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2016_ゼロックススーパーカップ・・強い、強いサンフレッチェ・・(サンフレッチェvsガンバ、3-1)・・(2016年2月20日、土曜日)

「もちろん、倉田秋をスターティングメンバーに入れれば、どのようなゲーム展開になるのかは明確に見えていましたよ・・でも(新しいメンバー構成を!?)試してみなければ、課題も明確にならないじゃないですか・・」

そこで一息ついた長谷川健太監督が、私の質問に対する(こんなニュアンスの!!)コメントをつづけた。

「また、パトリックや倉田秋、宇佐美貴史にしても、昨シーズンの途中から、前戦からのディフェンスも効果的に繰り出せるようになってましたよね・・でも今 シーズンから新しいメンバーが加わったわけだから、様々な(攻守の!?)コンビネーションを調整していかなければいけません・・その意味でも、このゲーム は、とても貴重な学習機会だったわけです・・」

フムフム・・

言わずもがなだけれど、私の質問は、前戦プレイヤーたちの攻守ハードワークに関するモノだったんですよ。

・・交替した倉田秋がブチかました、相手ディフェンダーへの全力チェイス&チェック・・そこには、相手ディフェンダーのパスコースを制限するだけじゃなく、もしかしたらボール奪取勝負を仕掛けられるかも・・っていう「意志エネルギー」が充満していたと思う・・

・・でも、そんな(レベルの!)ハードワークに対する「意志」が、先発の前戦トリオ(パトリック、アデミウソン、宇佐美貴史)には感じられなかった・・それって、昨シーズンでも長谷川健太監督のテーマでしたよね?・・

もちろん私は、その質問に「変な悪意」を込めたわけじゃありません。そのことは、長谷川健太さんも、明確に分かっていると思いますよ。だからこその「真摯なコメント」だった!?

その、前戦からの守備ハードワークだけれど、その典型が、ボールを失ってからの、素早く効果的な攻守の切り替えをベースにした、「全力チェイス&チェック」というわけだ。

私が言っているのは、ぬるま湯で、まさに「アリバイ守備」と後ろ指を指されるような、覇気のない「寄せ」ではなく、倉田秋がブチかましたような、意志の爆発チェイスなんだよ。

もちろんサンフレッチェの場合は、前戦からのチェイス&チェック(=相手ボールホルダー≒次のパスレシーバーに対する寄せアクション!!)でも、強烈な意志が炸裂しつづける。

だからこそガンバ選手は、ちょっとでもトラップやコントロールをミスったら、すぐに詰め寄られてボールを奪い返されちゃう・・という危機感に苛(さいな)まれるっちゅうわけだ。

そう、サンフレッチェが効果的に演出しつづける心理プレッシャー。

そんな「心理プレッシャー」こそが、前戦からの守備ハードワークが秘める意義なんだよ。

それが、この試合でのガンバ先発メンバーでは・・

まあ、仕方ない。

そんなだから、「見せかけのゲーム展開」とは違う次元で、本当の意味の「サッカー内容の差」が、明確に見えくるのも道理だったというわけだ。

まあ、冒頭の長谷川健太監督のコメントにあるように、これからのガンバの「調整」が順調にいけば、もちろん彼らも、「J」の主役として存在感を発揮だろうけれど、でも今のところは・・ってなニュアンスだった。

それにしてもサンフレッチェは、強い、強い。

今日のサッカーからは、これまでに輪を掛けて、様々なコノテーション(言外に含蓄される意味)を内包する『バランス』が、どんどん高揚していると感じる。

それは、とりもなおさず、グラウンド上の選手たちが、主体的に考え、決断し、勇気をもってリスクにもチャレンジしていることの証左だよな。

まあ、ここで、サンフレッチェの強さについて書こうとは思わないけれど、とにかく森保一監督に拍手なのである。

この「強いサンフレッチェ」というテーマについては、新連載「The Core Column」で発表した「このコラム」を参照してください。

またその連載では、つい先日、「美しく勝つための理想的バランスを志向する2種類のアプローチ!?」というテーマで「コラム」を書いたから、そちらも参照してくださいね。

まあ、とにかく今シーズン「も」、サンフレッチェ(そしてレッズ!?)を中心にリーグ争いが展開されていくことを再認識させられていた筆者だったのです。

あっと・・忘れそうになった・・

サンフレッチェのベンチメンバーについてだけれど・・。

この試合では、交替出場したウタカとジャガー(もちろん浅野拓磨のことだよ!)が、抜群の存在感を発揮したじゃありませんか。

だから、どのような意図があるのか、彼らをベンチスタートにした背景を聞いた。そしたら・・

・・いや、それは日常のトレーニングパフォーマンス(健全な競争環境!!)がベースです・・我々は、常に、トレーニングでのパフォーマンスを基盤にスターティングメンバーを決めているんですよ・・

フム〜・・

でも、「あんな強者」がベンチにいたら、それって、相手にとっちゃ、ものすごいプレッシャーだよね。だから森保一監督も、相手ディフェンスが疲れてきた頃合いを見計らった強者どもの投入も、「もちろん」視野に入れているよね。

そうでしょ・・森保さん???

それと、後藤健生さんが、こんな興味深い質問を投げていたっけ。曰く・・

・・ウタカですが・・彼のプレーコンテンツは、サンフレッチェのサッカーコンセプトと(チーム戦術や組織プレーのリズムと!?)、まだ100%合致しているわけではないと思うのだが・・そのあたりのマネージメントについて聞かせて欲しい・・

良い質問だね〜。私も、とても興味深く、森保一監督のコメントを聞いていましたよ。曰く・・

・・そうですね〜・・まあ、たしかに守備にはまだ課題がありますかね・・そのことについては、これからも要求していきますよ・・

・・これからの作業ですが、そこでは、チームのコンセプトのなかに、できる限り彼の「良さ」を入れていくことがポイントになると思っています・・そのため にも、チームメイトたちも、彼のゴール前での仕事をしっかりとサポートしていくという意識が大事になってきますよね・・とにかく、チームのなかに個の強み 「も」、入れていけるように頑張ります・・

いいね〜、森保一・・。

PS:これからは、「The Core Column」と「My Biography」も、注力してアップしていきまっせ。

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 最後に「告知」です。

 どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

 一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

 そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

  自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

 ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

 もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

 まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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