを創りだしていた。

あっと・・

もちろん「1点のリードを守り切るフェイズ」に入った(サウジのゴリ押しの仕掛けを受け止めていた!)時間帯は、除いて・・ネ。

そんな、日本の効果的な組織サッカーだけれど、それでも、多くの問題を抱えていたよね。

そう、ちょっとでも人とボールの「動きが停滞」したら、すぐにでもサウジのディフェンダーに潰されてしまう・・とかね。

そうそう・・

日本がブチかますコンビネーションの「動き」が「停滞」気味になるというグラウンドの現象だけれど、そのもっとも大きな要因は、何といっても、劣悪なピッチ状態にあった。

このことは、マレーシア戦でも同じだった。

まあ、その条件は相手も同じなわけだけれど、いかんせん、日本はダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーション「命」でスペースを攻略していくわけだから・・。

それに対して、マレーシアにしてもサウジアラビアにしても・・

彼らのパスは、単なる「勝負ゾーンの移動」にしか過ぎず、最終勝負は、その全てがドリブル勝負に拠るわけだから・・さ。

まあ、条件的には、日本だけじゃなく、韓国にとっても厳しいんだろうな。

あっと・・

この年代でアジア最強のウズベキスタンを忘れていた。スミマセン・・

あっ・・と、いま、そのウズベキスタンと韓国による準々決勝の結果が入ってきた。

結局「韓国」が、延長まで入った激闘を、「4-3」で制したということらしい。

延長では、ウズベキスタンの選手が退場処分にもなったとのこと。

フ〜〜ッ・・

何となく・・

そんな「ファクト」だけでも、また彼らの強豪イメージからしても、まさに、絵に描いたような激闘だったことが目に見えるようだ。

ということで・・

なか1日で準決勝、そして、なか2日で決勝と、暑く、劣悪ピッチのインドネシアであることも考えれば、まさに「地獄のスケジュール」のなか、森保ジャパンの(最高の学習機会としての!?)チャレンジはつづく。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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