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2017_EAFF(なでしこ_3)・・なでしこは、立派なサッカーを魅せてくれた・・結果がついてこなかったことは残念だったけれど・・(なでしこvs北朝鮮、0-2)・・(2017年12月15日、金曜日)

・・ヨ〜シッ!!・・意地の(!?)ぶつかり合いになるぞ〜〜っ!!・・

立ち上がりから、両チームがブチかます大迫力プレッシング(ボール奪取勝負プロセス!)の応酬に、思わず(嬉し過ぎて!?)頓狂な声が出た。

そうなんだよ・・

実は私は、「なでしこ」が、北朝鮮の強力プレッシングに、ゲーム立ち上がりは押し込まれるかもしれない・・なんて心配していたんだ。

だから、立ち上がりのゲーム展開を観ながら、「スミマセンね高倉さん・・なでしこを、チト甘く見ていた・・」なんてコトを思っていた。

前回の中国戦では、高倉麻子監督に、「北朝鮮の強烈なプレッシングだが、それを、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションでうまくかわしていけるかがテーマになると思うのだが・・」なんていう質問を投げたっけね。

ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションがうまく回れば、北朝鮮プレッシングの逆を取ることで、寄ってきた相手選手を置き去りできるし、決定的スペースも活用できる。

でも・・

そう、両チームがブチかます(互角の!?)プレッシングの応酬によって、北朝鮮も、そんなに前へ重心を移せなくなった(安易に、前からボールを奪いにいけなくなった)んだよ。

そうなったら、もう「なでしこ」のもの。

そう、そんな「イーブンな勢い」の、イニシアチブをめぐる「せめぎ合い」だったら、技術的、戦術的なチカラで一日の長がある「なでしこ」に流れが寄せてくるのも道理だったんだ。

高倉麻子監督は、「前半は、北朝鮮にボールを持たされていた・・という印象が残った・・」なんて言っていたけれど、実際は、北朝鮮も、日本の(技術的・戦術的な)チカラに、少し、心理的に押され気味になっていた(ビビっていた!?)んだよ。

その事については、北朝鮮のキム・グァンミン監督も、認めていたよ。

私の、キム・グァンミン監督に対する質問・・

・・前半は、日本のサッカーに、かなり押されていた・・

・・でも後半は、フッ切れた攻撃的(積極的な)サッカーへと変身した・・

・・サッカーは心理ゲームでもあるから、ハーフタイムで、かなり檄を飛ばしたのでは?・・

それに対して、キム・グァンミン監督は、笑みをたたえながら、こんなニュアンスの内容をコメントしてくれた。

曰く・・

・・ハーフタイムでは、まず選手たちに、こんな質問をしたんだ・・

・・どうだい?・・(たしかに日本も強いけれど・・)でも自分たちの方が強いと思わないか?・・

・・そこで、前半の局面でのプレー内容(ボールをめぐるデュエル内容など!?)を静かに反芻させたんだよ・・

・・それで選手たちが、そうだ、自分たちだってやれるじゃないかって思い直したんだ・・

・・だから、(ビビることなく!)思い切り(攻守にわたって)仕掛けていけって指示を出したというわけさ・・

・・そして後半・・

・・選手たちは、攻守にわたって積極的にプレーすることで自信を取り戻していったんだよ・・

・・私は、前半と後半のゲーム内容の変遷を、そう考えているんだ・・

いいね〜、キム・グァンミン。同業者として、レスペクトしますよ。

あっと・・後半のゲーム内容・・

たしかに前半とくらべて、北朝鮮はフッ切れた積極サッカーを展開するようになった(プレッシングの勢いが上がったことで、実効レベルもアップした!?)。

でも、ゲームのイニシアチブが、イーブンになったというだけで、決して「なでしこ」が、物理的、心理的に押し込められたというわけじゃない。

そんな事実に反し、どうも、ゲームに負け、優勝できなかったことで(!?)記者会見の雰囲気は、とても暗かった。

その暗さに我慢ならず、高倉麻子監督に、こんな質問をした。

・・(前述のゲーム展開に関する持論を展開したあとで)・・サッカー内容的には、進化プロセスのまっただ中の「なでしこ」として、まったく問題ないし、次につながると思う・・

・・それにしては、記者会見の雰囲気が暗すぎやしませんか?・・そのことについて、コメントをお願いしま〜す(場内・・チト笑いに包まれた!?)・・

へへっ・・

まあ、その後の高倉麻子監督のコメントが、ポジティブなニュアンスに変容していったことは言うまでもないよね。

ドイツサッカーの父と呼ばれる(デッドマール・クラーマーやヘネス・ヴァイスヴァイラーの師匠でもあった)故ゼップ・ヘルベルガーが、トレーニングについて、こんなコトを言った。

曰く・・

・・最高のトレーニングは、選手たちが、(心から)笑いながら、疲労でブッ倒れるようなヤツなんだよ・・

いいでしょ。

もちろん、チームの雰囲気のことだよ。進化、深化するチームは、常にポジティブな笑いに包まれているモノなんだよ。

まあ、このテーマにつては、もうこれ以上、語る必要なんてないでしょ。

それは、皆さんが、日常の社会生活で、常に体感していることでしょうから・・ネ。

あっと・・

「前述のゲーム展開に関する持論・・」というクダリで、書き忘れていたことがあった・・

そう・・

後半、ゲームのイニシアチブをめぐる「イーブンのせめぎ合い」がつづいているなかで、「あの」スーパーゴールが生まれたという事実が内包する意味合い。

その「背番号12」のゴールは、(まあ、女子にしてはだけれど・・)あり得ないほどスゴイ爆発スーパーシュートだった。

とにかく「あれ」は、女子の世界じゃ、非日常のゴールだったんだよ。

そして、そのゴールから、(若い!!)北朝鮮の選手たちがブチかますプレッシングの圧力(攻守ダイナミズム)が、大きくアップしたというわけさ。

彼女たちは、かけがえのない勇気と元気をもらった・・っちゅうコトなんだろうね。

とはいっても・・

それでも「なでしこ」は、そんな、相手のパワーアップにもかかわらず、最後の最後まで立派に闘いつづけた。

そのことは、確かな事実だったんだ。

そのサッカー内容は、(結果とは関係なく!)決して恥じ入る「筋合い」のモノじゃない。

そのコトだけは、明確に言っておきたかった。

そして・・

最後に、もう一つだけ・・

個のチカラ(勝負能力!?)をアップさせる・・というテーマについて。

もちろんそれは、議論するまでもなく、常に追求しなきゃいけない普遍的なテーマさ。

でも・・

そう、日本の場合は、あくまでも、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションが大前提の「個の勝負」なんだ。

そう、より有利に個人勝負を仕掛けていけるカタチを「組織的に!」創りだすことこそがプライオリティーのテーマっちゅうことさ。

何か、「個のチカラ」ってな言葉が、完璧に一人歩きしているような・・

そりゃ、メッシやクリスティアーノ・ロナウドくらいの才能がいれば、その「天才」を活用しない手はない。

だから、彼らが中盤でボールを持ったら、決して邪魔をしないポジショニングやフリーランニングを忠実に仕掛けることで(三つ目の可能性としてのラストパスを受けられるようなスペースランニング等などで)、その天才をサポートするっちゅうわけさ。

でも、そんな個のチカラの大天才は、世界選抜チーム(クラブ)にいるだけさ。

そして・・

そんなレアルやバルサ、バイエルンやマンC、マンU、チェルシーやアーセナル、ユーヴェントスや(列挙は、ここまで〜!!)にしても、やっぱり、基本は、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションなんだよ。

それは確かな事実なんだ。

CWC準決勝で、アルジャジーラ相手に苦戦を強いられたレアルだったけれど、立ち上がり10分間につくりだした五本の決定的チャンスを決めていれば(タラレバのハナシだけれど・・)、まつたく問題なく、余裕のゲーム運びで勝ち切っていたでしょ。

言いたかったことは、その五本のチャンスにしても、結局は、ラストパスやラストクロスによって創りだされたモノだったということ。

そう、組織コンビネーション。

まあ、「個のチカラ」という表現が、どのようなニュアンスで使われているのか・・については、千差万別のディスカッションがあるんだろうけれど・・サ。

それって、基本的な個人戦術能力やグループ戦術能力のコトじゃないよね・・個人で局面を打開していく能力・・のことだよね!?

えっ・・違うの!?

へへっ・・

では、これから、殺人的に寒いなかを、単車ライドで帰還しま〜す。

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ところで・・

私の、とても近しい友人である「カーラ・ライフ」さんが経営する、鎌倉にある「シーキャッスル」というドイツレストラン。

今年、実に「60周年」を迎えたんだよ。

そのシーキャッスルについては、HPはないから、「このページ」や、「あのページ」「こんなページ」、またご自分で検索されたページなどをご参照あれ。そのインプレッションでは、「カーラ」が、とても丸くなっているっちゅうことだけれど・・へへっ・・

また、カーラについては、「My Biography」シリーズでも書いたっけね。

彼女が登場するコラムは、こちら(その1その2その3)ですかね。

とにかく機会があったら、是非、カーラのところで、ドイツ料理に舌鼓を打ってください・・ネ。

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ところで・・

チト唐突ですが、知り合いのジャズシンガー、宮崎友紀子さんを紹介させてください。もう、ホントに素晴らしいソウルフルヴォーカリストです。

以前、あるキャフェライブで聴き、いっぺんにファンになったのですが、その宮崎友紀子さんと、偶然、友人のガーデンパーティーで再会したんです。

彼女については、このページあのページを参照してください。

私がコンサートで聴いたのは「ボサノバ」だったけれど、本当に心に染みわたりましたよ。

その宮崎友紀子さん。私の友人で、日本を代表するベーシスト(コントラバス奏者)藤原清登さんともコラボしたらしい。知らなかった。

 藤原清登さんだけれど、あるライブで彼女のヴォーカルを聴き、すぐに「いいですネ〜・・よければ、今度セッションを組みませんか・・」と、オファーしたんだそうな。

「あの」藤原清登だからね、宮崎友紀子さんの実力については推して知るべし・・だよね。

ということで、彼女の最新アルバムのカバー写真も載せておきます。

また、ギタリスト&シンガー(&パーカッション&マウス・トロンボーンなどのマルチ音楽家)として活躍するホブソン・アマラウさんとのコンビがパフォームするYouTube動画へも「リンク」を張っておきま〜す。

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あっと・・

私が愛用しているウエストポーチやバックパック。それについて何人かの方々に質問されたんですよ。それは、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」

ちょっと、プロモートさせてくださいね。

この方は、某有名メーカーのチーフデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードが散りばめられた「METAS」

とてもシンプル。でも、その機能性は、もう最高。お薦めしまっせ。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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